Baronetのソースを表示

{{Eclipse}}
{| style="width:840px;background-color:rgba( 255, 255, 255, 0.25 )"
|[[ファイル:Baronet-chifney-up-stubbs1791-1000.jpg|830px|link=]]
|-style="font-size:0.8em;color:#2d3a49;"
|『バロネット号とチフニー騎手』[[ジョージ・スタッブス]]の作品（1791年）。チフニー騎手は「紫の服に緋色の袖、金の飾り付き、黒の帽子」の王室の勝負服姿で描かれている。
|}
__NOTOC__
===五代血統表===
{{Template:五代血統表α
|name = Baronet
|和 = バロネット
|種 = サラブレッド
|年 = 1785
|性 = 牡馬
|毛 = 鹿毛
|誕 = 1785
|死 = 
|国 = イギリス{{F-GB1707}}
|県 = 　
|牧 = 
|者 = Sir John Webb　
|調 =  
|厩 = 　
|厩地 = 　
|主 =Sir William Vavasour→[[ジョージ4世|皇太子ジョージ殿下]]
|f= [[Vertumnus]]
|f年 = 1775
|f毛 = 鹿毛
|f国 = GB
|m = [[Penultima]]
|m毛 = 鹿毛
|m年 = 1777
|m国 = GB
|ff = [[Eclipse]]
|ff年 = 1764
|ff毛 = 栗毛
|ff国 = GB
|fm = Sweeper mare
|fm年 = 1765
|fm毛 = 鹿毛
|fm国 = GB
|mf= [[Snap]]
|mf毛 = 青毛
|mf年 = 1750
|mf国 = GB
|mm = sister to Nabob
|mm毛 =芦毛
|mm年 = 1757
|mm国 =GB
|fff = [[Marske]]
|ffm = [[Spiletta]]
|fmf = [[Sweeper]]
|fmm = Tartar mare
|mff= [[Snip]]
|mfm= sister to Slipby
|mmf= [[Cade]]
|mmm= sister to Drudge
|ffff = [[Squirt]]
|fffm = The Ruby mare
|ffmf = [[Regulus]]
|ffmm = Mother Western
|fmff = [[Sloe]]
|fmfm = Mogul mare
|fmmf = [[Tartar]]
|fmmm = sister to Mogul mare
|mfff = {{×g3|[[Flying Childers]]}}
|mffm = {{×b2|sister to Soreheels}}
|mfmf = [[Fox]]
|mfmm = [[Gipsey]]
|mmff = {{×p2|[[Godolphin Arabian]]}}
|mmfm = [[Roxana]]
|mmmf = {{×b5|[[Crab]]}}
|mmmm = sister to Blaze
|fffff = [[Bartlets Childers]]
|ffffm = sister to Old Country Wench 
|fffmf = [[Huttons Blacklegs]]
|fffmm = Bay Bolton mare
|ffmff = {{×p2|[[Godolphin Arabian]]}}
|ffmfm = Grey Robinson
|ffmmf = [[Easby Snake]]
|ffmmm = Old Montagu mare
|fmfff = {{×b5|[[Crab]]}}
|fmffm = Childers mare
|fmfmf = {{×r3|[[Mogul]]}}　
|fmfmm = Partner mare
|fmmff = [[Crofts Partner]]
|fmmfm = Meliora
|fmmmf = {{×r3|[[Mogul]]}}
|fmmmm = Sweepstakes mare
|mffff = [[Darley Arabian]]
|mfffm = [[Betty Leeds]]
|mffmf = [[Basto]]
|mffmm = sister one to Mixbury
|mfmff = [[Clumsey]]
|mfmfm = Bay Peg
|mfmmf = [[Bay Bolton]]
|mfmmm = Newcastle Turk mare
|mmfff = 　
|mmffm = 　
|mmfmf = [[Bald Galloway]]
|mmfmm = sister to Chaunter
|mmmff = [[Alcocks Arabian]]
|mmmfm = {{×b2|sister to Soreheels}}
|mmmmf = {{×g3|[[Flying Childers]]}}
|mmmmm = Confederate filly
|FN = 　
|母系 = 
|初出 = 
|終出 = 
|戦 = 　
|勝 = 　
|勝備考 = 
|タイトル = [[オートランズS]](1791)
|鞍 = 
|金 = 　
|CS = 
|CJS = 
|CBMS = 
|駒 = 
}}

生産者のサー・ジョン・ウェッブというのは、おそらくウィルトシャーのオッドストックの6代准男爵（John Webb of Odstock,6th Baronet,？-1797）のことだろう。

====馬主のヴァヴァサワー卿について====
最初の馬主、ウィリアム・ヴァヴァサワー（Sir William Vavasour）という人は、サラブレッド父系初期の名馬、ジョーアンドリュース（[[Joe Andrews]],1778）の馬主だった人だそうだ。1770年代のジョッキークラブの裁決委員のなかにも名が見える。

ちょっと資料が乏しくはっきりしないのだが、おそらく馬主のサー・ヴァヴァサワーは北部にいた人のようだ。ヴァヴァサワー家というのはヨーク地方の古い家柄で、11世紀に征服王ウィリアムに付き従ってノルマンディーからやってきた家臣らしい。イギリスのロビンフッド伝承では、ロビンフッドと恋仲になるメイド・マリアンという女性が登場するのだが、この人物の原型になったのが12世紀から13世紀にかけてのヴァヴァサワー家の娘なんだそうだ。ヴァヴァサワー家はヨーク地方のタドカスターから2マイルほど西へ行ったヘイゼルウッド<ruby>城<rt>キャッスル</rt></ruby>を本領とし、長らくヨーク地方在郷の有力者だった。薔薇戦争の時代から、歴代ヨーク<ruby>地方長官<rt>ハイ・シェリフ</rt></ruby>の名に、ときどきヴァヴァサワー姓があらわれる。いくつかの分家筋があるようで、「ウォルター」を襲名する（つまり、代々の当主がウォルター・ヴァヴァサワーを名乗る）系統と、ウィリアムを名乗る系統が主流らしい。というか、ニュージーランドに移住した分家がワイン界で有名なようだ。

1780年代のレーシングカレンダーには、「サー・ヴァヴァサワー（Sir Walter Vavasour）」と「ミスター・ヴァヴァサワー（Capt. Vavasour）」の2人が馬主登録されており、きっと同族なんだろう。ちょっとよくわからないのだが、Throughbred Bloodlinesでは「Sir William Vavasour」とあるんだけども、当時の当主は6代ヴァヴァサワー准男爵ウォルター・ヴァヴァサワー（サー）であり、「ウィリアム」ではないのだ。サー・ウォルター・ヴァヴァサワーのほうはヨーク地方の馬主としても名簿に名前があがっている。

困ったことにどちらも頭文字がＷなので、「W.Vavasour」と書かれるとどちらだか判別がつかない。レーシングカレンダーなどでは「Sir」（あるいは「Esq」）か「Mr」かで区別できるのだが…

Your baronets are more productive than mine.I made fourteen last week, but I get nothing by them.

==競走成績==
バロネットははじめ、名無しのままイングランド北部で走った。3歳（1788年）時はキャッタリックブリッジ、ヨーク、ニューカッスルといった競馬場で「サー・W・ヴァヴァサワーの鹿毛の牡駒、父[[Vertumnus]]」の競走記録が残っている。4歳（1789年）になると、夏のヨーク競馬場で[[Windlestone]]という馬を相手に1マイルで500ギニーを賭けたマッチレースをやり、勝った。同じ日にWindlestoneは4マイルの国王賞に勝っている。ちなみにその日の次のレースで、[[ジョージ4世|皇太子ジョージ]]所有のダービー馬[[Sir Thomas]]が100ギニーのステークス戦（4マイル）を制している。このあと、ヨーク競馬の優勝決定戦というべきヨーク市賞（大登録Sの前身）が行われ、「サー・W・ヴァヴァサワーの鹿毛の牡駒」はブービーの6着に終わっている。このあとドンカスター、モルトンと転戦した。

===王太子ジョージのバロネットとして===
{| style="float:left;width:180px;margin-left:1.0em;margin-right:1.0em;margin-top:1.0em;background-color:rgba( 255, 255, 255, 0.25 )"
|-
|[[ファイル:Prinny1792.png|180px|link=]]
|-style="font-size:0.8em;color:#2d3a49;"
|1792年の王太子殿下ジョージ
|-
|}
{| style="float:right;width:300px;margin-left:1.0em;margin-right:1.0em;margin-top:1.0em;background-color:rgba( 255, 255, 255, 0.25 )"
|-
|[[ファイル:OatlandsS1790.jpg|300px|link=]]
|-style="font-size:0.8em;color:#2d3a49;"
|1790年の第1回オートランズSのゴール前。1着[[Seagull]]、僅差の2着にエスケープ。差のある3着に芦毛馬Highlander。
|-
|}
このあと、馬の所有者がかわり、<ruby>王太子殿下<rt>プリンス・オブ・ウェールズ</rt></ruby>[[ジョージ4世|ジョージ]]（のちの国王ジョージ4世）の持ち馬となった。その頃のジョージには大望があった。1790年に[[アスコット競馬場]]で創設される[[オートランズステークス]]制覇の夢である。オートランズSは、英国競馬史上最初の、3頭以上によるハンデキャップレースとして企画された。どの馬にも均等に勝つチャンスがあるというのは射幸性を煽り、イギリスの馬主たちのみならず、賭け事好きの人々の注目を大いに集めることになった。その結果、登録料だけでも100ギニーもとるというのに、多くの登録場が集まり、ダービーの3倍の賞金額となった。

この記念すべき第1回オートランズステークスの本命馬は王太子殿下の持ち馬エスケープ（[[Escape]]）だった。だがエスケープはアタマ差で2着に敗れ、王太子殿下は「イギリスで一番の馬主」になり損ねた。当時の新聞は「王太子殿下はイギリスで一番立派な厩舎をもっているくせに勝てないじゃないか」と記事にして揶揄した。（というのも、王太子殿下は借金を重ねて名馬を買い漁っており、その借金返済は国庫から賄われているのだ。まもなく父のジョージ3世は精神病を患うようになったが、その原因は王太子ジョージの浪費のせいだったとも言われている。）

そんなわけで、王太子は1791年6月に予定されている第2回オートランズステークスに是が非でも勝とうと思っていた。そこで、彼は登録された有力馬を買い集めることにした。「サー・Ｗ・ヴァヴァサワーの鹿毛の牡駒」もそのなかの候補の1頭になった。1790年末の時点で、この馬はレイク氏（Mr.Lake）の所有にかわっている。レイク氏というのはジョージ王太子殿下の厩舎の責任者の名前である。馬名も「バロネット（Baronet)」と命名された。バロネットというのは「準男爵」という意味である。

1791年のオートランズステークスにむけて発表された各馬のハンデは、バロネットが8ストーン4ポンド（52.6kg）、エスケープは9ストーン10ポンド（61.7kg）などとなっていた。ジョージは買った馬をエプソム競馬場に集め、本番と同じ斤量・距離で試走を重ねた。そして、エスケープを主力とし、そのサポート役としてバロネット、ペガサス、スモーカーを出走させることにした。ペガサスはアスコット開催直前のニューマーケット第一春季開催でキングスプレート（100ギニー）を勝っての挑戦。スモーカーは第二春季開催のプリンスオブウェールズSで3着である。

===第2回オートランズステークス===
{| style="float:right;width:300px;margin-left:1.0em;margin-right:1.0em;margin-top:1.0em;background-color:rgba( 255, 255, 255, 0.25 )"
|-
|[[ファイル:Oatlandstakes1791b-480.jpg|300px|link=]]
|-style="font-size:0.8em;color:#2d3a49;"
|1791年のオートランズS
|-
|[[ファイル:OatlandsS1791-JohnNostSartorius-640.jpg|300px|link=]]
|-style="font-size:0.8em;color:#2d3a49;"
|1791年のオートランズSのゴール前。先頭はバロネット、半馬身差でエクスプレス、さらに半馬身差でシャンティクリア。
|-
|[[ファイル:OatlandsS1791-JohnNostSartorius-part.jpg|300px|link=]]
|-style="font-size:0.8em;color:#2d3a49;"
|先頭をゆくバロネット号の拡大図。
|-
|}
1791年6月28日、第2回オートランズステークスは全英の注目を集め、初年度以上の賑わいとなった。登録馬は41頭、うち2頭が1年前までに取り消した（その場合は25ギニーを払う）ので、賞金総額はおよそ4000ギニーだったということになる。資料によって差異があるが、1着賞金は2950ギニー（約3100ポンド）だったそうだ。

本命は3歳馬ヴァーミン（[[Vermin]]）だった。「<ruby>害虫<rt>ヴァーミン</rt></ruby>」とはひどい名だが、6月8日のダービー2着馬である。これが5ストーン3ポンド（＝73ポンド≒33.1kg）のハンデで出てくるのだから人気を集めて当然である（ハンデは正月の時点で決まっているから、その時点ではまだダービーのずっと前。）。続いてプレシピテイト（Precipitate）、バザード（Buzzard）などが賭け率の面では人気となった。賭けは大いに盛り上がり、総額10万ポンドを超えた。バリモア伯爵なぞは自分の馬シャンティクリア（[[Chanticleer]]、10倍）に2万ポンドも賭けており、もしも勝ったら20万ポンドになるという。

ジョージは4頭の騎手に作戦を授けた。4頭のうち、勝たせるのは実力ナンバーワンのエスケープだ。ほかの3頭は徹底的に他馬の邪魔をしてエスケープをサポートしろ。というものだった。

ジョージのお抱え騎手、[[サミュエル・チフニー]]騎手もこの指示を受け、バロネットに騎乗した。チフニー騎手もエスケープの勝利を信じて、60ポンドもエスケープに賭けた。もしも当たれば100ポンドも儲かるはずだった。伝えられるところに拠ると、チフニー騎手は本当はエスケープへの騎乗を望んだのだという。しかしジョージの命でバロネットに乗ることになった。また、別の伝えでは、チフニー騎手はバロネットのほうが上だと信じており、ジョージはエスケープに乗れと行ったのにバロネット騎乗を希望したという。ジョージは説得を試みたが、最終的にエスケープとバロネットを選べと言われ、バロネットを選んだという話もある。（しかしその場合にはエスケープの馬券を買っていた話と辻褄が合わない）

スタートすると、100対3（34倍）と人気薄のエクスプレスという馬が飛び出した。チフニー騎手は「ほかの馬の邪魔をしろ」という任務を忘れて2番手につけてしまった。まだ経験の浅かったチフニー騎手が緊張のあまり我を失ってしまったのだという話もある。3番手にエスケープが陣取った。ところが、勝負どころでエクスプレスが後続を引き離しにかかると、トップハンデの9ストーン10ポンド（61.7kg）を背負うエスケープの行き脚がつかなかった。チフニー騎手は、大穴のエクスプレスを放っておいてエスケープの傍にくっついたままにするか、それともエクスプレスを追いかけるかの選択を迫られた。

実は、レースの直前、チフニー騎手は「念のため」ジョージに、もしもバロネットが勝っちゃいそうな場合はどうしたらよいですか、と確認をとっていた。ジョージは、「そんな馬鹿なことが起きる訳がないが」、保険としてバロネットにも賭けてあるから、もしもバロネット優勝でも1万7000ポンドの儲けになる。だから心配するな、と言っていた。

というわけで、チフニー騎手はエスケープを見捨ててエクスプレスを追いかけることにした。レースは2頭が3番手以降を大きく離したまま終盤を迎え、ゴール前はエクスプレスとバロネットの2頭の叩き合いになった。バロネットはこの争いを半馬身差で制し、第2回オートランズステークスの覇者となった。こうしてジョージはイギリスで一番の大レースの優勝馬主となった。なお2万ポンドの大勝負をしたバリモア伯爵のシャンティクリアは、さらに半馬身差の3着だった。

ふだんはジョージが競馬に散財することを諌めていた父ジョージ3世も、この時ばかりはジョージを褒めたという。ジョージ3世は「おまえのバロネットはよく稼ぐ。儂は先週14人に<ruby>準男爵位<rt>バロネット</rt></ruby>を授けたが、奴らは1ペニーだってよこさない。」と言ったと伝えられている。

===その後===
チャンピオンになったバロネットは、このあと7月19日のウィンチェスター競馬場での<ruby>女王陛下<rt>ハーマジェスティズ</rt></ruby>プレートに出たが、相手が全て辞退してしまい、単走になった。8月24日のカンタベリー競馬場のキングスプレートも、やはり単走になった。

10月にニューマーケットの<ruby>10月第一開催<rt>ファーストオクトーバー・ミーティング</rt></ruby>で、バロネットはキングスプレート競走（距離3マイル6ハロン99ヤード≒6125.5メートル、賞金100ギニー、6歳馬限定）に勝っている。このときの斤量は各馬とも12ストーン（76kg)なので、現代と距離や斤量に対する価値観がぜんぜん違うことが伺える。

ちなみにこの開催中、ジョージはオートランズS用に購入したほかの馬でマッチレースを行っている。初日にはベドフォード公爵を相手に、エスケープとグレイダイオメドで1000ギニーを賭けて対戦、これに勝利した。が、喜んだのも束の間、その日の2つ後のレースではペガサスとベドフォード公爵のMustiでマッチレースをやり、今度は1000ギニー負けた。結局収支はプラマイゼロということだ。

さて問題はそのあとだ。10月17日（月曜日）から始まった<ruby>10月第二開催<rt>セカンドオクトーバー・ミーティング</rt></ruby>の4日目、20日（木曜日）の第1レースで事件が起きた。このレースは16ギニーを賭けた4頭立ての小レースだった。距離は2マイル99ヤード（3309メートル）のディッチインコースである。王太子殿下のエスケープが2対1（3倍）の大本命、ほかにコリアンダー、スカイラーク、パイペイターがいた。実績は明白にエスケープ上位だったのだが、なぜか最下位に沈んだ。

翌日金曜日の第3レースにエスケープが再び出てきた。これも登録料5ギニーの小レースだ。出走馬は6頭、これにエスケープが出て圧勝したのである。相手にはシャンティクリアやスカイラーク、グレイダイオメドなどがいた。距離は前日の倍ほどあるビーコンコース（4マイル1ハロン138ヤード＝6764.7メートル）だとはいえ、エスケープの様子が違いすぎる。

すぐに疑惑の声が上がった。エスケープのチフニー騎手が、金曜日の馬券の倍率をあげるために初日に八百長をやったというのだ。事実、エスケープの人気は木曜日のレース後に急落し、5対1になっていた。調べてみるとチフニー騎手は金曜日のエスケープの馬券を買っていた。さらに、300ポンドあった借金が、木曜日のレース後に帳消しにされていた。誰かにそそのかされて八百長をやったという状況証拠は揃っていた。ジョッキークラブはジョージを呼び出し、チフニー騎手の追放を告げた。しかしジョージは激しく怒り、チフニー騎手を弁護しようとした。しかしジョッキークラブ側は態度を変えず、ジョージはニューマーケットを去ることになった。これが有名なエスケープ号事件である。

この事件の影響があったのかどうかはわからないが、バロネットもこれきり出走しなかった。

==繁殖成績==
バロネットは1792年から種牡馬となり、ジェームズ・ウェザビーのもとで1795年まで供用されたらしい。そのあとアメリカに輸出された。このとき、[[Pot-8-O's]]を父とする牝馬（Sister to Timidity 1792）が一緒にアメリカに売られていったのだが、その牝馬の孫にアメリカの名馬[[American Eclipse]]が出た。そのアメリカンエクリプスの代表産駒の1頭に、57戦42勝のアリエル（Ariel）という牝馬がいる。その祖母の父にバロネットの名が残っている。

アメリカへ到着したバロネットは、種牡馬として、ニューヨーク、ニュージャージー、テネシーを渡り歩いた。最後はテネシー州ナッシュビルの近郊で供用された。

===父系===
:[[Eclipse]] 1764
:｜[[Vertumnus]] 1775
:｜｜'''BARONET'''
:｜｜｜Empress f 1798　-　[[American Eclipse]]の母の母

==注==
===注釈===
<references group="注"/>
===出典===
{{Reflist|colwidth=30em |refs= 

}}

===参考資料===
===リンク===
*{{TB}}[http://www.bloodlines.net/TB/Bios2/Baronet.htm Baronet (GB)]
*{{PO}}[http://www.pedigreequery.com/baronet2 Baronet]

==カテゴリー==
{{DEFAULTSORT:Baronet}}
[[Category:イギリスの競走馬]]
[[Category:1785年生|英]]
[[Category:プリニーの所有馬]]