Airborne
Godolphin Arabian | Cade | Matchem | Trumpator | Sorcerer | Comus | Melbourne | West Australian | Solon |
Barcaldine | Marco | Marcovil | Hurry On | Precipitationn |
エアボーン(Airborne)はイギリスの競走馬。史上4頭目の芦毛のイギリスダービー馬である。
Airborne | ハリーオン系 | |||
性 | 牡 | Precipitation 1933 栗毛 イギリス |
Hurry On | Marcovil |
毛色 | 芦毛 | Tout Suite | ||
生年 | 1943 | Double Life | Bachelor's Double | |
生産地 | アイルランド[1][2] | Saint Joan | ||
生産者 | Lt.Colonel Harold Boyd-Rochfort | Bouquet 1932 芦毛 イギリス |
Buchan | Sunstar |
馬主 | John Ferguson | Hamoaze | ||
調教師 | Richard Perryman | Hellespont | Gay Crusader | |
成績等 | 11戦5勝 | Barrier F-No.- |
- 2~5歳時11戦5勝
- 主な勝鞍 ダービー、セントレジャー、プリンセスオブウェールスステークス
エアボーンは、王室専属調教師のサー・セシルの兄弟であるハロルド・ボイドロッチフォート大佐がアイルランドで生産した。当時は第二次世界大戦中で、ロンドンを始めイギリス国内も空爆を受けていた。エアボーンは1歳の時にセリに出て、3900ギニーで落札された。調教師のリチャード・ペリーマンは前年に同じプリシピテーション産駒のシャモセールを手がけている。
競走成績
エアボーンはハリーオン系の典型的な晩成タイプで、成長が遅れ気味で2歳の時(1945年)は4戦して未勝利だった。最良の競走は、]]デューハーストS]]で4着に入ったものである。
エアボーンは3歳になった1946年の4月になって1マイル半(約2400メートル)の未勝利戦を勝ち、ダービーに出走した。エプソム競馬場は戦争中、対空陣地として使われていたが、大戦終結をうけて、この年から数年ぶりにダービーがエプソム競馬場で行われることになった。
未勝利戦を勝ったばかりのエアボーンは51倍と人気薄だった。終始後方を進んだエアボーンは、最後の直線で追い込み、残り200メートルで先頭に立っていたガルフストリームをとらえ、1馬身差をつけて優勝した。芦毛馬のダービー優勝は10年ぶり、史上4頭目だった[3]。
その後、7月にプリンセスオブウェールズステークスで古馬を破り、8月にニューマーケット競馬場のスタントニーステークスで同着優勝になった[4]。9月のセントレジャーでは4倍と本命になり、ミューレン(Murren)を半馬身抑えて優勝した。調教師のペリーマンにとっては前年のシャモセールに続いて、2年連続のセントレジャー制覇だった。
10月に、新設されたキングジョージ6世ステークスに出た。この競走は凱旋門賞に対抗して創設された国際競走(凱旋門賞#競合レースの登場参照。)で、フランスからはパリ大賞典の勝馬スヴレン(Souverain)、2歳チャンピオンのニルガル(Nirgal)、フランスダービー2着のエルスヌール(Elseneur)が遠征し、アイルランドダービー馬のブライトニュース(Bright News)も参戦、国際3歳馬対決と宣伝された。勝ったのはスヴレンで、2着にはアイルランドダービー馬のブライトニュース(Bright News)が入り、エアボーンは3着に敗れた。その後の古馬になると調教を行うことも難しくなり、引退して種牡馬になった。
種牡馬成績
エアボーンは種牡馬としては期待はずれに終わった。最良の産駒は障害馬のフライングボルト(Flyingbolt)、アイルランドオークスに勝ちイギリスオークスでも2着になった牝馬シルクングライダー(Silken Glider)である。日本との関連では、産駒の牝馬ソーダストリームが日本に輸入され、アローエクスプレスやミオソチスを産んだ。
このほかエアボーン産駒のネフォス(Nephos)はギリシアで種牡馬として成功し、ギリシアダービーの優勝馬を複数出している。
エアボーンの主な父系子孫
*愛はアイルランド、英はイギリス。
- Airborne
- |Nephos 1950 牡馬
- ||Mahi 1965 牝馬 ギリシアダービー
- |Flying Story 1952 アングルシーS、愛2000ギニー2着、セントジェイムズパレスS2着。アメリカ種牡馬。
- |*ソーダストリーム 1953 牝馬
- |Silken Glider 1954 牝馬 愛オークス、英オークス2着
- |Flyingbolt 1959 騙馬 クインマザーチャンピオンチェイス、愛グランドナショナル
本節に関する出典
- 『ダービーの歴史』アラステア・バーネット、ティム・ネリガン著、千葉隆章・訳、(財)競馬国際交流協会刊、1998、p125
- 『サラブレッドの世界』サー・チャールズ・レスター著、佐藤正人訳、サラブレッド血統センター刊、1971、p498
- 『CLASSIC PEDIGREES 1776-2005』Michael Church編、Raceform刊、2005、p291
- ↑ サラブレッドヘリテイジ ダービー勝馬一覧
- ↑ 英テレグラフ紙 2011年3月11日付“Lt-Col Harold Boyd-Rochfort bred the 1946 Derby winner, Airborne”
- ↑ 1936年のマームード以来。
- ↑ 同着優勝のため、エアボーンの戦績はしばしば「11戦4 1/2勝」と書かれる。