Curwen's Old Spotのソースを表示

{{Selaby Turk}}

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==解説==
現代の三大父系のひとつ、バイアリーターク系の中興の祖[[ヘロド]]の父の父、[[Croft's Partner]]の母に「ミクスベリーの全姉妹（１）」（sister one to Mixbury）がいる。その母の父が本馬Curwen's Old Spotだ。「[[Mixbury]]」自体が相当な活躍馬だったと伝わるし、この牝系からはほかにも[[Flying Childers]]の後継種牡馬[[Snip]]や、父系は滅亡してしまった[[オルコックアラビアン]]系の中興の祖[[Crab]]がでており、これらも皆Curwen's Old Spotの血を持っている。したがって現代のサラブレッドは、その黎明期にCurwen's Old Spotの強い影響を受けている。

しかし、この馬自身のことはほとんど何も伝わっていない。

===馬名===
この馬の本来の名前は単に「スポット」（Spot）といったらしい。ふつう馬の話で「スポット」（Spot)というと「まだら模様」のことで、きっとこの馬にもそういう外観上の特徴があったのだろう。

ところが当時はそういう馬はたくさんいて、みんな「スポット」と命名されていたので、現代では区別のために「Old Spot」と言ったり、所有者名を冠して「Curwen's Old Spot」（カーウェン氏の所有していたまだら馬）など呼ぶ。この馬の場合、誰が所有者だったのか判然としない面があり、ほかにも「Pelham's Old Spot」（ペラム氏の所有していたまだら馬）とか「Marshall's Old Spot」（マーシャル氏の所有していたまだら馬）ともいう。

===記録===
Curwen's Old Spotについての同時代的な記録は皆無に等しい。

本馬の時代から1世紀後に編纂された『ジェネラルスタッドブック』（1791年）には、18世紀初頭の名馬[[Mixbury]]の血統について、次のように記載されている。
*[[Selaby Turk]]（牡）1699年に輸入
:*[[Curwen's Old Spot]]（牡）
::*Curwen Spot mare（牝）
:::*[[Mixbury Galloway]]（牡）1704年頃生まれ

17世紀の終わり頃、イングランドはアン女王とその夫のウイリアム3世が共同統治していた。ウィリアム3世は競馬好きで、ハンプトンコートの王宮に[[ハンプトンコート王室牧場|王室牧場]]をひらいた。これが1699年のことと伝わる。その際にウィリアム3世は、リチャード・マーシャル（Richard Marshall）という馬産家を北アフリカに派遣し、東洋の名馬・名牝あわせて14頭を集めさせた。そのうちの一頭が[[Selaby Turk]]で、1699年にイギリスに輸入されて王室牧場の種牡馬になった。マーシャルはそのまま王室牧場の牧場長に任命されたという。

Selaby Turkの直仔がCurwen's Old Spotで、その孫が名競走馬[[Mixbury Galloway]]である。はっきりしたことは判っていないが、Mixbury Gallowayは1704年頃の生まれと伝わっている。

===年代をめぐる謎===
しかしこの記述をそのまま信じるならば、1699年から1704年までの4シーズンのあいだに、Curwen's Old Spot、その娘、その息子と、3代を重ねたことになる。これは到底ありそうなことではない。これとは別に、1690年頃にSelaby Turkを父として登録されている[[Coppin mare]]という牝馬がいて、これもSelaby Turkが1699年輸入だとありえないことになる。

Mixbury Gallowayの生年のほうは傍証などから比較的信頼度が高いので、「Selaby Turkが1699年に輸入された」というのが誤りであると推測されている。これには2説ある。単純にSelaby Turkの輸入年がもっと前、すくなくとも1680年代かそれ以前、とする仮説と、もう1頭別の同名異馬のSelaby Turkがいて、両者が混同されてしまっているという説だ。いずれにしても傍証がないので推測の域を出ない。

===生産者・所有者===
{| style="float:right;width:300px;margin-left:1em;background-color:rgba( 255, 255, 255, 0.25 )"
|-
|[[ファイル:Curwens Old Spot Map.png|300px|link=]]
|-style="font-size:0.8em;color:#2d3a49;"
|ワーキントンとブロックレスビー
|}
生産者・所有者についても何も判っていない。

有名な[[Mixbury Galloway]]がカーウェン氏の生産馬で、その一族もカーウェン氏の生産なので、母の父である本馬もカーウェン氏の所有だっただろうというのが通説で、そのため本馬も「Curwen's Old Spot」と呼ばれている。

しかしカーウェン氏はカトリック教徒で、当時のカトリックの戒律で「なんぴとも5ポンド以上の値打ちのある馬を所有してはならぬ」という縛りがあった。だからカーウェン氏は、友人の[[ペラム家|ペラム氏]]に預けていた。このため本馬を「Pelham's Old Spot」と呼ぶこともある。

カーウェン氏の牧場はイングランド北西端のカンバーランド州ワーキントン、ペラム氏の牧場はリンカーン州ブロックレスビーと、250kmほど離れている。実際にどちらに繋養されていたのかは不明である。

もし仮に、Selaby Turkが『ジェネラルスタッドブック』にある1699年輸入ではなく、もっと前にイギリスにいたとすると、ほぼ間違いなく、ダラム州セラビーにあるマーシャル氏の牧場にいたはずである。実際、セラビータークの産駒はみなセラビー近辺が生産地と伝わっている。とすると、Curwen's Old Spotもダラム州セラビーのマーシャルのもとで生産されたということになるから、本馬を「Marshall's Old Spot」ということもある。

===諸説===
1901年にイギリスで『英国競馬史』（A History of the English Turf）という文献が出版された。著者はセオドア・アンドレア・クック卿（1867年 - 1928年）というスポーツ史研究家である。（芸術家でもあり、1920年のベルギーオリンピック・芸術競技の銀メダリストでもある。）

この文献には、カーウェンズオールドスポットと、当時の活躍馬[[Old Windham]]の母馬が全きょうだいだと記されている。しかしクック卿が何を根拠にそう書いたのかは不明だ。

さらにクック卿は、カーウェンズオールドスポットとニューカッスル公爵の「Spot」が同一馬であろうとも推測している。こっちの「Spot」はレース記録があり、「King's Turk」と500ポンドを賭けた8マイルのマッチレースをやったという。このレースでは5ポンドのハンデ差があったが、ニューカッスル公爵が敗れたと記録されている。

一方、Throughbred Heritageでは、カーウェンズオールドスポットがダラム州セラビーで生産されたと仮定したうえで、その母の父として可能性がある馬として、[[Selaby Turk]]、[[Bustler]]、[[Place's White Turk]]、[[Dodsworth]]をあげている。いずれも当時近隣で繋養されていた種牡馬だ。もし母の父がSelaby Turkということになると、「Selaby Turkの1×2」という強い近親交配があることになる。当時の馬産を考えると、これはありえない話ではない。

==種牡馬として==

==父系==
===父系===
{{父Selaby Turk系}}
==父系テンプレート==
*[[Template:父Curwen's Old Spot系]]

==リンク==
{{外部リンク馬
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| JBISname =
| THurl = https://www.tbheritage.com/HistoricSires/FoundationSires/FoundSiresS.html#OldSpot
| THname =(Curwen's/Pelham's or Old) Spot
| BLurl = https://www.bloodlines.net/TB/Summaries/SelabyTurk.htm
| BLname =Selaby Turk
| bogusurl = http://p.bogus.jp/ped.php?id=971
| bogusname =Curwens Old Spot血統表
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| ENWPurl =
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| JAWPurl =
| JAWPname =
| POurl = https://www.pedigreequery.com/selaby+turk
| POname =SELABY TURK
}}

==参考資料==
* Sir Theodore Andrea Cook ,“<u>''A History of the English Turf''</u>”, H.Virtue ltd., London, 1901.

==カテゴリー==
{{DEFAULTSORT:Curwen's Old Spot}}
[[Category:イギリスの競走馬]]
[[Category:17世紀生|英]]