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{{Eclipse}}

サルトラム（Saltram）は1783年の[[英ダービー|ダービー]]馬である。当時のダービーはまだ創設間もない4回目で、距離も1マイルだった。レースとしては今のような国を代表する大レースとは言い難い時期だったが、出走馬は間違いなく一流馬が揃っていた。サルトラムがダービーで破った相手は[[Dungannon|ダンガノン]]はそのあと競走馬としても種牡馬としても成功する馬となった。

サルトラムは競走馬としての3シーズンの現役期間のうち、最後の1シーズンを[[ジョージ4世|イギリス王太子ジョージ]]の持ち馬として過ごした。出走したレースはわずか2回だけだったが、そのうち1勝では600ギニーを稼いでいる。サルトラムは王子の牧場で種牡馬になり、その後10シーズンにわたり各地を転々としたあと、最後はアメリカに輸出された。そしてアメリカの歴史的名馬ボストンやレキシントンの血統表に名を残すことになった。

サルトラムの父系は残らなかったが、王子の牧場にいた頃の産駒[[Whiskey|ウィスキー]]は、ダービー・オークス二冠制覇の名牝[[Eleonor|エレノア]]の父として名を残した。

==血統==
{{Template:五代血統表γ
|name = Saltram
|和 = サルトラム
|幼name1 = 
|血統名和1 = 
|前name1 = 
|前和1 = 
|前name2 = 
|前和2 = 
|地name1 = 
|地方名和1 = 
|異name1 = 
|異和1 = 
|異name2 = 
|異和2= 
|異name3 = 
|異和3= 
|種name1 = 
|種牡名和1 = 
|繁name1 = 
|繁殖名和1 = 
|種 = サラブレッド
|年 = 1780
|性 = 牡
|color = dark brown
|毛 = 黒鹿毛
|誕 = 1780
|死 = 1802
|国 = イギリス{{F-GB1707}}
|県 = デボン州サルトラム
|牧 = 
|者 = John Parker, Esq.（後の1st Baron Boringdon）
|調 = Francis Neale調教師
|厩 = 
|厩地 = 
|主 = John Parker, Esq.　→　[[ジョージ4世|ウェールズ公ジョージ王太子殿下]]
|f= [[Eclipse]]
|f年 = 1764
|f毛 = 栗毛
|f国 = GB
|m = Virago
|m毛 = 芦毛
|m年 = 1764
|m国 = GB
|ff = [[Marske]]
|ff年 = 1750
|ff毛 = 黒鹿毛
|ff国 = GB
|fm = Spilletta
|fm年 = 1749
|fm毛 = 鹿毛
|fm国 = GB
|mf= [[Snap]]
|mf毛 = 黒鹿毛
|mf年 = 1750
|mf国 = GB
|mm = Regulus mare
|mm毛 = 芦毛
|mm年 = 
|mm国 = GB
|fff = [[Squirt]]
|ffm = Hutton's Blacklegs mare
|fmf = {{×g4|[[Regulus]]}}
|fmm = Mother Western
|mff= [[Snip]]
|mfm= Fox mare
|mmf= {{×g4|[[Regulus]]}}
|mmm= Crab mare
|ffff = [[Bartlett's Childers]]
|fffm = {{×y2|Snake mare}}
|ffmf = [[Hutton's Blacklegs]]
|ffmm = Bay Bolton mare
|fmff = [[Godolphin Arabian]]
|fmfm = Grey Robinson
|fmmf = [[Easby Snake]]
|fmmm = Montagu mare
|mfff = [[Flying Childers]]
|mffm = {{×b2|Basto mare}}
|mfmf = [[Fox]]
|mfmm = Gipsey
|mmff = [[Godolphin Arabian]]
|mmfm = Grey Robinson
|mmmf = [[Crab]]
|mmmm = Miss Slamerkin
|fffff = {{×r1|[[Darley Arabian]]}}
|ffffm = {{×p5|Betty Leedes}}
|fffmf = {{×y5|[[Snake]]}}
|fffmm = Grey Wilkes
|ffmff = [[Hutton's Bay Barb]]
|ffmfm = Coneyskins mare
|ffmmf = {{×w1|[[Bay Bolton]]}}
|ffmmm = Fox Cub mare
|fmfff = 
|fmffm = 　
|fmfmf = [[Bald Galloway]]
|fmfmm = {{×y2|Snake mare}}
|fmmff = {{×y5|[[Snake]]}}
|fmmfm = Squirrel's dam
|fmmmf = [[Old Montagu]]
|fmmmm = Old Hautboy mare
|mffff = {{×r1|[[Darley Arabian]]}}
|mfffm = {{×p5|Betty Leedes}}
|mffmf = [[Basto]]
|mffmm = Curwen Bay Barb mare
|mfmff = [[Clumsy]]
|mfmfm = Bay Peg
|mfmmf = {{×w1|[[Bay Bolton]]}}
|mfmmm = Newcastle Turk mare
|mmfff = 　
|mmffm = 　
|mmfmf = [[Bald Galloway]]
|mmfmm = {{×y2|Snake mare}}
|mmmff = [[Alcock Arabian]]
|mmmfm = {{×b2|Basto mare}}
|mmmmf = [[Young True Blue]]
|mmmmm = Lord Oxford's Dun Arabian mare
|FN = 7
|母系 = 
|初出 = 3
|終出 = 5
|戦 = 8
|勝 = 4
|勝備考 = ほかに不戦勝1
|タイトル = 
|鞍 = [[英ダービー]]（1783年）、ほかステークス戦2勝
|金 = 
|CS = 
|CJS = 
|CBMS = 
|駒 = 
}}
{| style="float:right;width:240px;margin-left:1em;margin-right:1em;background-color:rgba( 255, 255, 255, 0.25 )"
|-
|[[ファイル:John Parker Esq360.png|240px|link=]]
|-style="font-size:0.8em;color:#2d3a49;"
|生産者・馬主のジョン・パーカー。<br>（のちのボーリンドン男爵）
|-
|[[ファイル:Saltram House.png|240px|link=]]
|-style="font-size:0.8em;color:#2d3a49;"
|サルトラム・ハウス（1833年の作）
|}

名馬にして名種牡馬のエクリプスは3頭のダービー勝ち馬を出した。1781年優勝の[[Young Eclipse|ヤングエクリプス]]、1783年優勝の[[Saltram|サルトラム]]、1784年優勝の[[Sergeant|サージャント]]である。このうち、ヤングエクリプスとサージャントの2頭は、エクリプスのオーナーである賭博師デニス・オケリーの生産馬だった。サルトラムだけが第三者による生産馬で、デボン州の小領主、ジョン・パーカーなる人物が生産者である。ジョン・パーカーはサルトラムがダービーを勝った翌年、1784年に授爵し、ボーリンドン男爵（Baron Boringdon）となった。そのためサルトラムの馬主名義も途中で変わっている。

ところで、エクリプスが3頭のダービー馬を出したと書いたが、1780年に創設のダービーは、最初の4年間は1マイルで開催していた。ヤングエクリプスとサルトラムは1マイル時代の優勝馬だ。1784年に距離が1マイル半になって最初の勝ち馬がサージャントである。

サルトラムがダービーを勝った1783年に、母馬ヴィラーゴにはエクリプスが配合され、翌1784年にサルトラムの全妹となる[[Annette|アネット]]が生まれている。アネットはのちに[[オークス]]に勝ち、全兄妹でのダービー・オークス制覇となった。

馬名の由来になったのは、オーナーブリーダーであるデボン州の小領主、ジョン・パーカーの本拠地Saltramである。ここには立派な屋敷があり、イギリスのカントリーハウスとして保存され、観光名所にもなっている。ところで、「Saltram」は、イギリス人は「<ruby>塩<rt>ソルト</rt></ruby>」（salt）のように「ソルトラム」と発音する。なので発音主義からいくと本馬も「ソルトラム」と書くべきなのだが、多くの日本語資料は「サルトラム」と書いているのでここでもそれにしたがっている。

==競走馬として==
===3歳時（1783年）===
サルトラムの調教師はフランク・ニール師（Frank Neale）という。当時の有名調教師の一人であり、サルトラムによる勝利を含めて6回ダービーを制した人物だ。（1782年、1783年、1786年、1788年、1798年、1804年。）

3歳（1783年）早春、サルトラムはニューマーケット競馬場のステークス戦（登録料100ギニー）で初出走となった。このレースは3頭立てで、“アクロス・ザ・フラット”コース（1マイル2ハロン44ヤード＝約2052メートル）で行われた。サルトラムはここを勝ちあがり、デビュー戦を飾った。優勝賞金は300ギニーだが、そのうち100ギニーはサルトラム陣営が出したぶんなので、馬主の儲けは実質200ギニー。

====カンバランドステークス====
続いて4月の[[カンバランドステークス]]という3歳戦に出た。この競走はニューマーケット競馬場の4月の「<ruby>春季第一開催<rt>ファーストスプリングミーティング</rt></ruby>」の2日目のメインレースで、この開催の代表的な大競走だった。秋のニューマーケットに[[Sion S|シオンステークス]]というのがあり、この競走は「カンバランドSの優勝馬とダービーの優勝馬だけ、斤量6ポンド加増」という規定がある。すなわち当時としては、カンバランドSはダービーに比肩する競走だったということだ。ただ、カンバランドSは翌1784年を最後に開催されなくなっている。この競走もデビュー戦と同じく“アクロス・ザ・フラット”コース（約2052メートル）で、登録料は100ギニー、登録馬は21頭もいる。

サルトラムはこのレースで[[Cornet|コルネット]]という牡馬に敗れて2着になった。3着には、あの[[ハイフライヤー]]の全弟、[[Gonzales|ゴンザレス]]が入っている。5着の[[Rinaldo|リナルド]]は、セントサイモン系の遠い父祖である[[King Fergus|キングファーガス]]の半弟だ。

勝ったコルネットはサルトラムと同じエクリプス産駒で、デニス・オケリー氏の生産馬である。全兄には[[マーキュリー系]]の祖[[Mercury|マーキュリー]]や[[Jupiter|ジュピター]]がいるという血統馬だ。コルネットは後に[[Volunteer|ボランティア]]と改名し、種牡馬となってからはダービー馬1頭、オークス馬2頭を出すなどして成功した。

====ダービー====
このあとサルトラムはエプソム競馬場の第4回[[英ダービー|ダービー]]に出走した。この頃のダービーは1マイルという、当時としては驚異的な短距離戦だった。その頃の主流は古馬による4マイルのヒート戦だったのに、ダービーは、経験の乏しい3歳の幼駒によるわずか1マイルの<ruby>1回勝負<rt>ダッシュ</rt></ruby>戦で、途方もなくギャンブル性の高い競走だった　―　だからこそ多くの馬主を惹きつけたのだ。登録馬は34頭もいた。だがこの年は、コルネットとサルトラムの前評判が高く、多くの登録馬が出走をあきらめてしまい、最終的な出走馬は6頭にとどまった。最終登録料は50ギニーで、優勝賞金は例年を下回る945ポンドだった。

コルネットと同率で1番人気（5対2＝3.5倍）となったサルトラムの鞍上はチャールズ・ヒンドレー（Charles Hindley）。ヒンドレー騎手は第2回ダービーの優勝ジョッキーであり、さらに1785年にも勝ってダービー3勝をあげることになる騎手だ。サルトラムとコルネットのほかの有力どころとしては、3番人気（5対1＝6.0倍）となるデニス・オケリー氏のエクリプス産駒[[Dungannon|ダンガノン]]の名前があげられる。

レースはサルトラムとダンガノンのエクリプス産駒での決着になった。ダンガノンはこののち29戦26勝の名馬へと成長するのだが、敗れたわずか3鞍のうちの1つがこのダービーだった。両馬はのちに種牡馬となってもエクリプスの後継種牡馬としてライバルになっていく。ずっと後になって、アメリカで種牡馬になったサルトラムは「あのダンガノンに土をつけた唯一の馬」と宣伝された。

秋にはニューマーケット競馬場の<ruby>秋季第一開催<rt>ファーストオクトーバーミーティング</rt></ruby>で、[[Rinaldo|リナルド]]との500ギニーを賭けたマッチレースが組まれていた。が、リナルドは春のカンバランドSで完敗しており、リナルド側はペナルティの50ギニーを支払ってマッチを回避、サルトラムの不戦勝となった。（マッチレースはたいてい前年か、同年のシーズン開始前に予定が組まれる。半年前に決められた予定通りマッチレースをやって負けると500ギニーを払わなければいけないので、50ギニーの「解約金」を払って不戦敗になったほうがずっといいのだ。）

{{Template:NWL-GB5old
| 西暦 = 1783
| 月日 = 
| 曜 = 
| 競馬場 = [[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]
| コース = Across the Flat
| レース名 = スイープステークス
| racename = Sweep Stakes
| 賞金 = 300ギニー
| 芝ダ障 = 芝
| 距離f = 1M2F44Y
| 距離m = 2052
| 1着順 = 1
| 1着馬主 = John Parker,Esq.
| 1着color = b
| 1着毛 = 黒鹿毛
| 1着性 = 牡
| 1着齢 = 3
| 1着馬 = [[Saltram]]
| 1着父 = [[Eclipse]]
| 1着odds = 2/1
| 1着倍率 = 3.0
| 1着ストーン = 8st
| 1着st = 8
| 1着lbs = 
| 1着斤lb =112 
| 1着Kg = 50.8
| 2着順 = 2
| 2着馬主 = Mr.Douglas
| 2着毛 = 
| 2着性 = 牡
| 2着齢 = 
| 2着馬 = 名無し
| 2着父 = [[Justice]]
| 2着st = 8
| 2着lbs = 
| 2着斤lb = 112
| 2着Kg = 50.8
| 備考 = 
}}
{{Template:NWL-GB5old
| 西暦 = 1783
| 月日 = 
| 曜 = 
| 競馬場 = [[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]〈春季第一開催〉
| コース = Across the Flat
| レース名 = [[カンバランドS]]
| racename = Cumberland Stakes of 100gs each
| 芝ダ障 = 芝
| 賞金 = 
| 距離f = 1M2F44Y
| 距離m = 2052
| 1着順 = 1
| 1着馬主 = [[デニス・オケリー]]
| 1着毛 = 栗毛
| 1着性 = 牡
| 1着齢 = 3
| 1着馬 = [[Volunteer|Cornet]]
| 1着父 = [[Eclipse]]
| 1着odds = 7/1
| 1着倍率 = 8.0
| 1着st = 8
| 1着lbs = 3
| 1着斤lb = 115
| 1着Kg = 52.2
| 2着順 = 2
| 2着馬主 = John Parker,Esq.
| 2着毛 = 黒鹿毛
| 2着性 = 牡
| 2着齢 = 3
| 2着馬 = [[Saltram]]
| 2着父 = [[Eclipse]]
| 2着st = 8
| 2着lbs = 3
| 2着斤lb = 115
| 2着Kg = 52.2
| 3着順 = 3
| 3着馬主 = Duke of Queensberry
| 3着毛 = 
| 3着性 = 牡
| 3着齢 = 3
| 3着馬 = [[Gonzales]]
| 3着父 = [[Herod]]
| 3着odds = 
| 3着倍率 = 
| 3着st = 8
| 3着lbs = 3
| 3着斤lb = 115
| 3着Kg = 52.2
| 4着順 = 4
| 4着馬主 = Sir G.Cornwall
| 4着毛 = 
| 4着性 = 牡
| 4着齢 = 3
| 4着馬 = [[Trinidado]]
| 4着父 = [[Herod]]
| 4着odds = 
| 4着倍率 = 
| 4着st = 8
| 4着lbs = 3
| 4着斤lb = 115
| 4着Kg = 52.2
| 5着順 = 5
| 5着馬主 = Lord Foley
| 5着毛 = 
| 5着性 = 牡
| 5着齢 = 3
| 5着馬 = [[Rinaldo]]
| 5着父 = [[Trentham]]
| 5着odds = 
| 5着倍率 = 
| 5着st = 8
| 5着lbs = 3
| 5着斤lb = 115
| 5着Kg = 52.2
| 備考 = 
}}
{{Template:NWL-GB5old
| 西暦 = 1783
| 月日 = {{0}}5.29
| 曜 = 
| 競馬場 = [[エプソム競馬場|Epsom]]
| コース = 
| レース名 = [[英ダービー|ダービー]]
| racename = the Derby Stakes of 50gs each
| 格 = 
| 賞金 = 945ポンド
| 距離f = 1M
| 距離m = 1609
| 1着順 = 1
| 1着馬主 = John Parker,Esq.
| 1着毛 = 黒鹿毛
| 1着性 = 牡
| 1着齢 = 3
| 1着馬 = [[Saltram]]
| 1着父 = [[Eclipse]]
| 1着odds = 5/2
| 1着倍率 = 3.5
| 1着st = 8
| 1着lbs = 
| 1着斤lb = 112
| 1着Kg = 50.8
| 2着順 = 2
| 2着馬主 = [[デニス・オケリー]]
| 2着毛 = 鹿毛
| 2着性 = 牡
| 2着齢 = 3
| 2着馬 = [[Dungannon]]
| 2着父 = [[Eclipse]]
| 2着odds = 5/1
| 2着倍率 = 6.0
| 2着st = 8
| 2着lbs = 
| 2着斤lb = 112
| 2着Kg = 50.8
| 3着順 = 3
| 3着馬主 = Mr.Walker
| 3着毛 = 栗毛
| 3着性 = 牡
| 3着齢 = 3
| 3着馬 = [[Parlington]]
| 3着父 = [[Morwick Ball]]
| 3着odds = 10/1
| 3着倍率 = 11.0
| 3着st = 8
| 3着lbs = 
| 3着斤lb = 112
| 3着Kg = 50.8
| 4着順 = 4
| 4着馬主 = Duke of Queensberry
| 4着毛 = 
| 4着性 = 牡
| 4着齢 = 3
| 4着馬 = [[Gonzales]]
| 4着父 = [[Herod]]
| 4着odds = 8/1
| 4着倍率 = 9.0
| 4着st = 8
| 4着lbs = 
| 4着斤lb = 112
| 4着Kg = 50.8
| 5着順 = 5
| 5着馬主 = [[デニス・オケリー]]
| 5着毛 = 
| 5着性 = 牡
| 5着齢 = 3
| 5着馬 = [[Volunteer|Cornet]]
| 5着父 = [[Eclipse]]
| 5着odds = 5/2
| 5着倍率 = 3.5
| 5着st = 8
| 5着lbs = 
| 5着斤lb = 112
| 5着Kg = 50.8
| 備考 = 6着[[Phaenomenon]]（20/1、21倍）は秋にセントレジャーを制す。
}}
{{Template:NWL-GB5old
| 西暦 = 1783
| 月日 = 10.{{0}}8
| 曜 = 
| 競馬場 = [[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]〈秋季第一開催〉
| レース名 = マッチレース
| racename = 
| 賞金 = 500ギニー
| 賞品 = 
| 芝ダ障 = 
| コース = Ditch In
| 距離f = 2M 97Y
| 距離m = 3307
| 1着順 = ○
| 1着馬主 = John Parker,Esq.
| 1着color = 
| 1着毛 = 
| 1着性 = 牡
| 1着齢 = 3
| 1着馬 = [[Saltram]]
| 1着父 = [[Eclipse]]
| 1着st = 
| 1着lbs = 
| 1着斤lb = 
| 1着kg = 
| 1着odds = 
| 1着倍率 = 
| 2着順 = 消
| 2着馬主 = Lord Egremont
| 2着color = 
| 2着毛 = 
| 2着性 = 牡
| 2着齢 = 3
| 2着馬 = [[Rinaldo]]
| 2着父 = [[Trentham]]
| 2着st = 
| 2着lbs = 
| 2着斤lb = 
| 2着kg = 
| 2着odds = 
| 2着倍率 = 
| 3着順 = 
| 3着馬主 = 
| 3着color = 
| 3着毛 = 
| 3着性 = 
| 3着齢 = 
| 3着馬 = 
| 3着父 = 
| 3着st = 
| 3着lbs = 
| 3着斤lb = 
| 3着kg = 
| 3着odds = 
| 3着倍率 = 
| 4着順 = 
| 4着馬主 = 
| 4着color = 
| 4着毛 = 
| 4着性 = 
| 4着齢 = 
| 4着馬 = 
| 4着父 = 
| 4着st = 
| 4着lbs = 
| 4着斤lb = 
| 4着kg = 
| 4着odds = 
| 4着倍率 = 
| 5着順 = 
| 5着馬主 = 
| 5着color = 
| 5着毛 = 
| 5着性 = 
| 5着齢 = 
| 5着馬 = 
| 5着父 = 
| 5着st = 
| 5着lbs = 
| 5着斤lb = 
| 5着kg = 
| 5着odds = 
| 5着倍率 = 
| 備考 = Rinaldo陣営が50ギニーを支払って取消し、サルトラムの不戦勝。
}}

===4歳時（1784年）===
古馬になったサルトラムは春の[[クラレットS]]（約4マイル・6606ｍ）から始動したのだが、3着に終わった。このレースに勝ったのは例のハイフライヤーの全弟ゴンザレスである。

「クラレット」というのはフランス・ボルドー産の高級赤<ruby>葡萄酒<rt>ワイン</rt></ruby>の銘柄で、当時このクラレット<ruby>葡萄酒<rt>ワイン</rt></ruby>は、現金や優勝盾、優勝杯、優勝鞭などと並ぶ一流の賞品だった。12世紀、イギリス王家は複雑な婚姻によってボルドー地方の支配権を有していたことがあり、イギリスではクラレット葡萄酒は特別な意味があった。一時期は忘れられていたのだが、馬商リチャード・タタソールがこのワインを取り寄せてジョッキークラブに献上したことで人気が復活したのである。

1784年のクラレットステークスは、登録料が200ギニーで出走馬が6頭（さらに直前取消が1頭）いるから、優勝賞金は少なくとも1200ギニーあった、ということは前年のダービーよりも高額賞金だということになる。クラレットSには特殊な取り決めがあって、1着馬には優勝賞金が与えられるが、クラレット葡萄酒を大樽で2本、2着馬の馬主に進呈する義務があった。これは相当な金額になるそうで、ちょっとした大レースの優勝賞金に匹敵する出費になったそうだ。

次に5月の開催で100ギニーを賭けて1マイルのマッチレースをやり、勝っている。負かした相手は1歳年上で、文献によって「Oliver」とか「Oliver Cromwell」と記載されている。

サルトラムは秋のニューマーケット競馬場で3頭立てのステークス戦に出た。今とは違い、当時は多くのレースに固有名詞がないので、単に「スイープステークス」としか表記されず、なんとなーく価値の低い競走のようにみえるかもしれない。が、このレース、登録料はなんと500ギニー。たった3頭しか出走しないが、それで賞金総額が1500ギニーとなり、この年のダービーの優勝賞金よりも高い。よほど自信がないと出走しないのではなかろうか。そして相手はお馴染みの[[Balance|バランス]]と[[Ronaldo|ロナルド]]だ。どちらもサルトラムとは勝ったり負けたりしている間柄だが、今回はサルトラムだけが7ポンド（約3.2キロ）も斤量が軽い。これはいける・・・と2.25倍の本命に支持されたのだが、2着に負けた。

{{Template:NWL-GB10old
| 西暦 = 1784
| 月日 = {{0}}4.12
| 曜 = 月
| 競馬場 = [[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]〈春季第一開催〉
| レース名 = [[クラレットS]]
| racename = Claret Staked of 200gs each
| 賞金 = 
| 賞品 = 
| 芝ダ障 = 芝
| コース = Duke's Course
| 距離f = 4M 184Y
| 距離m = 6606
| 1着順 = 1
| 1着馬主 = Duke of Queensberry
| 1着color = b
| 1着毛 = 鹿毛
| 1着性 = 牡
| 1着齢 = 4
| 1着馬 = [[Gonzales]]
| 1着父 = [[Herod]]
| 1着st = 8
| 1着lbs = 7
| 1着斤lb = 119
| 1着kg = 54.0
| 1着odds = 9/4
| 1着倍率 = 3.25
| 2着順 = 2
| 2着馬主 = Lord Grosvenor
| 2着color = b
| 2着毛 = 鹿毛
| 2着性 = 牡
| 2着齢 = 4
| 2着馬 = Balance
| 2着父 = [[Herod]]
| 2着st = 8
| 2着lbs = 7
| 2着斤lb = 119
| 2着kg = 54.0
| 2着odds = 5/2
| 2着倍率 = 3.5
| 3着順 = 3
| 3着馬主 = Lord Boringdon 
| 3着color = br
| 3着毛 = 黒鹿毛
| 3着性 = 牡
| 3着齢 = 4
| 3着馬 = [[Saltram]]
| 3着父 = [[Eclipse]]
| 3着st = 8
| 3着lbs = 7
| 3着斤lb = 119
| 3着kg = 54.0
| 3着odds = 3/1
| 3着倍率 = 4.0
| 4着順 = 4
| 4着馬主 = Lord Foley 
| 4着color = ch
| 4着毛 = 栗毛
| 4着性 = 牡
| 4着齢 = 4
| 4着馬 = [[Rinaldo]]
| 4着父 = [[Trentham]]
| 4着st = 8
| 4着lbs = 7
| 4着斤lb = 119
| 4着kg = 54.0
| 4着odds = 
| 4着倍率 = 
| 5着順 = 
| 5着馬主 = カンバーランド公爵殿下 
| 5着color = 
| 5着毛 = 
| 5着性 = 牡
| 5着齢 = 4
| 5着馬 = Chance
| 5着父 = [[Javelin]]
| 5着st = 8
| 5着lbs = 7
| 5着斤lb = 119
| 5着kg = 54.0
| 5着odds = 
| 5着倍率 = 
| 6着順 = 
| 6着馬主 = Mr.Douglas
| 6着color = 
| 6着毛 = 
| 6着性 = 牡
| 6着齢 = 4
| 6着馬 = 名無し
| 6着父 = [[Justice]]
| 6着st = 
| 6着lbs = 
| 6着斤lb = 
| 6着kg = 
| 6着odds = 
| 6着倍率 = 
| 7着順 = 消
| 7着馬主 = Sir C.Bunbury
| 7着color = 
| 7着毛 = 
| 7着性 = 牡
| 7着齢 = 4
| 7着馬 = Tityrus
| 7着父 = [[Alexis]]
| 7着st = 
| 7着lbs = 
| 7着斤lb = 
| 7着kg = 
| 7着odds = 
| 7着倍率 = 
| 備考 = 
}}
{{Template:NWL-GB5old
| 西暦 = 1784
| 月日 = {{0}}5.{{0}}7
| 曜 = 土
| 競馬場 = [[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]〈2nd Spring Meeting〉
| レース名 = マッチレース
| racename = match
| 賞金 = 100ギニー
| 賞品 = 
| 芝ダ障 = 芝
| コース = Rowley Mile
| 距離f = 1m 1yds
| 距離m = 1610
| 1着順 = 勝
| 1着馬主 = Lord Boringdon
| 1着color = br
| 1着毛 = 黒鹿毛
| 1着性 = 牡
| 1着齢 = 4
| 1着馬 = [[Saltram]]
| 1着父 = [[Eclipse]]
| 1着st = 8
| 1着lbs = 
| 1着斤lb = 112
| 1着kg = 50.8
| 1着odds = 5/4
| 1着倍率 = 2.25
| 2着順 = 負
| 2着馬主 = Lord Foley
| 2着color = br
| 2着毛 = 黒鹿毛
| 2着性 = 牡
| 2着齢 = 5
| 2着馬 = Oliver
| 2着父 = 
| 2着st = 8
| 2着lbs = 
| 2着斤lb = 112
| 2着kg = 50.8
| 2着odds = 
| 2着倍率 = 
| 備考 = 
}}
{{Template:NWL-GB5old
| 西暦 = 1874
| 月日 = 10.{{0}}5
| 曜 = 火
| 競馬場 = [[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]〈1st October Meeting〉
| レース名 = ステークス
| racename = Sweepstakes of 500gs each
| 賞金 = 1500ギニー
| 賞品 = 
| 芝ダ障 = 芝
| コース = Beacon Course
| 距離f = 4 m 1 f 138 yds
| 距離m = 6765
| 1着順 = 1
| 1着馬主 = Lord Grosvenor
| 1着color = b
| 1着毛 = 鹿毛
| 1着性 = 牡
| 1着齢 = 
| 1着馬 = [[Balance]]
| 1着父 = [[Herod]]
| 1着st = 8
| 1着lbs = 7
| 1着斤lb = 119
| 1着kg = 54.0
| 1着odds = 
| 1着倍率 = 
| 2着順 = 2
| 2着馬主 = Lord Boringdon
| 2着color = b
| 2着毛 = 黒鹿毛
| 2着性 = 牡
| 2着齢 = 4
| 2着馬 = [[Saltram]]
| 2着父 = [[Eclipse]]
| 2着st = 8
| 2着lbs = 
| 2着斤lb = 112
| 2着kg = 50.8
| 2着odds = 5/4
| 2着倍率 = 2.25
| 3着順 = 3
| 3着馬主 = Lord Egremont
| 3着color = ch
| 3着毛 = 栗毛
| 3着性 = 牡
| 3着齢 = 4
| 3着馬 = [[Rinaldo]]
| 3着父 = [[Trentham]]
| 3着st = 8
| 3着lbs = 7
| 3着斤lb = 119
| 3着kg = 54.0
| 3着odds = 
| 3着倍率 = 
| 備考 = 
}}

===5歳時（1785年）===
1784年のシーズンのあと、[[ジョージ4世|ウェールズ公ジョージ王太子殿下]]がサルトラムを買収した。当時ジョージ王子は22歳。馬主として<ruby>競馬会<rt>ジョッキークラブ</rt></ruby>の会員になれるのは21歳になってからなので、まだ本当に馬主になりたてだった。ご存知のように、ジョージ王子は21歳になった瞬間から競馬にのめり込み、国費から王子に与えられる王室費を競走馬購入につぎ込んですぐにスッカラカンになった。サルトラム購入もその一環であった。

1785年、王室の勝負服での初出走は3月末の[[古クレイヴンS|クレイヴンステークス]]である。この「クレイヴンステークス」は、現在の3歳戦とは全く違う。本サイトでは「古クレイヴンS」としてある。もともと「クレイヴン」というのは競馬界に多大な功績のあった[[第6代クレイヴン男爵]]を記念して命名されたもので、ニューマーケット競馬場以外でも多くの競馬場で、春の平地競馬シーズン開幕の開催でクレイヴン男爵の名を冠した開催や競走が行われている。

当時は今とは馬齢の数え方が違う。5月1日に馬齢を+1歳することになっている。そのため当時の競走成績書には、サルトラムは「4歳」と書かれているのだが、これは現在の5歳にあたる。

サルトラムはこの年緒戦の古クレイヴンステークスでダンガノンに敗れて2着に終わった。しかし次走、4月アタマのステークス戦を勝ち、王太子に賞金600ギニーをもたらした。このとき負かした[[カンテイター|Cantator]]という馬は、チャンピオンサイヤーの[[Trumpator]]の全兄である。

この勝利がサルトラムの競走馬としての最後のレースになった。この後、サルトラムは王太子殿下の私設牧場で種牡馬となった。

{{Template:NWL-GB5old
| 西暦 = 1785
| 月日 = {{0}}3.26
| 曜 = 土
| 競馬場 = [[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]〈1st Spring Meeting〉
| レース名 = クレイヴンS
| racename = The Craven Stakes of 10gs each
| 賞金 = 
| 賞品 = 
| 芝ダ障 = 芝
| コース = Across the Flat
| 距離f = 1 m 2 f 44yds 
| 距離m = 2052
| 1着順 = 1
| 1着馬主 = [[デニス・オケリー]]
| 1着color = b
| 1着毛 = 鹿毛
| 1着性 = 牡
| 1着齢 = 5
| 1着馬 = [[Dungannon]]
| 1着父 = [[Eclipse]]
| 1着st = 8
| 1着lbs = 9
| 1着斤lb = 
| 1着kg = 
| 1着odds = 5/4
| 1着倍率 = 2.25
| 2着順 = 2
| 2着馬主 = [[ジョージ4世|ジョージ王太子殿下]]
| 2着color = b
| 2着毛 = 黒鹿毛
| 2着性 = 牡
| 2着齢 = 5
| 2着馬 = [[Saltram]]
| 2着父 = [[Eclipse]]
| 2着st = 8
| 2着lbs = 9
| 2着斤lb = 
| 2着kg = 
| 2着odds = 8/1
| 2着倍率 = 9.0
| 3着順 = 3
| 3着馬主 = Mr.Wentworth
| 3着color = b
| 3着毛 = 鹿毛
| 3着性 = 牝
| 3着齢 = 6
| 3着馬 = Mayfly
| 3着父 = [[Carabineer]]
| 3着st = 
| 3着lbs = 
| 3着斤lb = 
| 3着kg = 
| 3着odds = 
| 3着倍率 = 
| 4着順 = 4
| 4着馬主 = Mr.Bullock
| 4着color = b
| 4着毛 = 鹿毛
| 4着性 = 牡
| 4着齢 = 6
| 4着馬 = Plutus
| 4着父 = [[Eclipse]]
| 4着st = 9
| 4着lbs = 5
| 4着斤lb = 
| 4着kg = 
| 4着odds = 5/1
| 4着倍率 = 6.0
| 5着順 = 
| 5着馬主 = 
| 5着color = 
| 5着毛 = 
| 5着性 = 
| 5着齢 = 
| 5着馬 = 
| 5着父 = 
| 5着st = 
| 5着lbs = 
| 5着斤lb = 
| 5着kg = 
| 5着odds = 
| 5着倍率 = 
| 備考 = ほか8頭。当時の規定では馬齢は5月1日に+1歳されるため、競走成績書に書かれている馬齢は上記よりも1歳若い。
}}
{{Template:NWL-GB5old
| 西暦 = 1785
| 月日 = {{0}}4.{{0}}2
| 曜 = 土
| 競馬場 = [[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]〈1st Spring Meeting〉
| レース名 = ステークス戦
| racename = Sweepstakes of 200gs each
| 賞金 = 600ギニー
| 賞品 = 
| 芝ダ障 = 芝
| コース = Abingdon Mile
| 距離f = 7 f 211 yds
| 距離m = 1601
| 1着順 = 1
| 1着馬主 = [[ジョージ4世|ジョージ王太子殿下]]
| 1着color = b
| 1着毛 = 黒鹿毛
| 1着性 = 牡
| 1着齢 = 5
| 1着馬 = [[Saltram]]
| 1着父 = [[Eclipse]]
| 1着st = 8
| 1着lbs = 6
| 1着斤lb = 118
| 1着kg = 53.5
| 1着odds = 1/1
| 1着倍率 = 2.0
| 2着順 = 2
| 2着馬主 = [[初代クラーモント伯爵]]
| 2着color = 
| 2着毛 = 
| 2着性 = 
| 2着齢 = 
| 2着馬 = Cantator
| 2着父 = [[Conductor]]
| 2着st = 7
| 2着lbs = 2
| 2着斤lb = 100
| 2着kg = 45.4
| 2着odds = 
| 2着倍率 = 
| 3着順 = 消
| 3着馬主 = Mr.Wyndham
| 3着color = 
| 3着毛 = 
| 3着性 = 
| 3着齢 = 長
| 3着馬 = Fortitude
| 3着父 = [[Young Marsk]]
| 3着st = 8
| 3着lbs = 6
| 3着斤lb = 118
| 3着kg = 53.5
| 3着odds = 
| 3着倍率 = 
| 備考 = 
}}

===戦績表===
{| class=Wikitable style="border-bottom:1px dotted #222;"
|- style="border-bottom:1px solid;"
|年||colspan=2|　月日||　競馬場||レース名||着順||colspan=3|距離（ハロン）||　換算値
|- 
|1783||?||?||　[[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]　||ステークス||style="text-align:center;"|'''1'''||1 m||2 f||{{0}}44 yds||　2052 m
|- 
| ||?||?||　[[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]||[[カンバランドS]]||style="text-align:center;"|2||1 m||2 f||{{0}}44 yds||　2052 m
|-
| ||.{{0}}5||.29||　[[エプソム競馬場|Epsom]]||[[英ダービー|ダービー]]||style="text-align:center;"|'''1'''||1 m||　||　||　1609 m
|-
| ||?||?||　[[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]||マッチレース||style="text-align:center;"|不戦勝||2 m||　||{{0}}97 yds||　3307 m
|- 
|1784||.{{0}}4||.12 ||　[[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]　||[[クラレットS]]||style="text-align:center;"|3||4 m||　||184 yds||　6606 m
|-
| ||.{{0}}5||.{{0}}7 ||　[[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]||マッチレース||style="text-align:center;"|勝||1 m||　||{{0|00}}1 yds||　1610 m
|- 
|　||.10||.{{0}}5||　[[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]　||ステークス||style="text-align:center;"|2||4 m||1 f||138 yds||　6765 m
|- 
|1785||.{{0}}3||.26 ||　[[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]　||[[古クレイヴンS]]||style="text-align:center;"|2||1 m||2f||{{0}}44 yds||　2052 m
|- 
|　||.{{0}}4||.{{0}}2||　[[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]　||ステークス||style="text-align:center;"|'''1'''||　||7 f||211 yds||　1601 m
|}

==種牡馬として==
===英国時代===
サルトラムは1785年の春に引退し、ウェールズ公ジョージ王太子殿下の個人牧場で、1788年までの4シーズンにわたりプライベート種牡馬として供用された。この間の主な産駒は[[Whiskey|ウィスキー]]である。ウィスキーはいくつかのステークス戦を含む10勝をあげ、種牡馬になるとダービー・オークス優勝の二冠牝馬[[Eleanor|エレノア]]や、オークス馬[[Pelisse|ペリース]]を出した。

このあとサルトラムは売りに出された。その後10シーズンのあいだ、イングランドのあちこちを転々とすることになる。主な繋養地として伝わっている場所としては、ハートフォードシャーのTringに近いAston Clinton、サリー州Suttonに近いCarshalton、それからロンドンのHayne's Livery Stableなど。

===米国へ渡る===
1799年にサルトラムが売りに出された。ロシア人とアメリカ人が競り合って、結局アメリカ人が落札した。購入したのはウィリアム・ライトフットという牧場主である。ライトフットはバージニア州チャールズシティ郡の地主で、所有牧場はサンディ・ポイント牧場（Sandy Point stud）という。サルトラムはここで1802年に死ぬまで、種牡馬として供用された。

供用期間は長いとは言えず、サルトラムの<ruby>父系<rt>メールライン</rt></ruby>は残らなかった。しかしサルトラムが残した牝馬は、アメリカ競馬史における最も重要なサラブレッド名馬の血統表に名を残した。すなわち、45戦40勝の名馬[[Boston|ボストン]]の「父の母の父」がサルトラムである。さらにボストンは伝説的名馬[[Lexington|レキシントン]]を出し、レキシントンがアメリカで種牡馬チャンピオン16回と大成功したことで、サルトラムの血はアメリカ血統に広がったのだった。

このほかイギリス時代の産駒のうち、[[Whip|ウイップ]]と[[Oscar|オスカー]]もアメリカに輸出されて、数代にわたって続いた。こちらも母の父としても成功し、とりわけオスカー牝馬の[[Blackghost|ブラックゴースト]]は「ヴァージニア州で最良の牝馬」と呼ばれた。

サルトラムを母の父とするアメリカ産馬ということでは、もう1頭話題の馬がいる。「[[Tennessee Oscar|オスカー]]」という牡馬で、田舎競馬とみなされていたテネシー州で全勝無敗の大活躍をした。19世紀前半の文献では、「テネシー州史上最強馬」と紹介されている。イギリス時代の産駒オスカーと区別するため、ふつうは「[[Tennessee Oscar|テネシーオスカー]]」と呼ばれる。だが当時から、本当に母の父がサルトラムであるかどうかについて疑惑が持たれていたという。

===父系概略図===
※父系馬鹿より
:[[Saltram]]　1780
:｜St. Paul　1789
:｜Black Sultan　1795
:｜[[Whiskey]]　1789
:｜｜[[Young Whiskey]]　1801
:｜｜｜Usquebauch　18 - -
:｜｜｜｜King of the Valley　1821
:｜｜[[Pioneer]]　1804
:｜｜｜Rous' Emigrant　1822
:｜｜｜｜Zohrab　1832
:｜｜｜｜Colonel　1833
:｜｜｜｜｜Will-o-the-Wisp　1840
:｜｜｜｜Gohanna　1834
:｜｜[[Juniper]]　1805
:｜｜｜Oscar　1820
:｜｜[[Marmion]]　1806
:｜｜｜Jack Spigot　1818
:｜｜｜Herald　1819
:｜[[Aston]]　1790
:｜｜Bryan Olynn　1796
:｜[[Royalist]]　1790
:｜｜Perfection　1800
:｜｜Robin Grey　1805
:｜｜Pitt's Ball　1810
:｜[[Whip]]　1794
:｜｜Badgers Hickory　1804
:｜｜｜Sir Walter　1817
:｜｜｜Mendoza　1818
:｜｜｜Nye's Hickory　1820
:｜｜｜｜Pettinger's Hickory　1835
:｜｜[[Blackburn's Whip]]　1805
:｜｜｜Tiger　1812
:｜｜｜｜Harrison's Tiger　1820
:｜｜｜｜｜Tecumseh　1830
:｜｜｜｜Willoughby's Whip　1820
:｜｜｜｜Buford's Alexander　1823
:｜｜｜Whipster　1815
:｜｜｜Harris Paragon　1819
:｜｜｜Cannon Whip　1820
:｜｜｜Superior　1823
:｜｜｜Short Whip　1824
:｜｜｜｜Harry Bluff　1840
:｜｜｜Hickory　1825
:｜｜｜Jim Hickory　1827
:｜｜｜Truxton　1828
:｜｜｜｜Young Selim　1835
:｜[[Oscar]]　1795

====TEST====
あ
あ
あ




{| style="width:830px;line-height:95%;"
|- 
|{{BT1|[[Saltram]]}}　……………………………………<br>｜<br>｜||　||style="width:20px;"|牡<br><br>||style="width:40px;"|1780<br><br>||style="width:40px;"|USA<br><br>||style="width:400px;"|{{BT1|[[英ダービー]]}}（1784年）、{{BT1|[[英ダービー]]}}（1784年）、{{BT1|[[英ダービー]]}}（1784年）、{{BT1|[[英ダービー]]}}（1784年）、{{BT1|[[英ダービー]]}}（1784年）
|-
|｜St.Paul　……………………………||　||牡||1789||GB||
|-
|｜[[Whiskey]]　……………………………||　||牡||1789||GB||
|-
|｜｜[[Young Whiskey]]　…………………||　||牡||1801||　||
|-
|｜｜｜Usquebauch　…………………||　||牡||18??||　||
|-
|｜｜｜｜King of the Valley　………||　||牡||1821||　||
|-
|}

:[[Saltram]]　………………………………　牡　1780　GB：[[英ダービー]]（1784年）
:｜St. Paul　………………………………　牡　1789　GB
:｜Black Sultan　1795
:｜[[Whiskey]]　1789
:｜｜[[Young Whiskey]]　1801
:｜｜｜Usquebauch　18 - -
:｜｜｜｜King of the Valley　1821
:｜｜[[Pioneer]]　1804
:｜｜｜Rous' Emigrant　1822
:｜｜｜｜Zohrab　1832
:｜｜｜｜Colonel　1833
:｜｜｜｜｜Will-o-the-Wisp　1840
:｜｜｜｜Gohanna　1834
:｜｜[[Juniper]]　1805
:｜｜｜Oscar　1820
:｜｜[[Marmion]]　1806
:｜｜｜Jack Spigot　1818
:｜｜｜Herald　1819
:｜[[Aston]]　1790
:｜｜Bryan Olynn　1796
:｜[[Royalist]]　1790
:｜｜Perfection　1800
:｜｜Robin Grey　1805
:｜｜Pitt's Ball　1810
:｜[[Whip]]　1794
:｜｜Badgers Hickory　1804
:｜｜｜Sir Walter　1817
:｜｜｜Mendoza　1818
:｜｜｜Nye's Hickory　1820
:｜｜｜｜Pettinger's Hickory　1835
:｜｜[[Blackburn's Whip]]　1805
:｜｜｜Tiger　1812
:｜｜｜｜Harrison's Tiger　1820
:｜｜｜｜｜Tecumseh　1830
:｜｜｜｜Willoughby's Whip　1820
:｜｜｜｜Buford's Alexander　1823
:｜｜｜Whipster　1815
:｜｜｜Harris Paragon　1819
:｜｜｜Cannon Whip　1820
:｜｜｜Superior　1823
:｜｜｜Short Whip　1824
:｜｜｜｜Harry Bluff　1840
:｜｜｜Hickory　1825
:｜｜｜Jim Hickory　1827
:｜｜｜Truxton　1828
:｜｜｜｜Young Selim　1835
:｜[[Oscar]]　1795

===詳細父系===
*[[Template:父サルトラム系]]

===産駒===
馬主と主な産駒
*Mr.Dymock
:*Tiffany
*[[ジョージ4世|ジョージ王太子殿下]]
:*Caroline
:*St.David
:*Queen of Sheba
:*[[Whiskey]]
*Lord Grosvenor
:*Sylph
*Duke of York
:*Laurustma
:*sister to Laurustina
:*Rose
:*Spank-a-way
*Duke of Bedford
:*Sprightly
*[[初代クラーモント伯爵]]
:*Sweeper
*Mr.Bullock
:*Royalist
*Mr.Turner
:*General
:*Oscar
:*Henrietta
*Mr.Broadhurst
:*Clytus
*Mr.Rutter
:*Coal-Merchant
*Mr.Dilly
:*General
*Mr.Wyndham
:*Tearcoat
*Mr.Delme
:*Peeping Tom
*Sir H.Williamson
:*Septem
*Mr.Hyde
:*Comer
*Mr.Durand
:*Whip

==1==
===tb===
Saltram br c 1780 (Eclipse - Virago, by Snap). Sire Line Eclipse. Family 7.

Bred by General John Parker (1735-1788, later 1st Baron Boringdon), of Saltram, near Plympton, Devon, who also bred his dam, he was a full sister to the Oaks winner Annette (b f 1784). He stood 15 hands 3 inches and was described as elegant and highly formed although missing one eye. He won four of his eight starts during a three year turf career.

生産者はGeneral John Parker (1735-1788, later 1st Baron Boringdon)。デボン州のPlymptonに近い Saltramの領主。

Saltramの母馬もJPの生産馬である。Saltramの全妹にはオークス馬のAnnetteがいる。

Saltramは、体高15.3ハンド。「エレガントで背の高い馬」と評される。隻眼だった。3年間の現役生活で8戦4勝。

====
====
==外部リンク==
*{{TH}}[http://www.tbheritage.com/HistoricSires/FoundationSires/FoundSiresS.html#Saltram Saltram]
*{{TB}}[https://www.bloodlines.net/TB/Bios/Saltram.htm Saltram]
*{{GS}}[http://www.galopp-sieger.de/galoppsieger/pferd_html?pschl=SaltramEclipse Saltram]
*{{PO}}[https://www.pedigreequery.com/saltram Saltram]
*[[:en:Saltram (horse)]]
*[[:w:サルトラム]]

==カテゴリー==
{{DEFAULTSORT:Saltram}}
[[Category:イギリスの競走馬]]
[[Category:1780年生|英]]