しかし、いくら鳥居の色が物珍しいと言っても、自転車を降りて神社を訪れる観光客はほとんどいない。
鳥居の向こうに見える参道はこんな感じで、ちょっと「行ってみたい」と魅力を感じるような雰囲気ではないからだ。ヒグマも怖いし。
いや、天売島にはヒグマはいない。大型捕食者はいないのだから安心してほしい。というわけで、参道を進む。 |
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が、道道から150メートルほど進むと、社殿の手前でこの「参道」は左にはずれていく。実はこの道、三吉神社の参道というわけではないのだ。
2本の轍からもわかるように、車も通ることができる。入り口の鳥居が少々幅広だったのも、車輌の通行のためだ。
実はこの道、島の中央の保安林へ通じている。そのための道なのだ。自然豊かにみえる天売島だが、実は明治から大正にかけて、ニシン目当ての入植者の乱開発と野火のせいで禿げ島のようになったのだという。戦後にようやく植林がはじまり、50年かけてここまで回復したのだ。 |
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今回は保安林には用事がないので、道を外れて社殿の前の草地へ。
こう見えて7月31日、つまり夏真っ盛りである。北海道的には、1年で最も草ボーボーの時期なのだ。
北緯44度とはいえ、天売島は暖流の対馬海流の影響を受けていて、比較的暖かい。一年の平均気温は7度もあり、夏は20度を超えることもある。暑いのだ。 |
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境内(?)に転がる手水石。 |
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北海道らしい、トタン葺きの社殿。扉や屋根などは鳥居と同じ縹色に塗られている。
柱や梁には装飾の彫り物が施されており、北海道の無人神社としてはむしろ豪華なほうだ。ちゃんと電気も通じている。 |
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「三吉神社」の標は読めなくなっていた。
なお、一般的には「三吉神社」は「みよし-」と読むが、ここでは「さんきち-」と読むのが通例だそうだ。 |
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