Z 狼と若造の群れ


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次は汽車の旅じゃ。
まずは駅に行きんす。


駅の中は昭和の雰囲気じゃ。






この階段を上り、


跨線橋を渡ると。


津軽五所川原駅じゃ。




なにやらヤバイ列車が停まっておるの。






これこそ今回のお目当ての一つ、

津軽鉄道ストーブ列車じゃ




車内の雰囲気もたまらんのう




早速ストーブ前を確保じゃ
ぬしや、遅れるでないぞ


くふっ

燃えとる燃えとる・・・
石炭ストーブの前に陣取るのは久しぶりじゃの




まあ、もう3月だし、平日と言うことで、車内はガラガラじゃ!
わっちのほかには客は2組しかおらん。

一人は見るからにガチ鉄じゃな。
もう一組は頭が悪そうな大学生二人連れじゃ。
ま、どっちもわっちからみればまだまだ若造じゃの。

というわけで一両に二台あるストーブのうち、一台をがっちり確保じゃ!



くふっ!
wkwkするのぅ!


列車は機関車含めて4両じゃ。

先頭にはディーゼル機関車がおる。
その次になぜかキハじゃ。走れメロス号じゃ。
それから客車が2両。この2両がストーブ車両じゃ。

ストーブ車に乗るには、普通料金のほかにストーブ料金が必要じゃ。
といってもたったのリュミオーネ金貨300円じゃ。安いもんじゃろ?
立派な切符ももらえるしの。




今日は一両の客車には団体さんがおるようじゃ。
引率者に連れられた年寄りが20人ほどぞろぞろ歩いて行きよった。
どこから来たのか知らんが、
わざわざこんな田舎の汽車に乗るために団体旅行とは殊勝なことじゃ。

それから、この汽車には、アテンダントなる女がおる。



こいつら、ガチ津軽弁でしゃべりよる。
(わっちはガチ津軽弁がわからんから、ガチなのかどうかはわからんがの。)

「まもなぐ汽車さ発車するがら、最初は右手の方さ見てげれ。」
みたいな感じでガイドしよる。

ガイドと言っても、今日は客が数人しかおらんじゃろ、
ほぼマンツーマン接客じゃ。

「おぎゃくさん、あんたどこがら来たの?」
みたいな感じじゃの。
見た目は普通の二十台半ばなのだが、侮れん。

どう侮れないかというと、さすが鉄憧れの路線だけあって、
鉄への対応は余裕じゃ。
ガチ鉄「キハ11は運行してないですか?」
アテ「キハ11は今は運行してないので、五所川原の駅で留置してます」
みたいな感じで鉄用語が飛び交っても余裕じゃ。
台車がどうとか、わっちには理解できないレベル。

線路脇に停まっている車両を指さして、アレは昭和何年の車両だとか、
そういう会話を実に楽しそうにしておるわ。



発車すると、さんざん見てきた津軽平野の眺めが再び広がるんじゃ。

雪、りんご畑、岩木山、白鳥。



白鳥がいっぱいいるんですね、とアテンダントに聞いてみたのじゃが。。。

「腐るほどおるね」じゃと。


で、そのアテンダントが言う。
「ちょっと、右手のあの赤い屋根の家を見てで」




・・・




・・・・・・




・・・・・・・・・・・・・










アテ「あれ、わだすの同級生のうちなんです。別に普通の家ですけど」

はぁ?

ま、白鳥が珍しくないとすると、ほかに何も変化がないからの・・・。
ローカルな話題を提供してくれてご苦労じゃ。


そうかと思えば・・・

「次の『五農校前』駅さ着いだら、看板をよぐ見でくりゃれ!」だと。




アテ「どうですか?」

「はぁ」

アテ「何か気づきませんか?」

(「このうこうまえ」になってるけど、津軽じゃそう発音するのかな・・・?)

アテ「よぐ見てください。『ごのうこうまえ』駅なのに、看板の字は『このうこうまえ』になってます」

アテ「ローマ字もCOです」

「そ、そうですねぇ?」


アテ「あれは実は、五農校の生徒さんのイタズラなんです」

「えっ?」

「えっ?」


アテ「イタズラされても直さない、それが津軽鉄道クオリティです」

「は、はぁ・・・」


ストーブの焔は勢いよく燃えていて、
けっこうすぐに石炭が燃え尽きるので、
ときどき石炭をくべにやってくる。



車掌さん?とはちょっと違う役割ぽいのじゃが、こやつも若いの。
22,3歳というところじゃ。まだまだひよっこじゃの。

じゃがこやつは働き者じゃ。
駅が近づけば車内放送、駅に着けば安全確認、
駅と駅の間では車内でグッズを売り歩き、ストーブの火が小さくなっていれば炭を足す。
写真に撮られるためのポーズも余裕じゃ。
勤勉じゃの。

わっちもその熱意にほだされて、津軽鉄道手ぬぐいを一本買い求めたのじゃ。


そうそう、団体客じゃがの。
10分もしないうちに、いくつか目の駅でぞろぞろ降りていきよった。
駅前に大きなバスが迎えに来ておったが、
団体旅行とは窮屈なものじゃの。


それから、途中の駅には、スマップの何とか君がやってきてペイントしたという、引退車両が留置してありんす。
なんでも、テレビの企画でやってきたらしいのじゃが・・・



これはひどい

わっちが鉄オタならそのスマップの何たら君とかいう若造に殺意を抱くところじゃ

津軽鉄道ではこんな風にされた車両を塗り直す金もなく、
やむを得ずこのまま留置しているそうじゃ。


ちなみに、五所川原駅に保存留置してある車両はこんな感じじゃった。




往年の気動車もあんな落書きだらけにされたら泣くに泣けんわな・・・




そうこうしているうちに、終点の津軽中里じゃ。



と、言うても、駅前には何にもありんせん。

折り返しの汽車が出るまでの20分ほど、その辺をぶらぶらじゃな。



ここは龍飛岬に一番近い駅らしいのじゃが、
駅前からはバスも何も出ておらん。
バス停すらありんせん。

その代わり、気になる看板を見つけたのじゃ。

この看板は、わっちらに何を伝えたかったのじゃろうか。。。





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