Prince T'Quassawのソースを表示

{{Snip}}
プリンスＴクァソー（Prince T'Quassaw）は1750年代半ばの名競走馬だ。伝説的名馬フライングチルダーズの直系の孫で、ヨーク競馬場とノッティンガム競馬場の王室賞を勝った。ニューマーケット競馬場の王室賞で同世代の名競走馬ケアレス（[[Careless]]）と対決したが敗れ、種牡馬となった。

特筆すべき産駒はいないのだが、根幹種牡馬[[Newminster]]の母系に入っており、現代のサラブレッドにもその血が受け継がれている。

{{Template:五代血統表δx2
|name = Prince T'Quassaw
|和 = プリンスＴクァソー
|幼name1 = 
|血統名和1 = 
|前name1 = 
|前和1 = 
|前name2 = 
|前和2 = 
|地name1 = 
|地方名和1 = 
|異name1 = 
|異和1 = 
|異name2 = 
|異和2= 
|異name3 = 
|異和3= 
|種name1 = 
|種牡名和1 = 
|繁name1 = 
|繁殖名和1 = 
|種 = サラブレッド
|年 = 1751
|性 = 牡
|color = bay
|毛 = 鹿毛
|誕 = 1751
|死 = 
|国 = {{F-GB1707}}グレートブリテン王国
|県 = ノーザンバランド州
|牧 = 
|者 = William Fenwick（？）
|調 = 
|厩 = 
|厩地 = 
|主 = William Fenwick → [[キングストン公爵２世]]
|f= [[Snip]]
|f毛 = 黒鹿毛
|f年 = 1736
|f国 = GB
|m = Dairy Maid
|m毛 = 鹿毛
|m年 = 1737
|m国 = GB
|ff = [[Flying Childers]]
|ff毛 = 鹿毛
|ff年 = 1715
|ff国 = GB
|fm = Basto mare
|fm毛 = 
|fm年 = 1711？
|fm国 = GB
|mf= [[Bloody Buttocks]]
|mf毛 = 芦毛
|mf年 = 1725
|mf国 = GB
|mm = Bay Brocklesby
|mm毛 = 鹿毛
|mm年 = 1731
|mm国 = GB
|fff = [[Darley Arabian]]
|ffm = Betty Leedes
|fmf = [[Basto]]
|fmm = <small>{{×3|Curwen's Bay Barb mare}}</small>
|mff= {{×b1|[[Curwen's Old Spot]]}}
|mfm= 　
|mmf= [[Croft's Partner]]
|mmm= Brocklesby
|ffff = 　
|fffm = 　
|ffmf = [[Old Careless]]
|ffmm = Cream Cheeks
|fmff = {{×g2|[[Byerly Turk]]}}
|fmfm = Bay Peg
|fmmf = {{×2|[[Curwen's Bay Barb]]}}
|fmmm = Curwen's Spot mare
|mfff = [[Selaby Turk]]
|mffm = 　
|mfmf = 　
|mfmm = 　
|mmff = [[Jigg]]
|mmfm = <small>{{×3|Curwen's Bay Barb mare}}</small>
|mmmf = [[Greyhound]]
|mmmm = Brocklessby Betty
|fffff = 　
|ffffm = 　
|fffmf = 　
|fffmm = 　
|ffmff = Spanker　
|ffmfm = Barb mare
|ffmmf = {{×7|[[Leedes Arabian]]}}
|ffmmm = Spanker mare
|fmfff = 　
|fmffm = 　
|fmfmf = {{×7|[[Leedes Arabian]]}}
|fmfmm = Young Bald Peg
|fmmff = 
|fmmfm = 
|fmmmf = {{×b1|[[Curwen's Old Spot]]}}
|fmmmm = White-legged Lowther Barb mare
|mffff = 　
|mfffm = 　
|mffmf = 　
|mffmm = 　
|mfmff = 　
|mfmfm = 　
|mfmmf = 　
|mfmmm = 　
|mmfff = {{×g2|[[Byerly Turk]]}}
|mmffm = Spanker mare
|mmfmf = {{×2|[[Curwen's Bay Barb]]}}
|mmfmm = Curwen's Spot mare
|mmmff = [[Chillaby Barb]]
|mmmfm = Slugey
|mmmmf = {{×2|[[Curwen's Bay Barb]]}}
|mmmmm = Hobby mare
|FN = 23
|母系 = 
|初出 = 
|終出 = 
|戦 = 
|勝 = 
|勝備考 = 
|タイトル = 
|鞍 = 王室賞（ヨーク）、王室賞（ノッティンガム）、一般ステークス（500ギニー）
|金 =  
|CS = 
|CJS = 
|CBMS = 
|駒 = 
}}
<!--
{| style="float:right;width:240px;margin-left:1em;margin-right:1em;background-color:rgba( 255, 255, 255, 0.25 )"
|-
|[[ファイル:Bywellhall.png|240px|link=]]
|-style="font-size:0.8em;color:#2d3a49;"
|フェンウィック家のバイウェルホール館（1832年頃）
|-
|}
-->
==馬名==
{| style="width:830px;margin:1em;"
|-
|style="width:510px;vertical-align:top;"|{{dropcap|Ｔ'}}というのは何だろうと思ったがよくわからない。日本人的には「タクァソー」とか「トクァソー」と書きたくなるのだけど、この「’」は何だってことになる。チェコ語とスロバキア語では、「’」をアポストロフィではなくハーチェクと呼び、文字の発音を指示するために用いられる。大文字の「Ｔ」にハーチェクがつくと「Ť」、小文字の「ｔ」にハーチェクがつくと「ť」と表記しする。だからもしかすると、本来の綴りは「Ťquassaw」なんだけども、活字がなく、「T'」で代用したのかもしれない。
|-
|style="width:510px;vertical-align:top;"|ハーチェクのついた「Ť」は、無声音で「ｔ」と「ｋ」を同時に発音したような音になる。とにかく日本人には難しい発音で、どのようにカタカナ表記するのかは謎。「ヅ」と「キュ」を同時に発したような音なんだそうだ。とすると「ヅクァソー」か、あるいは「ヅュクァソー」とか「ツクァソー」か。
|style="vertical-align:top;font-size:0.7em;padding-right:1.0em;padding-left:1.0em;"|
チェコ人作曲家のドヴォルザークは「Dvořák」と綴る。「ř」はｒ音を濁らせる発音になり、「ル」＋「ジュ」を同時に発音するような音になるので「ドヴォㇽジャーク」的な感じなんだそうだ。（この表記だと「ル」のあとに「ジャ」と言うみたいに見えるが、正しくは「ル」と「ジュ」を同時に発音するのだ。）
|-
|style="width:510px;vertical-align:top;"|
ところが、本馬の現役時代の18世紀の文献をみると「T.Quassaw」と表記されている。「T.」だとすると、人名の、「Tomáš」（トマーシュ）とかの頭文字なのかもしれない。この場合には「プリンスＴクァソー」と表記するのがいいのか。「ＡＰインディ」みたいな。とすると、これは「Ｔ・クアソー公」という意味だということになる。
|-
|style="width:510px;vertical-align:top;"|{{dropcap|ス}}ロバキアの北西部、カルパチア山脈の山奥にあたるトレンチーン県（Trenčianskom kraji）にクヴァショフ（Kvášov）という村がある。人口は数百人。村を流れるスチリカ川（Suchlica）は、スロバキアで一番大きなヴァーフ川（Váh）の支流で、ハンガリーのブタペスト近くでドナウ川に注ぐ。

スロバキアは今では独立国だが、中世にはハンガリー王国の一部で、近代にはハプスブルク家の二重帝国を経てドイツ・ソ連・ハンガリーが奪い合った。チェコ語のKvášovを素直に英語に転記するとKvasov（クヴァソフ）となるのだが、ドイツ語では「Kwassow」（クヴァソヴ）になり、これを英語に音転写すると「Quassaw」（クァソー）になる。本馬が登場した1750年頃は、イギリスはドイツ系のハノーファー王朝の時代だったから、ドイツ風の綴りになったのだろう。

|-
|style="width:510px;vertical-align:top;"|{{dropcap|ク}}ヴァショフ村からスチリカ川を遡ると、チェコとの国境を睨む断崖の上にレドニツェ城がある。本馬の生まれる40年ほど前、18世紀の初め頃に、ハプスブルク帝国領ハンガリーのトカイ（Tokaj）を本拠にするラーコーツィという貴族が、トランシルヴァニア公（Prince of Transylvania）となった。トランシルヴァニア公は、農民を率いてレドニツェ城を根城として蜂起し、ハンガリーの独立を求めた。帝国はスペイン継承戦争のために軍を派遣していて反乱に対処できず、ラーコーツィはこの間隙をついてドナウ川流域を支配下におさめた。

皇帝ヨーゼフ１世は、フランス、ロシアなどの大国を相手にした大戦を勝ち抜くため、この国内の反乱軍と取引せざるをえなくなり、いっときはハンガリーの独立を渋々認めることになる。その後ブレンハイム（Blenheim）の戦いで、イングランド・ハプスブルク連合軍がフランス相手に大勝利を収めると潮目が変わる。帝国は反乱の鎮圧に乗り出し、反乱軍に手を貸していたフランスやドイツ諸侯からも見放された。トレンチーンの戦いで、反乱を率いたラーコーツィが落馬すると、反乱に加わっていた農民たちはラーコーツィが死んだと思いこんで逃散し、帝国軍に謝罪し、皇帝への忠誠を誓った。
|style="vertical-align:top;font-size:0.7em;padding-right:1.0em;padding-left:1.0em;"|トカイ（Tokaj）は「世界三大貴腐ワイン」のひとつ、トカイワインの産地として有名。

17世紀まで、ハンガリーはオスマン帝国に支配されていた。オスマン帝国は1520年代にドナウ川に沿ってヨーロッパへ侵攻、1526年にハンガリー王国が滅ぼし、1529年にはハプスブルクの帝都ウィーンを包囲するまでになる。冬にオスマン帝国とハプスブルク帝国は和睦し、旧ハンガリー領土を分け合い、残った部分はトランシルヴァニア公領となった。それから170年経った1699年に、オスマン帝国とハプスブルク帝国は取引をして、ハンガリー、スロベニア、クロアチア、モレア、ダルマチアなどの領地を交換した。このときにハンガリー全土はハプスブルク帝国領になった。ハンガリー人は、旧ハンガリー王国の復活を求めて反乱を起こしたのである。

|-
|style="width:510px;vertical-align:top;"|
ラーコーツィは実は死んでいなかったのだが、もはや反乱を率いる気力を失い、ポーランドの宮廷に亡命した。帝国が外交的手段でラーコーツィ引き渡しを求めるとロシアへ逃げ、ピョートル大帝を後ろ盾にして、王族として遇された。イギリスへの渡航も企てたが、ハプスブルク帝国と連合を組むイングランドのアン女王は入国を拒否、そこでフランスの王宮へ赴き、ハンガリー独立を訴えた。だがフランス王家は、ハプスブルク帝国に対して強く出ることはできず、ラーコーツィの求めを黙殺した。そこで彼は、当時ハプスブルク帝国と敵対していた異教徒の国、オスマン帝国に移住した。ラーコーツィは、オスマン帝国の名のもとにキリスト教徒の軍を率いて、ハンガリー奪還の戦争を興したいと訴えたが、さすがにこれは聞き入れられなかったという。ラーコーツィは失意のままトルコで没した。ハンガリーでは現在、ラーコーツィは歴史的英雄として讃えられている。

|-
|}

==解説==
{| style="width:830px;margin:1em;"
|-
|style="width:470px;vertical-align:top;"|{{dropcap|プ}}リンスＴクァソーの生産者は明瞭には伝わっていない。最初の馬主であるウィリアム・フェンウィック氏（Mr.William Fenwick）が生産者だろうと推定されている。

フェンウィック家は、史料では15世紀半まで遡ることができる。イングランド最北の州、ノーザンバランドの中南部を流れるワンスバック川（River Wansbeck）の中流にモーペス（Morpeth）という古い町がある。ローマ時代に渡渉地点になっていた場所だ。そこで分かれた支流をさらに7マイル（11km）ほど遡ったところにあるスタントン（Stanton）という小さな郷がフェンウィック家のルーツである。

一族はもともと、ノーザンバランド奥地に横たわる<ruby>丘陵地帯<rt>デイルズ</rt></ruby>ひとつ、レズデイル（Redesdale）の代官だったらしい。それが代を経ていくうちに里長となり、地主となっていった。

フェンウィック家は婚姻や遺贈によって周辺各所に領地を増やしていった。スタントンの西に位置するウォリントンや、ノーザンバランド州の南境に位置するバイウェル（Bywell）などがそれである。

|style="width:250px;font-size:0.8em;vertical-align:top;padding-left:1em;"|[[ファイル:Prince tquassaw-northumberland500.jpg|240px|link=]]
|-
|style="width:470px;vertical-align:top;"|
18世紀のジョン・フェンウィック（1698年 - 1747年）の代には、フェンウィック家はノーザンバランド州の代官（High Sheriff）に任ぜられるほどになった。厳密に言うと、ジョンはフェンウィック家に迎えられた婿養子だった。

プリンスＴクァソーの馬主（そしておそらく生産者）のウィリアムは、ジョン・フェンウィックの子息である。プリンスＴクァソーが生まれた1751年は、フェンウィック家で代替わりがあってウィリアムが当主になり間もない時期だ。
|style="width:250px;font-size:0.8em;vertical-align:top;padding-left:1em;padding-right:1em;"|「High-Sheriff」をどう訳すかだが、英和辞書的には「州長官」の語をあげるものが多い。形式的には州行政執務の長ということになっているが、当時は中央集権式の統治が行われていたわけでもなく、各地に大小様々な領主がいたわけで、実際のところは儀礼上の名誉職にすぎないものだったそうだ。任期は1年交代で、州内の豪農家の持ち回りのような格好だった。今回はイメージで「代官」としたのだが、江戸時代の代官よりも権限はない肩書だ。
|}

{| style="width:830px;margin:1em;"
|-
|style="width:470px;vertical-align:top;"|{{dropcap|ウ}}ィリアム・フェンウィックが暮らしていたバイウェル村（Bywell）は、ノーザンバランド州の南の境にあたるタイン川の畔にある。このあたりはかつてウェストモーランド伯領だった。しかし16世紀の終わり頃、スコットランド・スチュワート王家の女王メアリに唆されたウェストモーランド伯はイングランド女王エリザベスに対する反乱を起こし、鎮圧されて所領を没収された。その後、売りに出された当地をフェンウィック家が買収したのだ。

ウィリアムはここで馬産を営んだ。1760年代に、ウィリアムはこのバイウェルに邸宅（バイウェル・ホール）を建設した。この館は19世紀に売りに出され、別の貴族の手に移った。現在はイングランドの第二級歴史的建造物として保全されている。
|style="width:250px;font-size:0.8em;vertical-align:top;padding-left:1em;"|[[ファイル:Bywellhall.png|240px|link=]]<br>フェンウィック家のバイウェルホール館<br>（1832年頃）
|-
|}

==競走成績==
プリンスＴクァソーが走った1750年代には、まだ『レーシングカレンダー』も刊行されておらず、当時の競馬の結果を体系的に記録したものは存在しない。したがって全競走履歴を網羅することは誰にも不可能だ。
{{戦績GBold
| 西暦 = 1755
| 月日 = 
| 曜 = 
| 和暦 = 宝暦5年
| 競馬場 = [[リンカーン競馬場|リンカーン]]
| racename= Maiden Plate for 4YO
| レース名 = 4歳未勝利戦
| 距離f = 
| 距離m = 
| 種別 = 
| 賞金 = £ 50
| 賞品 = 
| 頭数 = 
| lbs = 126
| kg = 57.2
| 着順 = '''1'''
| 1着馬 = 
| 2着馬 = Fox-Club
}}
{{戦績GBold
| 西暦 = 〃
| 月日 = 
| 曜 = 
| 和暦 = 
| 競馬場 = モーペス
| racename= for 4YO
| レース名 = 4歳戦
| 距離f = 
| 距離m = 
| 種別 = 
| 賞金 = £ 50
| 賞品 = 
| 頭数 = 
| lbs = 126
| kg = 57.2
| 着順 = '''1'''
| 1着馬 = 
| 2着馬 = Dunkirk
}}
{{戦績GBold
| 西暦 = 〃
| 月日 = 8.29
| 曜 = 金
| 和暦 = 
| 競馬場 = [[ヨーク競馬場|ヨーク]]
| racename= the Great Subscription for 4YO
| レース名 = [[ヨーク特別]]（4歳馬部門）
| 距離f = 2 マイル
| 距離m = 3218 m
| 種別 = ヒート競走
| 賞金 = £ 155
| 賞品 = 
| 頭数 = 
| lbs = 
| kg = 
| 着順 = 負
| 1着馬 = [[Judgement]]
| 2着馬 = 
}}
{{戦績GBold
| 西暦 = 1756
| 月日 = 8.20
| 曜 = 金
| 和暦 = 宝暦6
| 競馬場 = [[ハンブルトン競馬場|ハンブルトン]]
| racename= Subscription Purse for 5YO
| レース名 = 登録制財嚢競走
| 距離f = 4 マイル
| 距離m = 6437 m
| 種別 = 
| 賞金 = 60 ギニー
| 賞品 = 
| 頭数 = 
| lbs = 126
| kg = 57.2
| 着順 = '''1'''
| 1着馬 = 
| 2着馬 = [[Judgement]]
}}
{{戦績GBold
| 西暦 = 〃
| 月日 = 8.28
| 曜 = 土
| 和暦 = 
| 競馬場 = [[ヨーク競馬場|ヨーク]]
| racename= sweepstakes for 5YO
| レース名 = 5歳戦
| 距離f = 4 マイル
| 距離m = 6437 m
| 種別 = 
| 賞金 = 500 ギニー
| 賞品 = 
| 頭数 = 
| lbs = 126
| kg = 57.2
| 着順 = '''1'''
| 1着馬 = 
| 2着馬 = Myrtle
}}
{{戦績GBold
| 西暦 = 〃
| 月日 = 
| 曜 = 
| 和暦 = 
| 競馬場 = [[リンカーン競馬場|リンカーン]]
| racename= Heat
| レース名 = 一般戦
| 距離f = 
| 距離m = 
| 種別 = ヒート競走
| 賞金 = £ 50
| 賞品 = 
| 頭数 = 
| lbs = 
| kg = 
| 着順 = 勝
| 1着馬 = 
| 2着馬 = Rake
}}
{{戦績GBold
| 西暦 = 〃
| 月日 = 
| 曜 = 
| 和暦 = 
| 競馬場 = モーペス
| racename= 
| レース名 = 一般戦
| 距離f = 
| 距離m = 
| 種別 = 
| 賞金 = £ 50
| 賞品 = 
| 頭数 = 1
| lbs = 
| kg = 
| 着順 = '''1'''
| 1着馬 = 単走
| 2着馬 = 
}}
{{戦績GBold
| 西暦 = 1757
| 月日 = 4.
| 曜 = 
| 和暦 = 宝暦7
| 競馬場 = [[ニューマーケット競馬場|ニューマーケット]]
| racename= stakes for 6YO&UP
| レース名 = 6歳上戦
| 距離f = 4m1f138y
| 距離m = 6765 m
| 種別 = 
| 賞金 = 60 ギニー
| 賞品 = 
| 頭数 = 
| lbs = 
| kg = 
| 着順 = '''1'''
| 1着馬 = 
| 2着馬 = [[Brisk]]
}}
{{戦績GBold
| 西暦 = 〃
| 月日 = 
| 曜 = 
| 和暦 = 〃
| 競馬場 = [[ノッティンガム競馬場|ノッティンガム]]
| racename= King's Plate
| レース名 = [[王室賞 (ノッティンガム)|王室賞]]
| 距離f = 
| 距離m = 
| 種別 = 
| 賞金 = 
| 賞品 = 
| 頭数 = 
| lbs = 
| kg = 
| 着順 = '''1'''
| 1着馬 = 
| 2着馬 = Commoner
}}
{{戦績GBold
| 西暦 = 〃
| 月日 = 
| 曜 = 
| 和暦 = 〃
| 競馬場 = [[ヨーク競馬場|ヨーク]]
| racename= King's Plate
| レース名 = [[王室賞 (ヨーク)|王室賞]]
| 距離f = 
| 距離m = 
| 種別 = 
| 賞金 = 
| 賞品 = 
| 頭数 = 
| lbs = 
| kg = 
| 着順 = '''1'''
| 1着馬 = 
| 2着馬 = Commoner
}}
{{戦績GBold
| 西暦 = 〃
| 月日 = 
| 曜 = 
| 和暦 = 〃
| 競馬場 = [[リンカーン競馬場|リンカーン]]
| racename= 
| レース名 = 一般戦
| 距離f = 
| 距離m = 
| 種別 = 
| 賞金 = £ 50
| 賞品 = 
| 頭数 = 1
| lbs = 
| kg = 
| 着順 = '''1'''
| 1着馬 = 単走
| 2着馬 = 
}}
{{戦績GBold
| 西暦 = 〃
| 月日 = 
| 曜 = 
| 和暦 = 〃
| 競馬場 = [[ニューマーケット競馬場|ニューマーケット]]
| racename= King's Plate
| レース名 = [[王室賞 (ニューマーケット)|王室賞]]
| 距離f = 
| 距離m = 
| 種別 = 
| 賞金 = 
| 賞品 = 
| 頭数 = 
| lbs = 
| kg = 
| 着順 = 2
| 1着馬 = [[Warren's Careless|Careless]]
| 2着馬 = 
}}
{{戦績GBold
| 西暦 = 1758
| 月日 = 8.24
| 曜 = 木
| 和暦 = 宝暦8
| 競馬場 = [[ヨーク競馬場|ヨーク]]
| racename= the Free Plate
| レース名 = フリープレート
| 距離f = 
| 距離m = 
| 種別 = ヒート競走
| 賞金 = £ 100
| 賞品 = 
| 頭数 = 
| lbs = 
| kg = 
| 着順 = 負
| 1着馬 = [[Warren's Careless|Careless]]
| 2着馬 = 
}}


プリンスＴクァソーは1755年から各地で出走記録があり、かなりの戦績をあげている。ヨーク競馬場では賞金が500ギニーにもなるステークス戦を制している。その後、馬主は[[キングストン公爵２世]]にかわっている。公爵の服色で走り、ヨークとノッティンガムで[[王室賞]]優勝の栄誉に浴している。

そしてプリンスＴクァソーは、ニューマーケットに乗り込んで[[王室賞 (ニューマーケット)|王室賞]]に挑んだ。しかし敗れてしまう。勝ったのは[[Careless]]という馬で、王室賞を9勝もする名馬だった。

このあとプリンスＴクァソーは売却され、1772年までコーンウォール州で<ruby>猟騎馬<rt>ハンター</rt></ruby>用の種牡馬として供用された。だからしばらくは産駒には競走馬はいない。後に売られてヨーク州で競走馬用の種牡馬に転向した。購入したのはキングストン公爵らしい。公爵はプリンスＴクァソーの好敵手だったCarelessも購入し、両馬は同じ牧場で種牡馬になったと伝わる。

{{NWL-GB5oldheader}}
{{Template:NWL-GB5old
|西暦 =  1755
|月日 = 
|曜 = 
|競馬場 = [[リンカーン競馬場|Lincoln]]
|レース名 = 4歳未勝利戦
|racename = Maiden Plate for 4YO
|賞金 = £ 50
|芝ダ障 = 
|コース = 
|距離f = 
|距離m = 
|性齢 = 
|1着順 = 1
|1着馬主 = William Fenwick
|1着毛 = 鹿毛
|1着性 = 牡
|1着齢 = 4
|1着馬 = Prince T'Quassaw
|1着父 = [[Snip]]
| 1着st = 9
| 1着lbs = 0
| 1着斤lb = 126
| 1着kg = 57.2
|2着馬主 = Mr.Richardson
|2着毛 = 
|2着性 = 
|2着齢 = 
|2着馬 = Fox-Club
|2着父 = 
|3着馬主 = Lord Scarborough
|3着毛 = 
|3着性 = 
|3着齢 = 
|3着馬 = Chance
|3着父 = 
|備考 = 
}}
{{Template:NWL-GB5old
|西暦 = 1755
|月日 = 
|曜 = 
|競馬場 = Morpeth
|レース名 = 4歳戦
|racename = for 4YO
|賞金 = £ 50
|1着順 = 1
|1着馬主 = William Fenwick
|1着毛 = 鹿毛
|1着性 = 牡
|1着齢 = 4
|1着馬 = Prince T'Quassaw
|1着父 = [[Snip]]
| 1着st = 9
| 1着lbs = 0
| 1着斤lb = 126
| 1着kg = 57.2
|2着馬主 = Mr.Scurfield
|2着馬 = Dunkirk
|備考 = 
}}
{{Template:NWL-GB5Heat
|西暦 = 1755
|月日 = {{0}}8.29
|曜 = 金
|競馬場 = [[ヨーク競馬場|York]]
|レース名 = [[ヨーク特別]]
|racename = The Great Subscriprion of £ 155
|格 = 
|賞金 = £ 155
|芝ダ障 = 芝
|距離f = 2マイル
|距離m = 3218
|性齢 = 4YO C&F
|頭数 = 
|着順 = 2
|ストーン = 9st
|lbs= 126
|Kg = 57.2
|1着馬主 = Mr.Swinburn
|1着毛 = 鹿毛
|1着性 = 牡
|1着齢 = 4
|1着馬 = [[Judgement]]
|1着父 = [[Snip]]
|1着順 = ○
|1着1H = 1
|1着2H = 1
|1着3H = 
|1着4H = 
|2着馬主 = William Fenwick
|2着毛 = 黒鹿毛
|2着性 = 牡
|2着齢 = 4
|2着馬 = [[Prince T'Quassaw]]
|2着父 = [[Snip]]
|2着順 = 
|2着1H = 2
|2着2H = 2
|2着3H = 
|2着4H = 
|3着馬主 = Mr.Hunt
|3着毛 = brown
|3着性 = 牡
|3着齢 = 4
|3着馬 = Heel and Ice
|3着父 = [[Jig]]
|3着順 = 
|3着1H = 3
|3着2H = 3
|3着3H = 
|3着4H = 
|4着馬主 = Mr.Forby
|4着毛 = brown/bay
|4着性 = 牡
|4着齢 = 4
|4着馬 = Young Champion
|4着父 = [[Champion]]
|4着順 = 
|4着1H = 4
|4着2H = 失
|4着3H = 
|4着4H = 
|5着馬主 = 
|5着毛 = 
|5着性 = 
|5着齢 = 
|5着馬 = 
|5着父 = 
|5着順 = 
|5着1H = 
|5着2H = 
|5着3H = 
|5着4H = 
|備考 = 第1ヒートではPrince T'Quassawが1対1（2.0倍）、Judgementが5対4（2.25倍）。第2ヒートではJudgementが3対1（4.0倍）
}}
{{Template:NWL-GB5old
|西暦 = 1756
| 月日 = {{0}}8.20
| 曜 = 金
|競馬場 = [[ハンブルトン競馬場|Hambleton]]
|レース名 = 登録制財嚢競走
|racename = Subscription Purse for 5YO
|賞金 = 60ギニー
|距離f = 4 マイル
|距離m = 6437
|1着順 = 1
|1着馬主 = William Fenwick
|1着毛 = 鹿毛
|1着性 = 牡
|1着齢 = 5
|1着馬 = Prince T'Quassaw
|1着父 = [[Snip]]
| 1着st = 9
| 1着lbs = 0
| 1着斤lb = 126
| 1着kg = 57.2
|2着馬主 = Mr.Swinburn
|2着馬 = [[Judgement]]
|2着父 = [[Snip]]
|備考 = Prince T'Quassawが2対1（3.0倍）で本命。
}}
{{Template:NWL-GB10old
|西暦 = 1756
|月日 = {{0}}8.28
|曜 = 土
|競馬場 = [[ヨーク競馬場|York]]
|レース名 = 一般ステークス
|racename = a sweepstakes for 5YO
|賞金 = 500 ギニー
|距離f = 4 マイル
|距離m = 6437
| 1着順 = 1
| 1着馬主 = William Fenwick
| 1着color = brown
| 1着毛 = 鹿毛
| 1着性 = 牡
| 1着齢 = 5
| 1着馬 = [[Prince T'Quassaw]]
| 1着父 = [[Snip]]
| 1着st = 9
| 1着lbs = 
| 1着斤lb = 126
| 1着kg = 57.2
| 1着odds = 6to4
| 1着倍率 = 2.5
| 2着順 = 2
| 2着馬主 = Duke of Ancaster
| 2着color = grey
| 2着毛 = 芦毛
| 2着性 = 牡
| 2着齢 = 5
| 2着馬 = Myrtle
| 2着父 = [[Grace's Sterlng]]
| 2着st = 9
| 2着lbs = 
| 2着斤lb = 126
| 2着kg = 57.2
| 2着odds = 
| 2着倍率 = 
| 3着順 = 3
| 3着馬主 = Mr.Hutton
| 3着color = grey
| 3着毛 = 芦毛
| 3着性 = 牡
| 3着齢 = 5
| 3着馬 = Speedwell
| 3着父 = [[Spot]]
| 3着st = 9
| 3着lbs = 
| 3着斤lb = 126
| 3着kg = 57.2
| 3着odds = 
| 3着倍率 = 
| 4着順 = 4
| 4着馬主 = Sir William Middleton
| 4着color = grey
| 4着毛 = 芦毛
| 4着性 = 牡
| 4着齢 = 5
| 4着馬 = Spot
| 4着父 = [[Hutton's Spot]]
| 4着st = 9
| 4着lbs = 
| 4着斤lb = 126
| 4着kg = 57.2
| 4着odds = 
| 4着倍率 = 
| 5着順 = 5
| 5着馬主 = Marquis of Granby
| 5着color = bay
| 5着毛 = 鹿毛
| 5着性 = 牡
| 5着齢 = 5
| 5着馬 = 名無し
| 5着父 = [[Buff-Coat]]
| 5着st = 9
| 5着lbs = 
| 5着斤lb = 126
| 5着kg = 57.2
| 5着odds = 
| 5着倍率 = 
| 6着順 = 6
| 6着馬主 = [[ジェニソン・シャフト]]
| 6着color = ches
| 6着毛 = 栗毛
| 6着性 = 牡
| 6着齢 = 5
| 6着馬 = Hawke
| 6着父 = [[Orion]]
| 6着st = 9
| 6着lbs = 
| 6着斤lb = 126
| 6着kg = 57.2
| 備考 = 
}}
{{Template:NWL-GB5Heat
|西暦 = 1756
|月日 = 
|曜 = 
|競馬場 = [[リンカーン競馬場|Loncoln]]
|レース名 = 
|racename = 
|格 = 
|賞金 = £ 50
|1着順 = ○
|1着馬主 = William Fenwick
|1着毛 = 鹿毛
|1着性 = 牡
|1着齢 = 5
|1着馬 = Prince T'Quassaw
|1着父 = [[Snip]]
|1着1H = 1
|1着2H = 1
|2着馬主 = Mr.Meek
|2着毛 = 
|2着性 = 
|2着齢 = 
|2着馬 = Rake
|2着父 = Blaze
|2着順 = 
|2着1H = 2
|2着2H = 消
|2着3H = 
|2着4H = 
|備考 = 
}}
{{Template:NWL-GB5old
| 西暦 = 1756
| 月日 = 
| 曜 = 
| 競馬場 = Morpeth
| レース名 = 
| racename = 
| 賞金 = £ 50
|1着順 = 1
|1着馬主 = William Fenwick
|1着毛 = 鹿毛
|1着性 = 牡
|1着齢 = 5
|1着馬 = Prince T'Quassaw
|1着父 = [[Snip]]
| 備考 = 単走
}}
{{Template:NWL-GB5old
| 西暦 = 1757
| 月日 = 4.
| 曜 = 
| 競馬場 = [[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]
| コース = ビーコンコース
| レース名 = 古馬戦（6歳以上馬）
| racename = stakes for 6YO&UP
| 賞金 = 60ギニー
|距離f = 4 マイル 1 ハロン 138 ヤード
|距離m = 6765
| 1着順 = 1
| 1着馬主 = [[キングストン公爵２世]]
|1着毛 = 鹿毛
|1着性 = 牡
|1着齢 = 6
|1着馬 = Prince T'Quassaw
|1着父 = [[Snip]]
| 2着順 = 
| 2着馬主 = Sir John Ramsden
| 2着馬 = [[Brisk]]
| 2着父 = [[Cade]]
| 備考 = 
}}
{{Template:NWL-GB5old
| 西暦 = 1757
| 月日 = 
| 曜 = 
| 競馬場 = [[ノッティンガム競馬場|Nottingham]]
| レース名 = [[王室賞 (ノッティンガム)|王室賞]]
| racename = King's Plate
| 賞金 = 
| 賞品 = 
| 1着順 = 1
| 1着馬主 = [[キングストン公爵２世]]
|1着毛 = 鹿毛
|1着性 = 牡
|1着齢 = 6
|1着馬 = Prince T'Quassaw
|1着父 = [[Snip]]
| 2着順 = 
| 2着馬主 = Mr.Peirse 
| 2着馬 = Commoner
| 2着父 = [[Rib]]
| 備考 = 
}}
{{Template:NWL-GB5old
| 西暦 = 1757
| 月日 = 
| 曜 = 
| 競馬場 = [[ヨーク競馬場|York]]
| レース名 = [[王室賞 (ヨーク)|王室賞]]
| racename = King's Plate
| 賞金 = 
| 賞品 = 
| 1着順 = 1
| 1着馬主 = [[キングストン公爵２世]]
|1着毛 = 鹿毛
|1着性 = 牡
|1着齢 = 6
|1着馬 = Prince T'Quassaw
|1着父 = [[Snip]]
| 2着馬主 = Mr.Peirse 
| 2着馬 = Commoner
| 2着父 = [[Rib]]
| 3着馬主 =  Mr.Scurfield
| 3着馬 = Dunkirk
| 備考 = ヒート戦。Prince T'Quassawは第1ヒートでは2対1（3.0倍）、第2ヒートでは10対1（11倍）。
}}
{{Template:NWL-GB5old
| 西暦 = 1757
| 月日 = 
| 曜 = 
| 競馬場 = [[リンカーン競馬場|Lincoln]]
| 賞金 = £ 50
| 賞品 = 
| 1着順 = 1
| 1着馬主 = [[キングストン公爵２世]]
|1着毛 = 鹿毛
|1着性 = 牡
|1着齢 = 6
|1着馬 = Prince T'Quassaw
|1着父 = [[Snip]]
| 備考 = 単走
}}
{{Template:NWL-GB5old
| 西暦 = 1757
| 月日 = 10.
| 曜 = 
| 競馬場 = [[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]
|レース名 = [[王室賞 (ニューマーケット)|王室賞]]
|racename = King's Plate
| 賞金 = 
| 賞品 = 
| 1着順 = 
|1着馬主 = Mr.Warren
|1着color = ches
|1着毛 = 栗毛
|1着性 = 牡
|1着齢 = 6
|1着馬 = [[Warren's Careless|Careless]]
|1着父 = [[Regulus]]
|2着順 = 
|2着馬主 = [[キングストン公爵２世]]
|2着color = br
|2着毛 = 黒鹿毛
|2着性 = 牡
|2着齢 = 6
|2着馬 = [[Prince T'Quassaw]]
|2着父 = [[Snip]]
| 備考 = 
}}
{{Template:NWL-GB5Heat
|西暦 = 1758
|月日 = {{0}}8.24
|曜 = 木
|競馬場 = [[ヨーク競馬場|York]]
|レース名 = フリープレート
|racename = The Free Plate of £ 100
|賞金 = £ 100
|芝ダ障 = 芝
|距離f = 4マイル
|距離m = 6437
|1着順 = ○
|1着馬主 = Mr.Warren
|1着color = ches
|1着毛 = 栗毛
|1着性 = 牡
|1着齢 = 長
|1着馬 = [[Warren's Careless|Careless]]
|1着父 = [[Regulus]]
|1着1H = 1
|1着2H = 1
|1着3H = 
|1着4H = 
|1着5H = 
|1着6H = 
|2着順 = 
|2着馬主 = [[キングストン公爵２世]]
|2着color = br
|2着毛 = 黒鹿毛
|2着性 = 牡
|2着齢 = 長
|2着馬 = [[Prince T'Quassaw]]
|2着父 = [[Snip]]
|2着1H = 2
|2着2H = 消
|2着3H = 
|2着4H = 
|2着5H = 
|2着6H = 
|備考 = 第1ヒートでは7対1～8対1でCarelessが本命。
}}
これ以外にニューマーケット競馬場の王室賞で、当時の名馬[[Warren's Careless|Careless]]と対戦して敗れている。

==種牡馬成績==
『レーシングカレンダー第1巻』（1773年）には、プリンスＴクァソーの種牡馬広告が掲載されていた。前述の通り、華々しい戦績を残したプリンスＴクァソーだったが、引退後はイングランド南西部のコーンウォール州で<ruby>猟騎馬<rt>ハンター</rt></ruby>生産のための種牡馬になった。伝えによるとプリンスＴクァソーはコーンウォール州で相当な数の産駒を出したらしい。

当時はまだ「サラブレッド」という言葉はないのだが、『レーシングカレンダー』には「1772年までは競走用の牝馬に配合されたことはなく、競走用に調教を受けた産駒はいない」とある。正確な年数は不明だが、競走馬を引退してから15年ちかくの間はサラブレッド生産には用いられなかったという計算になる。

産駒はみな体格がよいことから、22歳になって競走用種牡馬に転身することになった。そのため、イングランド屈指の馬産地であるヨーク州北部、リッチモンドに近いロウギャザリー（Low Gatherly）という村の牧場に移された。この牧場主はケイ氏（Mr.Kay）と伝わる。

解説によると、「本馬は大変優れた血統背景を持つ（the very high-bred horse）」とある。そして15ハンド1インチと体高豊かで、「骨が太く、大きく、力強く、美しく、欠点がない（great bone, size, strength, beauty, without blemush）」うえ、「受胎率が高く（foal-getter）」産駒もみな馬格に優れており「競走馬になること間違いない（promising to make racers）」、とされている。

種付料は3ギニー2シリング6ペンス。このうち3ギニーが「種付料」で、2シリング6ペンスは「馬丁への心付け」である。同時代の種牡馬では、[[エクリプス]]の種付料が25ギニー（＋心付け10シリング6ペンス）、[[Gimcrack|ジムクラック]]が30ギニー（＋心付け5シリング）、また本馬と同じスニップ系の[[Goldfinder|ゴールドファインダー]]が20ギニーなどとなっている。年齢的なものも相まってプリンスＴクァソーの種付料はさほど高いものではなかった。

しかし残念ながら、すでに高齢だったこともあるのだろう、産駒からは特筆に値するような競走馬は登場しなかったようだ。ジェネラルスタッドブックに名を残すほどの産駒はわずかで、Hottentot (1773年生)の名が伝わる程度である。しかしながら、1頭の牝馬を通じてプリンスＴクァソーの血は後世に永久の残ることになった。プリンスＴクァソーを父とする名無しの牝馬の曾孫に、19世紀初めの北イングランドで36勝以上をあげた伝説的名馬[[Doctor Syntax]]が出た。その代表産駒が、これまた51勝をあげた伝説的名牝[[Beeswing]]である。そしてこのBeeswingが根幹種牡馬[[Newminster]]を産んだのだ。Newminsterの母の父の母の母の母の父、ということになる。





プリンスＴクァソーは、馬主である[[キングストン公爵２世]]の牧場で種牡馬になった。ここにはプリンスＴクァソーが最後の対戦相手になった[[Careless]]も繋養されていた。
===父系図===
{{Form父系 
|線 = ｜
|imp = 
|馬名 = {{BT1|[[Darley Arabian]]}}
|… = ……………………………<br>｜
|性 = 牡
|生年 = 1700?
|生国 = 
|成績 = 
}}
{{Form父系 
|線 = ｜｜
|imp = 
|馬名 = {{BT1|[[Flying Childers]]}}
|… = …………………………<br>｜｜
|性 = 牡
|生年 = 1714?
|生国 = GB
|成績 = 
}}
{{Form父系 
|線 = ｜｜｜
|imp = 
|馬名 = [[Snip]]
|… = ……………………………………<br>｜｜｜
|性 = 牡
|生年 = 1736
|生国 = GB
|成績 = 
}}
{{父Prince T'Quassaw系}}

===父系テンプレート===
*[[Template:父Prince T'Quassaw系]]

==外部リンク==
{{外部リンク馬
| JBISurl = https://www.jbis.or.jp/horse/0000923101/
| JBISname = Prince T'Quassaw(GB)
| THurl = http://www.tbheritage.com/HistoricSires/FoundationSires/FoundSiresP.html#PrinceTquassaw
| THname = Prince T'Quassaw
| BLurl = http://www.bloodlines.net/TB/Bios/FlyingChilders.htm#Snip
| BLname = Prince T'Quassaw
| GSurl = 
| GSname = 
| AHurl = 
| AHname = 
| 凪url = 
| 凪name = 
| SYurl = 
| SYname = 
| 種Purl = 
| 種Pname = 
| bogusurl = http://p.bogus.jp/ped.php?id=3156
| bogusname = Prince T'Quassaw血統表
| 父系url = 
| 父系name = 
| 世界url = 
| 世界name = 
| lunaurl = 
| lunaname = 
| POurl = https://www.pedigreequery.com/prince+tquassaw
| POname = PRINCE TQUASSAW
| RPurl = 
| RPname = 
| EBurl = 
| EBname = 
| EQurl = 
| EQname = 
| nkurl = 
| nkname = 
| enWPurl = 
| enWPname = 
| WPurl = 
| WPname = 
}}

==参考資料==
* William Pick, R. Johnson,“The Turf Register and Sportsman & Breeder's Stud-book, vol.1”,1803

==カテゴリー==
{{DEFAULTSORT:Prince T'Quassaw}}
[[Category:イギリスの競走馬]]
[[Category:1751年生|英]]