カンバーランドのソースを表示

[[:en:Cumberland]](oldid=814132085)から一部転記

{|style="float:right;margin-left:1em;margin-top:0.5em;background:#f9f9f9;text-align:center; border: 1px #cccccc solid;font-size:90%;"
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|colspan="2" style="background:white;"|[[File:Flag of the United Kingdom.svg|28px|alt=|link=イギリスの国旗]] [[File:Flag of England.svg|28px|border|alt=|link=イングランドの国旗]] [[イングランド]]の地方<br>[[File:Cumberland flag.svg|30px]] '''カンバーランド''' ('''[[:en:Cumberland|Cumberland]]''')
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|colspan="2" style="background:white;"|[[File:Derwent-water.jpg|300px|ダーウェント湖]]
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|colspan="2"|[[イングランドの行政区画|行政区画]]
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|古典的区分||[[シャイア]]／[[イングランドのカウンティ|カウンティ]]
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|[[イングランドの行政カウンティ|行政カウンティ]]<br>(1889-1974)
| style="text-align:left;"|
:カンバーランド
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|[[イングランドの典礼カウンティ|典礼カウンティ]]<br>[[イングランドの都市および非都市カウンティ|非都市カウンティ]]<br>(1974-)
| style="text-align:left;"|
:[[ファイル:County Flag of Cumbria.svg|30px]][[カンブリア (イングランド)|カンブリア]]
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|[[リージョン (イングランド)|リージョン]]||[[ノース・ウェスト・イングランド]]
|}
'''カンバーランド'''（'''Cumberland'''）は[[イングランド]]の[[イギリスのカウンティ|歴史的カウンティ]]の一つ。



[[イングランドのカウンティ|カウンティ]]としての歴史は12世紀に遡り、1889年から1974年までは[[イングランドの行政カウンティ|行政カウンティ]]となった。その間、1914年に[[カーライル (イングランド)|カーライル市]]を併合している。1974年には隣接する[[ウェストモーランド]]や[[ランカシャー]]・[[ヨークシャー]]の一部と合併し、[[カンブリア (イングランド)|カンブリア]]として再編された。1994年に制定された地域区分である[[リージョン (イングランド)|リージョン]]では[[ノース・ウェスト・イングランド]]に属する<ref group="注">日本語文献では、イングランドのカウンティ（特に歴史的カウンティ）を「州」と和訳しているものがある。また、カウンティによっては下位区分が設置されていたところもあり、これを「郡」としているものもある。このため1994年以前の文献では、カンバーランドとウェストモーランドの境界を「州境」と表現してるものがある。1994年制定の「リージョン」の下には、新しいカウンティ（[[イングランドの典礼カウンティ|典礼カウンティ]]（英: ceremonial counties））としてのカンバーランドがあり、さらにその下位区分があり、これを「郡」と表現する文献もある。</ref>。
===「カンバーランド」の語源===
「カンバーランド」（英: Cumberland）という語は、中世の[[ブリトン人]]の言葉（[[ウェールズ語]]）でブリトン人自身を指す語「カムリ（Cymry）」に由来する<ref name="Oxf史2-119"/><ref name="ストラスクライド-3"/>{{refnest|group="注"|この語はさらに古形として、ブリトン人の古い語（[[ブリソン諸語]]参照）の「''Combrogi''」から来ている<ref name="ストラスクライド-3"/>。}}。中世の早い時期には、この語はブリトン人全体を指して用いられていた。しかし中世の中期に[[イングランド人]]が進出すると、イングランド人はブリテン島の南部・中部の[[コーンウォール]]や[[ウェールズ]]の先住者であるブリトン人を指して「ウェアラス（Wealas）」（「ウェールズ」の語源）と呼び、それとは区別して北部のブリトン人を「クンブラス（Cumbras）」と呼んだ<ref name="Oxf史2-356"/>{{refnest|group="注"|イングランド人は南部・中部の「ウェアラス」を旧ローマ属州民とみなし、北部の「クンブラス」はローマに属さない人々とみなしていたのだろう、と推測されている<ref name="Oxf史2-356"/>。}}。

「カンバーランド（Cumberland）」やその後裔である「カンブリア（C<u>'''''u'''''</u>mbria）」と、現代のウェールズを指す「カンブリア（C<u>'''''a'''''</u>mbria）」は綴りが異なるが、語源は同一と考えられている<ref name="ストラスクライド-3"/>。

==地理==
[[ファイル:Geology Map of Cumberland.jpg|right|thumb|300px|カンバーランド地方周辺の主要地形]]
カンバーランドはイングランドの北西端に位置しており、北はスコットランドと隣接している{{refnest|group="注"|[[イングランド]]の[[イギリスのカウンティ|歴史的カウンティ]]でいうと、東隣は[[ノーサンバーランド (イングランド)|ノーサンバーランド]]、南東は[[ダラム (カウンティ)|ダラム]]、南は[[ウェストモーランド]]と[[ランカシャー]]に接している。[[スコットランド]]側の[[スコットランドの地方行政区画|隣接地域]]は、{{仮リンク|ダンフリースシャー|en|Dumfriesshire}}（現[[ダンフリーズ・アンド・ガロウェイ]]）と{{仮リンク|ロクスバラシャー|en|Roxburghshire}}（現[[スコティッシュ・ボーダーズ]]）である。}}。面積は約97万[[エーカー]]（約3,900平方キロメートル）{{refnest|group="注"|面積は、主にランカシャーとのあいだで管轄地域の変更が何度かあり、年代によって変化がある。1831年の時点では969,490エーカー（約3,923平方キロメートル）、1961年には973,146エーカー（約3,938平方キロメートル）など<ref name="data_Cumberland"/>。日本の都道府県と面積を比較すると、ほぼ同じ面積をもつのが[[滋賀県]]（約4,000平方キロメートル）。イングランド全体の面積（約130,000平方キロメートル）に対するカンバーランドの比率は約3％で、日本にあてはめると[[秋田県]]と同等の割合を占めている。}}。

主な大地形としては、南の{{日本語版にない記事リンク|カンブリア山脈 (湖水地方)|label=カンブリア山脈|en|Cumbrian Mountains|links=no|short=on}}<ref name="英教科書93"/>{{refnest|group="注"|[[ウェールズ]]の山地も「{{日本語版にない記事リンク|カンブリア山脈 (ウェールズ)|label=カンブリア山脈|en|Cambrian Mountains|links=no|short=on}}」という。カンバーランドの「カンブリア」は「C'''u'''mbria」、ウェールズの「カンブリア」は「C'''a'''mbria」と綴りが異なる。}}、[[ソルウェー湾|ソルウェイ湾]]へ注ぐ{{日本語版にない記事リンク|イーデン川|en|River Eden, Cumbria|links=no|short=on}}{{refnest|group="注"|本項ではEdenのカナ転記は『全訳　世界の地理教科書シリーズ3　イギリス』に基づき「イーデン」とする<ref name="英教科書93"/>。「エデン」と転記する例[https://jp.hotels.com/nh1650649/hotels-in-eden-bare-kanburia-zhou-igirisu/]、「イードン<ref name="Oxf史2-xix"/>」などの例もある。}}、イーデン川の中・上流域の{{日本語版にない記事リンク|イーデン谷|en|Vale of Eden|links=no|short=on}}<ref name="英教科書93"/>、イーデン川下流域に広がる{{日本語版にない記事リンク|ソルウェイ平野|en|Solway Plain|links=no|short=on}}<ref name="英教科書93"/>などがあげられる。西の[[アイリッシュ海]]に面する湾岸部には[[海岸平野]]が形成されている<ref name="英教科書93"/>。

カンバーランドの南部からウェストモーランドにまたがって、カンブリア山脈のなかほどには「[[湖水地方]]」と呼ばれる地域がある。山地を中心にして谷が放射状にならび、川や湖に富む。定住者はほとんどいないが、イングランドを代表する観光地であり、[[ウィリアム・ワーズワース|ワーズワース]]の詩や『[[ピーターラビット]]』の作者[[ビアトリクス・ポター]]ゆかりの地としてよく知られている<ref name="英教科書99"/>。

カンバーランドを代表する都市は[[カーライル (イングランド)|カーライル]]で、イングランド北西部の代表都市でもある。周辺域も含む都市圏（[[シティ・オブ・カーライル]]）の人口は約10万（2011年現在）。

===山と大地===
[[ファイル:Fells and Mountains of Cumberland.jpg|right|thumb|300px|カンバーランド地方周辺の山岳地形]]
イーデン川がつくるイーデン谷とソルウェイ平野は古くから南北の交通路となってきた。また、ペナイン山脈の北を横断するタイン・ギャップは東西の主要交通路であり、これらが交差するカーライルは古来、交通の要衝としてイングランドとスコットランドの間で奪い合いが行われてきた<ref name="英教科書100"/><ref name="英教科書103"/>。

一方、カンブリア山脈のある湖水地方は、気候が厳しく、土地も肥沃ではない。また、急峻な山と谷が放射状に幾重にも続くため、これらを貫く交通路の整備が困難だった。そのためこの地域の大部分はほとんど無人である{{refnest|group="注"|湖水地方全体の平均人口密度は1平方キロメートルあたり20人（1975年現在）<ref name="英教科書99"/>。}}。しかし、こうした条件のために、18世紀以降の[[産業革命]]から取り残され、19世紀になると風光明媚で自然豊かな観光地としてイギリス人に「再発見」され、愛されてきた<ref name="英教科書99"/>。

カンブリア山脈の西側の海岸地帯には小規模な海岸平野がある。この地域は石炭、鉄鉱石、石灰岩を算出し、近代以降この地方の産業と経済の発展の原動力になってきた<ref name="英教科書101"/>。

====オールストン地塊（ペナイン山脈）====
イングランドの北部には、島を南北に貫く中央山塊があり、「[[ペナイン山脈]]<ref name="ブリタニカ_ペナイン山脈"/>（ペニン山脈<ref name="大辞林_ペニン山脈"/>{{refnest|group="注"|「Pennines」のカタカナ表記としては、「ペナイン」のほか「ペニン<ref name="英教科書103"/><ref name="大辞林_ペニン山脈"/><ref name="ニッポニカ_ペニン山脈"/>」「ペナインズ<ref name="ニッポニカ_ペニン山脈"/>」「ペンニン」などがある。本項では「ペナイン山脈」で統一する。一般的な日本語訳では「山脈」「山地」などと意訳されているが、最高峰でも標高約900メートル（約3000フィート）、多くは数百メートルである。}}）」（英: Pennines）と呼ばれている。

ペナイン山脈にはところどころに断層による谷が東西に入り込んでおり、これによってペナイン山脈はいくつかの地塊に区分されることもある<ref name="ニッポニカ_ペニン山脈"/>。

ペナイン山脈の最も北部では、[[北海]]に注ぐ[[タイン川]]の上流部が「タイン・ギャップ<ref name="英教科書103"/>」（英: Tyne Gap）と呼ばれる谷を作っている。タイン・ギャップより北側の山塊は「{{日本語版にない記事リンク|チェビオット丘陵|en|Cheviot Hills|links=no|short=on}}<ref name="英教科書103"/>」と呼ばれている。チェビオット丘陵はペナイン山脈とは別の山塊とみなす場合と、ペナイン山脈の一部とする場合がある。

タイン・ギャップは古代からブリテン島を東西に横断するための重要路で、ローマ人が2世紀初頭に建設した[[ハドリアヌスの長城]]もここにある<ref name="英教科書103"/>。

イーデン川の上流部付近には「ステンモア・ギャップ（ステンモア峠<ref name="英教科書103"/>、ステンモア山峡）」（英: [[:en:Stainmore Gap|Stainmore Gap]]・[[:en:Stainmore Summit|Stainmore Summit]]）と呼ばれる[[峠|鞍部]]がある。この峠はイーデン川支流の上流部と、[[ヨークシャー|ヨーク地方]]と[[ダラム (カウンティ)|ダラム地方]]の境を流れる{{日本語版にない記事リンク|ティーズ川|en|River Tees|links=no|short=on}}の上流部とを繋いでいる。ペナイン山脈のうち、ステンモア・ギャップより北側の部分を「オールストン地塊<ref name="英教科書103"/>」と呼ぶ。

標高1370フィート（約418メートル）のステンモア峠にはかつて鉄道が通じており<ref name="英教科書103"/>、1962年に廃止されるまでイングランドの鉄道で最も標高の高い地点だった。しかし鉄道の廃止後は東西交通路としての重要度は低下している<ref name="英教科書103"/>。

====「フェル」====
イングランド北部やスコットランドでは、高地状の地形を指して「{{日本語版にない記事リンク|フェル|en|Fell|links=no|short=on}}<ref name="英教科書103"/>」と呼ぶ。「フェル（''Fell''）」はもともと[[古ノルド語]]で「山」を意味する「''[[wikt:ja:fjall|fjall]]''」が語源とされており、荒れた高原やごつごつした山の背などを指して用いられる語である<ref name="リーダーズ_fell"/>。もっぱら湖水地方とペナイン山脈北部で山岳地形の地名として用いられている<ref group="注">本来の語源である北欧、とくにスカンジナビア半島でも広く使われている。</ref>。（詳細は[[:en:Fell|Fell]]参照。）

ペナイン山脈北部（オールストン地塊）に聳える{{日本語版にない記事リンク|クロス・フェル山|en|Cross Fell|links=no|short=on}}<ref name="英教科書93"/>はペナイン山脈の最高峰で、標高は約893メートル（2930フィート）ある<ref name="大辞林_ペニン山脈"/>。ペナイン山脈とカンブリア山脈を繋ぐ位置にある高地はシャップ・フェルと呼ばれている<ref name="英教科書93"/>。
====カンブリア山脈====
[[カンブリア (イングランド)|カンブリア地方]]の中心部、カンバーランドやウェストモーランドにまたがる山地を{{日本語版にない記事リンク|カンブリア山脈|en|Cumbrian Mountains|links=no|short=on}}と呼ぶ。カンブリア山脈の中心部には、イングランドの最高峰<ref group="注">[[イギリス]]の本島（[[グレートブリテン島]]）の最高峰は[[スコットランド]]の[[ハイランド地方]]にある[[ベン・ネビス山]]（標高4409フィート＝約1344メートル）。</ref>である{{日本語版にない記事リンク|スケイフェル山|en|Scafell Pike|links=no|short=on}}（標高3209フィート＝約978メートル）をはじめ、{{日本語版にない記事リンク|ヘルベルン山|en|Helvellyn|links=no|short=on}}（標高3117フィート＝約950メートル）、{{日本語版にない記事リンク|スキッドー山|en|Skiddaw|links=no|short=on}}（標高3054フィート＝約931メートル）などの900メートル級の山々がそびえている。山地はこれらを中心にドーム状に広がっている<ref name="英教科書93"/>。

このあたりでは、[[古生代]]後半の[[石炭紀]]（およそ3.6-3.0億年前）に形成された[[石炭層]]・[[石灰岩]]層のうえに、[[三畳紀]]（およそ2.5-2.0億年前）に[[砂岩]]や[[泥岩]]の層が形成された{{refnest|group="注"|より詳しくは、[[新赤色砂岩]]や[[コイパー泥灰岩]]（[[:en:Keuper|Keuper]]）である<ref name="英教科書93"/>。}}。[[第三紀]]（およそ6400-260万年前）に入るとこれらの地層が[[隆起]]・[[褶曲]]し、ドーム型の山地の基本形ができあがった。このドーム中央部の高所から河川が流れて砂岩や泥岩の層を侵食し、放射状の河谷が発達した。とりわけ中央部付近では激しい侵食作用によって砂岩・泥岩の層はほとんど失われ、古く硬い石灰岩層が露出した。これが現在みられる高い峰である<ref name="英教科書93"/>。

[[氷河時代]]には、特に高い部分に氷河が集まり、それが放射状の河谷に沿って四方八方へ移動した。硬い所で削りとられた石や岩の破片が、氷河に取り込まれて谷に沿って移動することで、元からあった谷はさらに深く広くなっていった。こうして[[U字谷]]や[[圏谷]]、紐のように細長い湖沼地形が放射状につくられた。氷河が溶けると、氷河が削って運んだ岩石が谷の端部に[[氷堆石]]となって集まり、谷川を堰き止めて湖をつくったり、この地方で「[[氷堆丘|ドラムリン]]」（英: drumlin）と呼ばれる丸みを帯びた列状の丘をつくった。これらが[[湖水地方]]の特徴的な地形となった<ref name="英教科書93"/>。

'''[[スケイフェル山]]'''（英: Scafell Pike{{refnest|group="注"|Scafell Pikeの異表記としては、Scaféll Pike<ref name="リ英和-ScafellPike"/>などが見受けられる。カタカナ表記例としては「スケイフェル山<ref name="英教科書93"/>」のほか「スコーフェル山」など<ref name="リ英和-ScafellPike"/>。}}）はイングランドの最高峰（標高3209フィート＝約978メートル）として知られている。山頂部は硬い火山岩でできており、風化に強いため切り立った形状をしているのが特徴である<ref name="英教科書93"/>。これに準じる高さをもつのがスケイフェル山の支峰として隣接するスケイフェル（英: [[:en:Sca Fell|Scafell]]{{refnest|group="注"|Scafellの異表記としては、「Sca Fell<ref name="リ英和-Scafell"/>」、「Sca-Fell<ref name="リ英和-Scafell"/>」「Scawfell」など。カタカナ表記例としては「スコーフェル<ref name="リ英和-Scafell"/>」など。}}）（標高3163フィート＝約964メートル）で、イングランドで2番めに高い<ref name="リ英和-Scafell"/>。

'''[[スキッドー山]]'''（英: Skiddaw）は山体が粒の細かい[[頁岩]]で、風化によって丸みのある山容をしている。標高は3054フィート（約931メートル）あり、イングランドで6番目に高い<ref name="英教科書93"/>。

*詳細は[[:en:List of fells in the Lake District]]および[[:en:List of hills in the Lake District]]を参照。

===川と湖===
====河川====
[[ファイル:Rivers of Cumberland.jpg|thumb|right|300px|カンバーランドの主な河川]]
*河口が北にある順から
:*（ボーダー・）エスク川（[[:en:River Esk, Dumfries and Galloway|River Esk]]） - スコットランドの[[ダンフリーズ・アンド・ガロウェイ]]で、南流して国境を越えてカンバーランドに入り、支流のリン川（[[:en:River Lyne|River Lyne]]）をあわせて[[ソルウェー湾|ソルウェイ湾]]に注ぐ。カンバーランドには同名の川があり、区別のため「ボーダー・エスク」とも呼ばれる。

:*'''[[イーデン川]]'''（英: River Eden） - カンバーランドの最大の河川。その上流部はウェストモーランドにある。イーデン川はペナイン山脈のカンバーランドとノーザンブリアの境界付近に発し、山岳地帯を南西へ下る。川筋は一部でカンブリアと[[ノース・ヨークシャー]]の州境になっている。山を下り終えるとイーデン川は北東へ向きを転じ、東のペナイン山脈と西のカンブリア山脈から来る数多くの支流を集める。川に沿って谷が開けてゆき、（{{日本語版にない記事リンク|イーデン谷|en|Vale of Eden|links=no|short=on}}）となる。イーデン谷はドラムリンの典型例である<ref name="英教科書93"/>。イーデン川の下流部では[[沖積地]]が発達し、{{日本語版にない記事リンク|ソルウェイ平野|en|Solway Plain|links=no|short=on}}<ref name="英教科書93"/>と呼ばれている。[[カーライル (イングランド)|カーライル]]付近で支流を集めて西へ転じ、[[ソルウェー湾|ソルウェイ湾]]へ出る。河口部には沼沢地が形成されている。
::*イーモント川（[[:en:River Eamont|River Eamont]]）はイーデン川の支流である。湖水地方の{{日本語版にない記事リンク|アルス湖|en|Ullswater|links=no|short=on}}<ref name="英教科書93"/>{{refnest|group="注"|Ullswaterのカタカナ転記としては、ほかに「アルズウォーター湖<ref name="リ英和-Ullswater"/>」、「ウルスウォーター湖<ref name="世界7-湖水地方"/>」など。}}から東流し、{{日本語版にない記事リンク|ペンリス|en|Penrith, Cumbria|links=no|short=on}}という町の端を流れてイーデン川に合流する。イーモント川はカンバーランドの南端で、ウェストモーランドとの境界である。
::*アーシング川（[[:en:River Irthing|River Irthing]]）はペナイン山脈北部のタイン・ギャップを流れ下ってくる支流である。川の上流部はノーザンバランドとの州境になっている。
::*このほかイーデン川の支流としてカンブリア山脈から北進してきた{{日本語版にない記事リンク|ペテリル川|en|River Petteril|links=no|short=on}}<ref name="英教科書100"/>、カルデュー川（[[:en:River Caldew|River Caldew]]）がカーライルで合流する。

:*{{日本語版にない記事リンク|ダーウェント川 (カンブリア)|en|River Derwent, Cumbria|links=no|short=on|label=ダーウェント川}} - 湖水地方の{{日本語版にない記事リンク|ダーウェント湖|en|Derwentwater|links=no|short=on}}<ref name="リ英和-Derwentwater"/><ref name="英教科書93"/>{{refnest|group="注"|Derwentwaterのカタカナ転記としては、ほかに「ダーウェントウォーター湖<ref name="世界7-湖水地方"/>」など。}}と{{日本語版にない記事リンク|バッセンスウェイト湖|en|Bassenthwaite Lake|links=no|short=on}}<ref name="英教科書93"/>、[[ウィリアム・ワーズワース|ワーズワース]]の出身地として知られる[[コッカーマス|コカーマス]]<ref name="世界7-湖水地方"/>（[[:en:Cockermouth|Cockermouth]]）を通り、港町{{日本語版にない記事リンク|ワーキントン|en|Workington|links=no|short=on}}でアイリッシュ海に注ぐ。

:*イヘン川（[[:en:River Ehen|River Ehen]]）- [[エナーデール湖]]からアイリッシュ海へそそぐ川。エナーデール湖の上流側はリザ川（[[:en:River Liza|River Liza]]）と呼ばれている。
:*カルダー川（[[:en:River Calder, Cumbria|River Calder]]）- イヘン川と同じ位置で海へ注ぐ川。河畔にイギリスで最初の大型原発となる[[コールダーホール原子力発電所]]がある（2003年に閉鎖。）。イヘン川とカルダー川に挟まれた場所には[[セラフィールド]]という核処理施設がある。これらの核施設は、この地がイングランドの僻地であると同時に、海へ廃棄物を流すのに適していることから建設されたものである<ref name="英教科書101"/>。

:*エスク川（[[:en:River Esk, Cumbria|River Esk]]）- 湖水地方から南西へ流れ、{{日本語版にない記事リンク|エスク谷 (カンブリア)|en|Eskdale, Cumbria|links=no|short=on|エスク谷}}と呼ばれる地域をぬけてアイリッシュ海に注ぐ。北部のエスク川（ボーダー・エスク）と区別のため「カンブリアン・エスク」とも呼ばれる。
:*{{日本語版にない記事リンク|ダドン川|en|River Duddon|links=no|short=on}} - はカンバーランドの州境になっている川で、ワーズワースの詩集『ダドン川ソネット集』（"The River Duddon, A Series of Sonnets"）に登場することで知られる。

====湖====
[[ファイル:Lakes of Cumberland.jpg|thumb|right|300px|湖水地方の主な湖]]
カンバーランドなどにまたがる[[湖水地方]]には数多くの湖がある。これらの湖は、カンブリア山脈が隆起した後に氷河が移動して形成されたもので、山脈の中央から放射状に伸びた細長い湖が多数ある。こうした湖では、下流側の谷が[[氷堆石]]によって堰き止められており、湖の端部には[[シルト]]の堆積による[[三角州]]が発達している。湖によってはこの三角州によって分断されたものもある<ref name="英教科書93"/>。

カンバーランドの主な湖は次の通り。

{|class=wikitable
|-
|英名<ref group="注">湖の固有名詞については英語の綴でも、「○○water」と「○○ Water」、「○○」と「○○ Lake」といった表記ゆれがある。</ref>||和訳||その他の和訳例||面積<br>（km<sup>2</sup>）
|-
|[[:en:Ullswater|Ullswater]]||[[アルス湖]]<ref name="英教科書93"/>||アルズウォーター湖<ref name="リ英和-Ullswater"/><br>ウルスウォーター湖<ref name="世界7-湖水地方"/>||8.9
|-
|[[:en:Bassenthwaite Lake|Bassenthwaite Lake]]||[[バッセンスウェイト湖]]<ref name="英教科書93"/>||　||5.3
|-
|[[:en:Derwentwater|Derwentwater]]||[[ダーウェント湖]]<ref name="リ英和-Derwentwater"/><ref name="英教科書93"/>||ダーウェントウォーター湖<ref name="世界7-湖水地方"/>||5.4
|-
|[[:en:Buttermere|Buttermere]]||[[バターメア湖]]<ref name="英教科書93"/>||　||0.9
|-
|[[:en:Crummock Water|Crummockwater]]||[[クラモック湖]]<ref name="英教科書93"/>||　||2.5
|-
|[[:en:Loweswater|Loweswater]]||　||　||0.6
|-
|[[:en:Ennerdale Water|Ennerdalewater]]||[[エナーデール湖]]<ref name="英教科書93"/>||　||3.0
|-
|[[:en:Wast Water|Wastwater]]||[[ウォスト湖]]<ref name="英教科書93"/>||　||2.9
|-
|[[:en:Thirlmere|Thirlmere]]||[[サールメア湖]]<ref name="英教科書93"/>||　||3.3
|-
|}
*このほか[[湖水地方]]には{{日本語版にない記事リンク|ウィンダミア湖|en|Windermere|links=no|short=on}}、{{日本語版にない記事リンク|グラスミア湖|en|Grasmere (lake)|links=no|short=on}}、{{日本語版にない記事リンク|ライダル湖|en|Rydal Water|links=no|short=on}}、{{日本語版にない記事リンク|コニストン湖|en|Coniston Water|links=no|short=on}}、{{日本語版にない記事リンク|エスウェイト湖|en|Esthwaite Water|links=no|short=on}}、{{日本語版にない記事リンク|ハーウェス貯水池|en|Haweswater Reservoir|links=no|short=on}}（Haweswater）などの湖がある。
*詳細は[[:en:List of lakes in the Lake District]]を参照。

== 気候と農業 ==
カンバーランドは雨が多いことでよく知られている。湖水地方にあるセスウェイト（[[:en:Seathwaite, Allerdale|Seathwaite]]、誌0-スウェイととも）はイングランドで最も降水量が多く、年間123インチ（約3120ミリメートル）に達する<ref name="ヘリテイジ-17"/>。

カンバーランドは全般的に西の海上から来る風の影響を受けている。低地は内陸部まで比較的穏やかな気候で、冬は暖かく夏は涼しい（[[西岸海洋性気候]]）。湖水地方の中心部にある[[ケズィック|ケジック]]（英: Keswick）は、標高77メートル（約254フィート）ほどに位置しており、谷に沿って西の海上から温かい空気が流れ込むために1月の平均気温は摂氏4.4度である。一方、7月の平均気温は摂氏15.5度と涼しい<ref name="英教科書93"/>。カンブリア山脈の高所にいくと気温は下がり、標高760メートルまでゆくと1月の平均気温は0度を下回るようになる。そのうえ西寄りの強風が吹き荒れ、雪も多く厳しい環境となる<ref name="英教科書93"/>。

湖水地方山間部は降水量も多く、ところにより年間降水量は5000ミリを超える。特に標高が高い地域ではペナイン山脈よりも降水量が多い。[[スケイフェル山]]に近いセスウェイト（英: [[:en:Seathwaite, South Lakeland|Seathwaite]]）でも年平均3340ミリの雨が降る。低地は雨が少なく、ケジックでは年1470ミリ程度に留まる<ref name="英教科書93"/>。しかし、湖水地方の湖周辺の低地には、山間部に降った大雨が一気に集まり洪水を引き起こすことも多い<ref name="英教科書93"/>。

イーデン谷や海岸部では雨は少なく、年間1000ミリを下回る<ref name="英教科書93"/>。カンバーランドは全般的に曇天が多く、日照時間は短い<ref name="英教科書93"/>。

[[沖積平野]]であるソルウェイ平野では土壌が厚く豊かで、降水量は760ミリを上回る程度と少ないが、気温は年間を通じて温和である<ref name="英教科書93"/>。農業に適した条件が揃っており、酪農が行われている。生産された牛乳は東海岸の[[ニューカッスル・アポン・タイン]]やランカシャーといった工業地帯で消費される。土地の多くは牧草地として利用され、そのほか[[大麦]]、[[オート麦]]、[[根菜|根菜類]]、[[ジャガイモ]]、[[小麦]]、[[キャベツ]]などが栽培されている<ref name="英教科書100"/>。

とくに湖水地方は土壌は薄く痩せており、農業に不適である<ref name="英教科書99"/>。不毛な土地の産業として針葉樹の植林も行われたが、一帯が国立公園となったために植林はできなくなった。フェルなどの高地では沼沢地や[[ヒース]]が点在し、ヒツジの放牧に利用される<ref name="英教科書99"/>。狭い谷には土壌が堆積している場所があるため、小規模な農場がそこに集中している。夏季のあいだだけ子ヒツジの飼育が行われるほか、観光客向けの乳牛がわずかに飼育されている。主要な作物は草、クローバーで、このほか飼料用のムギ類や根菜類が作付けされている<ref name="英教科書99"/>。

== 歴史 ==
[[ファイル:Derwent Water Panorama, Lake District - June 2009.jpg|right|thumb|300px|[[湖水地方]]のダーウェント湖]]
===先史時代===
ブリテン島にローマ人が侵入する以前のことはあまりわかっておらず、点在する遺跡から伺えるのみである。現地の言葉でボウグ（英: [[:en:Bog|Bog]]）と呼ばれる湿地帯からは、埋められた死体が見つかっており、人身御供が行われていたのではないかと推測されている。カンバーランドではイーデン川下流域や西部の海岸の河口の湿原などからこれが見つかっている<ref name="歴史地図-78"/>。湖水地方のキャロック・フェル（[[:en:Carrock Fell|Carrock Fell]]）からは石器時代か鉄器時代と推測される遺跡が発見されている<ref name="歴史地図-78"/><ref name="BBC-20140924"/>。

確度の高いものとしては、{{日本語版にない記事リンク|ペンリス|en|Penrith, Cumbria|links=no|short=on}}近郊にロングメグアンドハードーターズ遺跡（[[:en:Long Meg and Her Daughters|Long Meg and Her Daughters]]）という[[青銅器時代]]の[[ストーンサークル]]や、湖水地方の[[ケズィック|ケジック]]近郊のキャスターリッグ環状列石（[[:en:Castlerigg Circle|Castlerigg Circle]]）が有名である<ref name="EB-Cumberland History"/>。
===古代===
====ローマ人の侵入====
紀元前55年から54年にかけて、[[ガイウス・ユリウス・カエサル|カエサル]]に率いられた[[共和政ローマ|ローマ軍]]が[[ブリテン島]]に侵入した（[[ローマによるブリタンニア侵攻 (紀元前55年-紀元前54年)|ローマによるブリタンニア侵攻]]）<ref name="英歴史教科書I-162"/>。この時はブリテン島の南部を占領しただけに終わったが、ローマ人に[[ブリタニア]]の[[ケルト人]]の先住部族たちについての知識を与えることになった。カンバーランドを含むイングランド北西部にいた部族は、ローマ人によってカルウェティイ族（[[:en:Carvetii|Carvetii]]）と呼ばれている<ref name="歴史地図-82"/><ref name="歴史地図-84"/><ref name="古代-49"/>。

それからおよそ100年後の紀元43年にローマはブリタニア遠征を再開した<ref name="英歴史教科書I-166"/>。ローマ軍は紀元後84年までのあいだに支配地域を北へ広げていき、先住民族たちを従えていった。カンバーランド一帯は{{日本語版にない記事リンク|ブリガンテス族|en|Brigantes|links=no|short=on}}の女王{{日本語版にない記事リンク|カルティマンドゥア|en|Cartimandua|links=no|short=on}}に従属しており、ブリガンテス族を支配したローマ人の間接的な被支配地域となった。現在のカーライルには城壁で囲われた居住地があり、ローマ人によってルグウァリウム（[[:en:Luguvalium|Luguvalium]]）と呼ばれた<ref group="注">Luguvaliumの語源については諸説あるが、古いケルトの神「[[ルー (神)|ルグ]]」に関連すると推測されている。</ref><ref name="歴史地図-82"/><ref name="歴史地図-84"/><ref name="EB-Cumberland History"/>。

====ハドリアヌスの長城と平和====
[[グナエウス・ユリウス・アグリコラ|アグリコラ]]将軍に率いられたローマ軍は、最盛期に[[カレドニア]]（[[スコットランド]]）の中部まで攻め込んだ。しかしアグリコラがローマへ召還されるとカレドニア人が盛り返し、ローマ軍はこれを押しとどめることができずに後退した。敗戦一方で守勢となったローマ人は、東海岸のタイン川と西海岸のソルウェイ湾を結ぶタイン・ギャップに[[ハドリアヌスの長城]]を建設し（紀元後122年）、ケルト人に対する防衛線とした<ref name="歴史地図-84"/><ref name="古代-5055"/><ref name="EB-Cumberland History"/>。この境界付近はローマ軍によって厳重に警備され{{refnest|group="注"|長城には、約500メートルおきに監視塔があり、1[[マイル#英語圏以外のマイル|ミッアリウム]]（約1.48キロメートル）おきに100名の兵士が詰める砦が置かれ、5ミッアリウム（約7.4キロメートル）おきに500名の小隊が駐屯する城塞がおかれた。これらの兵士はブリタニア全土のローマ兵の3分の1を占めた<ref name="英歴史教科書I-172"/>。}}、またローマ人は境界付近の部族に金を与えて懐柔した。これにより、多少の衝突はあったものの、長城を境にしてローマ人と各部族は比較的平穏に友好的な状態を維持し、交易も行われた<ref name="歴史地図-84"/>。

2世紀の半ばにはローマ人は再び北方への進出を企て、一定の成功をみた。彼らは[[アントニヌスの長城]]を築いて辺境の新たな防衛線としたが、支配は長続きしなかった。イングランド北部の諸部族との不和もあり、アントニヌスの長城は20年ほどでカレドニア人（スコットランド人）によって陥落、ローマ人は再びハドリアヌスの長城の南へ退いた<ref name="古代-5055"/><ref name="古代-59"/>。その後はローマ人とカレドニア人の緩衝地帯であるこの地域は、比較的安定した平穏な時代となった{{refnest|group="注"|同時期、ローマ帝国の各地では、権力争いや諸部族との対立によって衝突や戦乱が起きている。イングランド南部でもそうした動きがあったのに較べると、イングランド北部・スコットランドの境界地域ではそうした動きがあまりみられなかった<ref name="古代-6067"/><ref name="古代-6886"/>。}}。

[[ウィリアム・ワーズワース]]（1707年 - 1850年）は著書『湖水地方案内』（1835年刊行）のなかで、当時のローマ人は軍事上の観点でカンバーランドの平地地域を重視したが、山岳地帯には関心を示さなかったとしている。山岳地帯は守る側に有利でもあるため、山岳が多いカンバーランドや湖水地方は、ローマ人やそれ以降の侵略者たちから、古来の文化を守る最後の砦になっていったと紹介している<ref name="湖水地方案内-58"/>。

====ローマ人の撤退====
4世紀の中頃、[[サクソン人]]、[[ピクト人]]、[[スコットランド人|アイルランド人]]{{refnest|group="注"|当時アイルランドにいた民族は、このときブリテン島に移り、その後に北部のスコットランドに土着して[[スコットランド人]]と呼ばれるようになった<ref name="英歴史教科書II-3"/>。}}が連携してブリテン島に攻め込んでくると、ローマ軍は持ちこたえられずにブリタニアを放棄して撤退した。残された[[ブリトン人]]は各地で侵入者と戦い、イングランドの各地にはブリトン人の王国が形成されていった。4世紀から5世紀にかけてイングランド北部には北からピクト人が攻め込んできたが、ハドリアヌスの長城が防衛線となった。カンバーランド一帯は、イングランドのなかでもブリトン人の独立勢力が長く維持された<ref name="英歴史教科書II-3"/><ref name="歴史地図-88"/>。

これと相前後して、聖ニニアン（[[:en:Saint Ninian|St. Ninian]]、360年頃 - 432年頃<ref name="ブリタニカ_ニニアン"/>）によってこの地方に[[キリスト教]]が持ち込まれたと言われる<ref name="EB-Cumberland History"/>。ニニアンはカンバーランドの族長の子だったと伝えられており、ローマに赴いてキリスト教徒となり、イングランド北部からスコットランドにかけての地域をはじめてキリスト教化した人物とされている<ref name="ブリタニカ_ニニアン"/>。ただし、聖ニニアンについては[[ベーダ・ヴェネラビリス]]（672年? - 735年）が『[[イングランド教会史]]』のなかで「現地人の伝承」として紹介しているもので、他の史料との整合性から、聖ニニアンが初めてキリスト教化を成し遂げたという伝承には疑問ももたれている<ref name="Oxf史2-158"/>{{refnest|group="注"|他の史料や遺跡等の研究から、ニニアンよりも以前から北部イングランドにも段階的に持ち込まれており、既にキリスト教徒がいたと考えられている<ref name="Oxf史2-158"/>。}}。

===中世===
[[ファイル:Map of Cumberland.jpg|300px|right|thumb|カンバーランド地方の主な地形]]
ローマ人が去ったブリテン島には、東から[[アングル人]]、[[サクソン人]]、[[ジュート人]]が侵入した<ref name="英歴史教科書II-3"/>{{refnest|group="注"|アングル人やサクソン人がどこからやってきたかは歴史家たちの見解はおおよそ一致しており、おおむね[[デンマーク]]からドイツ北部にいた民族だとされている。ジュート人がどこから来たのかについては歴史家や考古学者の見解は分かれていて、[[ユトランド半島]]説と[[ラインラント]]説がある<ref name="英歴史教科書II-3"/>。}}。ブリトン人はブリテン島の西部へと追いやられていき、南方では[[コーンウォール]]や[[デヴォン]]、あるいは[[英仏海峡]]を渡って[[ブルターニュ]]へ逃れ、中部では[[ウェールズ]]に国を作った。北方では[[スコットランド]]南西部や[[湖水地方]]がブリトン人の土地となった<ref name="英歴史教科書II-7"/>。

伝説の[[アーサー王]]の物語は、侵入者たちと戦ったブリトン人の故事から生まれてきたものと考えられている<ref name="英歴史教科書II-7"/>{{refnest|group="注"|伝説通りのアーサー王が実在したとする主張が学術的になされることはあまりない。ただし、当時ブリトン人を率いて戦った人物のなかにアーサーという名前の人物がいたらしい、ということは認められている<ref name="英歴史教科書II-7"/>。}}。

====カンバーランドとアーサー王伝説====
実在性は確認されていないが、この時代のイングランド各地には[[アーサー王]]の伝説が残されている。カンブリア地方にもアーサー王にまつわる伝説が数多くあり、長らくブリトン人が勢力を維持した地方だったことと関連性があると考えられている<ref name="歴史地図-90"/>{{refnest|group="注"|カンブリア、[[コーンウォール]]、[[ウェールズ]]地方は[[ブリトン人]]が勢力を維持した土地であり、アーサー王にまつわる伝説を多く残している場所である<ref name="歴史地図-90"/>。}}。イーデン川の中流部の{{日本語版にない記事リンク|ペンリス (イングランド)|en|Penrith, Cumbria|links=no|short=on|label=ペンリス}}近郊で、カンバーランドとウェストモーランドの州境のEamont川（[[:en:River Eamont|River Eamont]]）のそばにはアーサー王の円卓とされる遺跡（[[:en:King Arthur's Round Table|King Arthur's Round Table]]）があり、[[イングリッシュ・ヘリテッジ|史跡]]として保護されている<ref name="歴史地図-90"/>。また、カーライル近郊のアースレット（[[:en:Arthuret|Arthuret]]）は[[マーリン|魔術師マーリン]]にまつわる伝承をもっている<ref name="歴史地図-90"/>。

====レーゲッド王国====
6世紀頃、カンバーランド一帯には、ブリトン人の[[レーゲッド王国]]（[[:en:Rheged|Rheged]]{{refnest|group="注"|Rhegedのカタカナ転記としては、「レーゲッド<ref name="歴史地図-88"/>」、「レージッド<ref name="Oxf史2-48"/>」など。}}）ができた。詳しくはわかっていないがこの王国はカーライル付近を中心としていたと考えられている<ref name="Oxf史2-索37"/>{{refnest|group="注"|ローマ人が去ったあとのイングランドは歴史資料に欠き、詳しいことはよくわかっておらず、「暗黒時代」と呼ばれている。レーゲッド王国についてもよくわかっていない。ランカシャーからカンブリアまでを広く支配したとみられているが、成立時期などは不明瞭で、単独の王朝というよりは部族の連合体だったと考える者もいる。王国は6世紀半ばに分裂したとみられており、そのうち北側の半分を「レーゲッド王国」とみなすこともある<ref name="HF-Rheged"/>。}}。この王国は、東方から進出したアングロ・サクソン人のデイラ王国（[[:en:Deira|Deira]]）やその後裔である[[ノーサンブリア|ノーサンブリア王国]]に抗い、7世紀の半ばから8世紀にかけてイーデン谷の奥部を境にして維持された<ref name="歴史地図-88"/><ref name="歴史地図-94"/><ref name="HF-Rheged"/>。

しかし、レーゲッド王国はのちにノーサンブリア王国に併合となった{{refnest|group="注"|ノーサンブリア王国は婚姻によって版図を広げている。バーニシア王国とデイラ王国の婚姻によってノーサンブリア王国が誕生している<ref name="中世-26"/>。レーゲッド王国も婚姻によってノーサンブリア王国の一部になったものと考えられている<ref name="Rheged"/>。}}<ref name="Rheged"/><ref name="EB-Cumberland History"/>。その頃にこの地方独自の[[カンブリア語]]も失われたと考えられている。9世紀になると[[ウェセックス|ウェセックス王国]]が勢力を拡大し、ノーサンブリア王国もその支配下に組み込まれた。10世紀前半にはこれが[[イングランド王国]]へと発展した<ref name="中世-3956"/>。

レーゲッド王国の北隣にはブリトン人の{{仮リンク|ストラスクライド王国|en|Kingdom of Strathclyde}}が成立していた<ref name="歴史地図-88"/>。この時代のストラスクライド王国やカンブリアに関する史料は乏しく、あまりよくわかっていない。その歴史史料における「ストラスクライド」と「カンブリア」の関係は複雑である。9世紀頃から14世紀頃までに編纂された年代記類では、大雑把にストラスクライド王国の支配地域の人々をさして「カンブリア」「カンバーランド」と表現している。これは今で言う北イングランドのカンブリア地方（実際にはストラスクライド王国の支配地域ではない）とスコットランドにまたがった広い範囲を漠然と指していたらしく、あるいは実際にストラスクライド王国が一時的にせよこの広い範囲を支配していた可能性も認められている<ref name="ストラスクライド-3"/>。また、いわゆるウェールズ地方を指す「C<u>a</u>mbria（カンブリア）」と北イングランドの「C<u>u</u>mbria」が混同されている史料もある<ref name="ストラスクライド-3"/>。いずれにせよ、ストラスクライド王国はやがて[[マン島]]を根城にした[[ヴァイキング]]の侵入によって衰退し、[[スコットランド王国]]の属国となった<ref name="歴史地図-104"/><ref name="EB-Cumberland History"/>。

====「カンバーランド」の史料的初出====
「カンバーランド」（Cumberland）という語の史料上の初出は、『[[アングロサクソン年代記]]』の945年の条である<ref name="EB-Cumberland History"/>。
{{Quotation|This year, King Edmund overran all Cumbraland; and let to Malcolm King of the Scots, on the condition that he became his ally both by sea and by land.<ref name="TM20170717"/><br>（訳：この年、[[エドマンド1世 (イングランド王)|エドマンド1世]]はカンバーランド全土を征服した。そしてスコットランド王[[マルカム1世 (スコットランド王)|マルカム1世]]に同盟の証としてその全域を与えた。）|　|『[[アングロサクソン年代記]]』
}}
ただし『アングロサクソン年代記』における「カンバーランド」という語は、今で言うカンバーランドを指すのではなく、ストラスクライド王国のことを意味していた<ref name="ストラスクライド-3"/>。これは、945年にエドマンド1世がストラスクライド王国へ遠征したことが別の年代記にも記録されていることから裏付けられている<ref name="ストラスクライド-3"/>。

===「最後のカンバーランド王」===
====ダンメイル王の伝説====
カンバーランド地方の伝承には「ダンメイル王」（[[:en:Dunmail|Dunmail]]）という人物がいる。ダンメイル王は「カンブリア王家の末裔」「最後のカンバーランド王」としてサクソン人（イングランド王国）と戦い、敗死したという言い伝えがある<ref name="TM20170717"/><ref name="Dunmail2011"/>。この伝説はカンバーランドでは最も有名なものであるが、その史実性は不確かである<ref name="Historic-5-Early"/>。

この伝説によると、ダンメイル王はカンバーランド軍を率い、945年に[[エドマンド1世 (イングランド王)|エドマンド1世]]のイングランド王国とマールコーム・マク・ドムネイル（[[:en:Malcolm I of Scotland|Máel Coluim mac Domnaill]]、[[マルカム1世 (スコットランド王)|マルカム1世]]）のスコットランド王国の連合軍を相手に、グラスミア湖と[[ケズィック|ケジック]]を結ぶ山道で戦ったという{{refnest|group="注"|伝説にしたがえば、937年のブルナンブラの戦いの時点では、カンバーランド王国とスコットランド王国は同盟を結んでいて、共同でイングランド王国のエドマンド1世軍と戦っている。しかしその後、スコットランドのマルカム1世はカンバーランド王国と手を切り、イングランド王国と手を結んだ<ref name="Dunmail2011"/>。}}<ref name="Historic-5-Early"/>。しかしカンバーランド軍は敗れ、ダンメイル王は戦死、その亡骸は巨石を積み上げた塚に葬られた<ref name="TM20170717"/>。この塚とされるものがダンメイル・レイズ（[[:en:Dunmail Raise|Dunmail Raise]]）として今も残る<ref name="Historic-5-Early"/><ref name="Dunmail2011"/><ref name="TM20170717"/>{{refnest|group="注"|ダンメルズ・レイズはケジックとグラスミア湖を結ぶ国道591号（[[:en:A591 road|A591 road]]）沿いにある。}}。

[[ウィリアム・ワーズワース|ワーズワース]]は、詩「The Waggoner」にダンメイル王のことを詠んでいる<ref name="TM20170717"/>。
{{Quotation|that pile of stones, Heaped over brave King Dunmail’s bones; His who had once supreme command, Last king of rocky Cumberland<ref name="TM20170717"/>|[[ウィリアム・ワーズワース|William Wordsworth]]|「''The Waggoner''」（1819年)
}}

この戦いのあと、カンバーランドの王冠はエドマンド1世の命で{{日本語版にない記事リンク|ヘルベルン山|en|Helvellyn|links=no|short=on}}の麓にある{{日本語版にない記事リンク|グリズデール湖|en|Grizedale Tarn|links=no|short=on}}に投げ棄てられたという<ref name="TM20170717"/><ref name="Historic-5-Early"/>。これとは異なり、ダンメイル王が息絶える前に自ら打ち捨てたとする伝承もある<ref name="Historic-5-Early"/>。

さらにエドマンド1世は、ダンメイル王の子息たちの眼球をくり抜いた<ref name="Historic-5-Early"/>。こうしてイングランドとスコットランドの連合軍はカンバーランド王国を攻め滅ぼした。このあとエドマンド1世はカンバーランドの支配をマルカム1世に委ねたという<ref name="Dunmail2011"/><ref name="Historic-5-Early"/>。

====伝説の評価====
これらの伝説・伝承が史実を正しく伝えているかどうかは不確かである<ref name="Historic-5-Early"/>。5世紀以降のカンバーランド地方の有力一族の末裔にダンメイルという人物がいて、軍事的な手段でエドマンド1世に抵抗したらしい、ということは確からしい<ref name="Historic-5-Early"/>。北を目指すエドマンド1世の軍とダンメイルの軍のあいだで戦闘があったらしいが、ダンメイル・レイズ付近には戦死者を葬った墓が見当たらず、戦場がダンメイル・レイズだったというのは疑わしい<ref name="Historic-5-Early"/>。また、この合戦でダンメイル王が敗死したかどうかも不確かである。ダンメイル王はもっと長生きして、最後はローマで死んだとする伝承もある<ref name="Historic-5-Early"/>。

また、「ダンメイル王」というのは、ストラスクライド王国の王[[:en:Dyfnwal ab Owain|Dyfnwal ab Owain]]の名前から創出された架空の人物だろうとの見方もある<ref name="Dunmail2011"/>{{refnest|group="注"|カンバーランドにはダンメイル王にまつわる伝説や旧跡が各地にある。ダンメイル王の父は、オウェイン（[[:en:Owain ap Dyfnwal (fl. 934)|Owain ap Dyfnwal]]）といい、937年にブルナンブラの戦い（[[:en:Battle of Brunanburh|Battle of Brunanburh]]）でイングランド軍を相手に戦死し、{{日本語版にない記事リンク|ペンリス (イングランド)|en|Penrith, Cumbria|links=no|short=on|label=ペンリス}}近くに葬られたという<ref name="Dunmail2011"/>。}}。

ダンメイル王が実在し、ダンメイル・レイズで戦ったのかどうかは不確かだが、ダンメイル・レイズはイングランド・エドマンド1世とスコットランド・マルカム1世の領地境とされ、古くからカンバーランドとウエストモーランドの境界の目印になってきた<ref name="Historic-5-Early"/><ref name="Dunmail2011"/>。

===ノルマン・コンクエスト以後===
ブリテン島では、古くからのブリトン人の国が圧迫されて衰え、[[アングロ・サクソン人]]による王国が林立した。そこへ[[ヴァイキング]]（[[デーン人]]）が来寇し、デーン人による王朝とアングロ・サクソン人の王朝による戦国時代となった。しかし最終的には、1066年に[[ノルマン人]]を率いた[[ウィリアム1世 (イングランド王)|ウィリアム1世]]が侵入し、イングランドを征服した（[[ノルマン・コンクエスト]]）。
====カーライル伯爵領====
ウィリアム1世は1066年にイングランドを征服して[[イングランド王]]となった。しかし戴冠を終えたウィリアム1世が後事を部下に託して本国の[[ノルマンディー]]に帰国すると、イングランド各地の諸侯が反乱を起こした。これに怒ったウィリアム1世は、イングランド各地の旧勢力を根絶やしにするための遠征を敢行し、自身に忠誠を誓った臣下を新たな領主として全土に配した。そのうえで検地を行い、『[[ドゥームズデイ・ブック]]』と呼ばれる検地帳を作成させた。

1086年の検地帳（『[[ドゥームズデイ・ブック]]』）によれば、カンバーランドの大半はスコットランドの支配下に置かれている。このほかにMillom地域の村は古くから{{仮リンク|ノーザンブリア伯|en|Malcolm I of Scotland}}領とされ、{{仮リンク|ファーネス半島|en|Furness}}方面とともに[[ヨークシャー]]の一部とされていた<ref name="Barrow-2006"/>。

1092年、イングランド王[[ウィリアム2世 (イングランド王)|ウィリアム2世]]は[[カーライル (イングランド)|カーライル]]へ侵攻し、入植地を作った。ウィリアム2世は「[[カーライル伯爵|カーライル伯爵領]]」（Earldom of Carlisle）を創設して{{仮リンク|ラヌルフ・ル・メシン|en|Ranulf le Meschin, 3rd Earl of Chester}}へ授けた。1133年にはほぼカーライル伯爵領全域を範囲とする新たな[[教区]]（カーライル教区（[[:en:Diocese of Carlisle|Diocese of Carlisle]]））が新設された。

====イングランドとスコットランドによる領有権争い====
1135年にイングランド王[[ヘンリー1世 (イングランド王)|ヘンリー1世]]が没すると、イングランドは[[無政府時代 (イングランド)|無政府時代]]（1135 - 1154）に陥る。この間、一帯は[[スコットランド王]][[デイヴィッド1世 (スコットランド王)|デイヴィッド1世]]が掌握し、王領の主要地のひとつとなった。

1157年にイングランド王[[ヘンリー2世 (イングランド王)|ヘンリー2世]]（在位：1154年 - 1189年）はスコットランド王[[マルカム4世 (スコットランド王)|マルカム4世]]にイングランド北部の領有権を主張し、カンバーランド含む一帯を返還させた。これにより得た旧カーライル伯領を2つのカウンティとし、「[[ウェストモーランド]]」と「Carliol」とした。なお、このうちウェストモーランドには、旧ランカスター伯領の一部を含んでいた。

{{仮リンク|オールストン・ムーア|en|Alston Moor|label|オールストン}}の鉛鉱・銀鉱は、かつてはタインデイル[[リバティ (行政区画)|自由区]]（Liberty of Tynedale）に属していたが、のちに経済的な事情から「Carliol」に編入された<ref name="CCEd"/>。1177年までに、「Carliol」は「カンバーランド（Cumberland）」と呼ばれるようになった<ref name="Marr-1910"/>。

イングランドとスコットランドの国境は、1237年の{{仮リンク|ヨーク条約|en|Treaty of York}}によって定められた。

===近世===
====ペストとカンバーランド====

==文化==
[[File:Cumberland flag.svg|right|thumb|2012年に制定された「カンバーランド旗」]]
[[ファイル:Cumberland sausage.jpg|right|thumb|[[カンバーランド・ソーセージ]]]]
カンブリアカウンティの創設により、「カンバーランド」はカウンティ名としては使われなくなったものの、地域や文化を表す語としては使われている。よく知られたものとしては、[[カンバーランド・ソーセージ]]、イギリス海軍の[[フリゲート|フリゲート艦]][[カンバーランド (フリゲート)|カンバーランド]]<ref group="注">「カンバーランド」を名乗るイギリスの軍艦としては11代目。</ref>、カーライルに本拠を置く[[クリケット]]チームのカンバーランド（[[:en:Cumberland County Cricket Club|Cumberland County Cricket Club]]）などがある。

1990年代にはイギリスの地方行政区分の見直しが行われた（[[:en:1990s United Kingdom local government reform|1990s United Kingdom local government reform]]）。この議論のなかでは、カンブリアからカンバーランドを[[イングランドの典礼カウンティ|典礼カウンティ]]として分割する案も取り沙汰されたが、この案は廃案となった。

2002年に「プラントライフ」（[[:en:Plantlife|Plantlife]]）という運動<ref group="注">この運動の支援者として[[チャールズ (プリンス・オブ・ウェールズ)|チャールズ皇太子]]がいる。</ref>のなかで、[[ウメバチソウ]]（英名：Grass-of-Parnassus）を「カンバーランドの州花」と決めた。ウメバチソウの花は1951年に当時のカンバーランド議会の紋章として採用されていたものだった。2012年にはこれを基に「カンバーランド旗」が制定された。

==脚注== 
===注釈=== 
<references group="注"/>
===出典=== 
{{Reflist|colwidth=30em |refs= 
<!--英語版の出典 --> 
*<ref name="Barrow-2006">{{cite book |title=The Kingdom of the Scots: Government, Church and Society from the Eleventh to the Fourteenth Century, 2nd edition |last=Barrow |first=G W S |authorlink= |coauthors= |year=2006 |publisher=Edinburgh University Press |location=Edinburgh |isbn=0-7486-1803-1 |page= |pages= |url= |accessdate=}}</ref>
*<ref name="CCEd">''Carlisle Diocese: History and Description'' in "CCEd, the [[Clergy of the Church of England database]]" (Accessed [http://theclergydatabase.org.uk/reference/diocesan-resources/a-z-list-of-dioceses/carlisle-diocese-resources/carlisle-diocese-history-and-description/ online], 2 February 2014)</ref>
*<ref name="Marr-1910">{{cite book |title=Cambridge County Geographies: Cumberland |last=Marr |first=J E |authorlink= |coauthors= |year=1910 |publisher=Cambridge University Press |location=Cambridge |isbn= |page= |pages= |url= |accessdate=}}</ref>


<!--教科書-->
*<ref name="英教科書93">『全訳　世界の地理教科書シリーズ3　イギリス』p93-99「第3章 北西イングランド（カンブリア）地方」</ref> 
*<ref name="英教科書99">『全訳　世界の地理教科書シリーズ3　イギリス』p99「湖水地方」</ref> 
*<ref name="英教科書100">『全訳　世界の地理教科書シリーズ3　イギリス』p100-101「カンブリア山脈周辺の低地」</ref> 
*<ref name="英教科書101">『全訳　世界の地理教科書シリーズ3　イギリス』p101-102「ウェストカンブリア」</ref> 
*<ref name="英教科書103">『全訳　世界の地理教科書シリーズ3　イギリス』p103-107「第4章 ペニン山脈」</ref> 

*<ref name="英歴史教科書I-162">『イギリスI その人々の歴史 (The Ancient World)』p162-165「ガリアからの訪問者」</ref> 
*<ref name="英歴史教科書I-166">『イギリスI その人々の歴史 (The Ancient World)』p166-171「ローマの新属州」</ref> 
*<ref name="英歴史教科書I-172">『イギリスI その人々の歴史 (The Ancient World)』p172-174「国境の建設」</ref> 
*<ref name="英歴史教科書II-3">『イギリスII その人々の歴史 (The Middle Ages)』p3-6「イングランド人とはだれか」</ref> 
*<ref name="英歴史教科書II-7">『イギリスII その人々の歴史 (The Middle Ages)』p7「ブリトン人の復活―アーサー王伝説」</ref> 

*<ref name="ヘリテイジ-17">『Cumberland Heritage』p17</ref>

<!--統計情報-->
*<ref name="data_Cumberland">A Vision of Britain,Ancient county data,[http://www.visionofbritain.org.uk/unit/10134810#tab02 Cumberland AdmC] 2018年1月3日閲覧。</ref>

<!--字義-->
*<ref name="リーダーズ_fell">『[[リーダーズ英和辞典]]』p847「fell(4)」</ref> 
*<ref name="ブリタニカ_ペナイン山脈">Britannica Japan Co., Ltd.,[[ブリタニカ百科事典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典]],[https://kotobank.jp/word/ペナイン山脈-129830 ペナイン山脈（コトバンク版）] 2018年1月3日閲覧。</ref>
*<ref name="大辞林_ペニン山脈">[[三省堂]],[[大辞林|大辞林 第三版]],[https://kotobank.jp/word/ペニン山脈-129908 ペニン（コトバンク版）] 2018年1月3日閲覧。</ref>
*<ref name="ニッポニカ_ペニン山脈">[[小学館]],[[日本大百科全書|日本大百科全書(ニッポニカ)]],[https://kotobank.jp/word/ペニン山脈-129908 ペニン（コトバンク版）] 2018年1月3日閲覧。</ref>


<!--英地名のカナ転記-->
*<ref name="リ英和-Ullswater">『リーダーズ英和辞典』p2534「Ullswater」</ref> 
*<ref name="リ英和-Derwentwater">『リーダーズ英和辞典』p629「Derwent Water」</ref> 
*<ref name="リ英和-Scafell">『リーダーズ英和辞典』p2087「Sca Fell」</ref> 
*<ref name="リ英和-ScafellPike">『リーダーズ英和辞典』p2087「Scafell Pike」</ref> 

*<ref name="世界7-湖水地方">『すばらしい世界7 騎士道の故郷イギリス』p70-73「山と湖が織りなす景勝地 湖水地方」（[[小野寺健]]）</ref> 
<!--歴史全容-->
*<ref name="EB-Cumberland History">[[ブリタニカ百科事典|Encycropaedia Britannica]],[https://www.britannica.com/place/Cumberland-historical-county-England Cumberland] 2018年1月5日閲覧。</ref>
<!--古代・中世-->
*<ref name="Oxf史2-xix">『ブリテン諸島の歴史 2 ポスト・ローマ』p.xix「地図1」</ref> 

*<ref name="Oxf史2-48">『ブリテン諸島の歴史 2 ポスト・ローマ』p48</ref> 
*<ref name="Oxf史2-119">『ブリテン諸島の歴史 2 ポスト・ローマ』p119</ref> 
*<ref name="Oxf史2-158">『ブリテン諸島の歴史 2 ポスト・ローマ』p158-160「ブリテン北部の改宗」</ref> 


*<ref name="Oxf史2-356">『ブリテン諸島の歴史 2 ポスト・ローマ』p356-357「カムリ」</ref> 
*<ref name="Oxf史2-索37">『ブリテン諸島の歴史 2 ポスト・ローマ』索引p37</ref> 
*<ref name="ブリタニカ_ニニアン">[[ブリタニカ百科事典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典]],[https://kotobank.jp/word/ニニアン-110017 ニニアン（コトバンク版）] 2018年1月13日閲覧。</ref>


*<ref name="歴史地図-78">『ケルト歴史地図』p78-79「先史時代におけるケルト人のブリテンとアイルランド」</ref> 
*<ref name="歴史地図-82">『ケルト歴史地図』p82-83「ローマのブリテン征服」</ref> 
*<ref name="歴史地図-84">『ケルト歴史地図』p84-85「ケルト人とローマ化されたブリテン」</ref> 
*<ref name="歴史地図-88">『ケルト歴史地図』p88-89「ブリテンとブリトン人」</ref> 
*<ref name="歴史地図-90">『ケルト歴史地図』p90-91「アーサー王」</ref> 
*<ref name="歴史地図-94">『ケルト歴史地図』p94-95「ウェールズの起源」</ref> 
*<ref name="歴史地図-104">『ケルト歴史地図』p104-105「スコット人の王国」</ref> 

*<ref name="古代-49">『古代のイギリス』p49</ref> 
*<ref name="古代-5055">『古代のイギリス』p50-55</ref> 
*<ref name="古代-59">『古代のイギリス』p59</ref> 
*<ref name="古代-6067">『古代のイギリス』p60-67</ref> 
*<ref name="古代-6886">『古代のイギリス』p68-86</ref> 

*<ref name="中世-26">『イギリス中世史』p26</ref>
*<ref name="中世-3956">『イギリス中世史』p39-41，46-48，53-56</ref>


*<ref name="ストラスクライド-3">『STRATHCLYDE and ANGLO-SAXONS in the VIKING AGE』p3-6「Terminology」</ref>





*<ref name="Rheged">『The Lost Dark Age Kingdom of Rheged』p146,「[[:en:Oswiu|King Oswiu]](642-670) was wed to 'Rienmellt, daughter of Royth, son of Rhun' who was himself a 'son of Urien'.This marriage of the Northumbrian and Rheged royal lines in the 640s, coupled with archaeological and historical evidence for the Northumbrian domination ofGalloway in the seventh century, suggests that this political act fused the two kingdoms together.」</ref>
*<ref name="HF-Rheged">The History Files,Celtic Kingdoms of the British Isles,[http://www.historyfiles.co.uk/KingListsBritain/BritainRheged.htm Rheged (Recet)] 2018年1月7日閲覧。</ref>


*<ref name="Dunmail2011">Esmeralda’s Cumbrian History & Folklore,2011年2月15日付,[https://esmeraldamac.wordpress.com/2011/02/15/dunmail-last-king-of-cumbria-945ce/ Dunmail, last King of Cumbria – 945CE] 2018年1月6日閲覧。</ref>
*<ref name="TM20170717">[[:en:The Mail (Cumbria)|The Mail]],2017年7月17日付,[http://www.nwemail.co.uk/sport/barrow-raiders/article/Paul-Crarey-eyes-the-spoils-from-Barrow-Raiders-Cumbrian-battle-with-Whitehaven-295aba22-c2f7-4747-bc7b-d654c409085c-ds Paul Crarey eyes the spoils from Barrow Raiders' Cumbrian battle with Whitehaven] 2018年1月6日閲覧。</ref>

*<ref name="BBC-20140924">[[英国放送協会]],2014年9月24日,[http://www.bbc.co.uk/cumbria/content/articles/2006/12/15/parkandstride_carrock_fell_feature.shtml Carrock Fell and High Pike from Stone Ends] 2018年1月8日閲覧。</ref>

<!--ワーズワース-->
*<ref name="湖水地方案内-58">『湖水地方案内』p58-59</ref>

<!--Beth & Steve-->
*<ref name="Historic-5-Early">『Historic Cumbria ／ Off the Beaten Track』,p44-47「Dunmail Raise and Thirlmere／Early History」</ref>


}}

===参考文献===
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*『STRATHCLYDE and ANGLO-SAXONS in the VIKING AGE』,Tim Clarkson,West Newington House,2014,2016(reprinted),ISBN 978-1-906566-78-4
*全訳世界の地理教科書シリーズ3『イギリス』,K.B.ステフェンソン／原著,中村和郎／訳,[[帝国書院]],1977,ASIN B000J8QGHE
*全訳世界の歴史教科書シリーズ1『イギリスI その人々の歴史 (The Ancient World)』,R.J.クーツ・L.E.スネルグローヴ／著,今井宏・松本宣郎／訳,[[帝国書院]],1970（原著）,1981
*全訳世界の歴史教科書シリーズ2『イギリスII その人々の歴史 (The Middle Ages)』,R.J.クーツ／著,今井宏・朝倉文一／訳,[[帝国書院]],1972（原著）,1981

*『すばらしい世界7 騎士道の故郷イギリス』,石原明太郎・編,国際情報社,1978
*『ケルト歴史地図』,ジョン・ヘイウッド／著,井村君江／訳,東京書籍,2003,ISBN 9784487797387
*『古代のイギリス』,ピーター・サルウェイ・著,南川高志・訳,[[岩波書店]],2005,ISBN 4-00-026885-6
*『イギリス中世史』,富沢霊岸,ミネルヴァ書房,1988,ISBN 4623018679
*オックスフォード『ブリテン諸島の歴史 2 ポスト・ローマ』,[[:en:Thomas Charles-Edwards|トマス・チャールズ＝エドワーズ]]／著,鶴島博和／訳,常見信代／監訳,[[慶應義塾大学出版会]],2010,ISBN 978-4-7664-1942-8

*（叢書ウニベルシタス938）『湖水地方案内』,[[ウィリアム・ワーズワース]]／著,[[小田友弥]]／訳,[[法政大学出版局]],2010,ISBN 978-4-588-00938-9


*『[[リーダーズ英和辞典]]』,[[研究社]],2013（第3版第3刷）,ISBN 978-4-7674-1432-4
*『The Lost Dark Age Kingdom of Rheged』,Ronan Toolis・Christopher Bowles,Oxbow Books Ltd,2016

==旧日本語版==

{{Otheruses|[[イングランドの歴史的カウンティ]]|その他の「カンバーランド」|カンバーランド (曖昧さ回避)}}
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'''カンバーランド''' ('''Cumberland''') は、[[イングランド]]の[[イギリスのカウンティ|歴史的カウンティ]]の一つ。1974年に[[ウェストモーランド]]、[[ランカシャー]]、[[ヨークシャー]]の一部と統合され、[[カンブリア (イングランド)|カンブリア]]となった。

== 関連項目 ==
*[[カンバーランド・ソーセージ]]

==外部リンク==
*[http://www.genuki.org.uk/big/eng/CUL/Gaz1868.html CUMBERLAND, England - History and Description, 1868]

{{イングランドのカウンティ}}

[[Category:イングランドの州|かんはーらんと]]

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