Selaby Turkのソースを表示

{{Selaby Turk}}

{{Template:始祖δs1
|name =Selaby Turk
|和 =セラビーターク
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|異name1 =Marshall Turk
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|供用歴1 =[[ハンプトンコート王室牧場]]？
|供用歴1年 =1699？-
|供用歴2 =ダラム州セラビー
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}}

==『英国サラブレッド血統書』に基づく公式情報==
===第３版（１８２７年）===
{| style="width:830px;margin:1em;line-height:2.0em;"
|-
|style="width:510px;vertical-align:top;"|　1827年に更新された『[[英国サラブレッド血統書]]』第１巻第３版には次のように書かれている。

{| style="margin-left: auto;margin-right: auto;width:400px;padding:1.0em;border:solid 1px #00546b;color:#00546b;font-style:italic;" 
|-
|The [[MARSHALL TURK|MARSHALL]] , or [[SELABY TURK]] , was the property of Mr Marshall's brother, stud-master to King William, Queen Anne, and King George the First.  He got the [[Curwen Old Spot]], the dam of [[Windham]], the dam of the Derby Ticklepitcher, and great grandam of the Bolton Sloven and Fearought.

　　―『General Stud Book』第１巻第３版
|-
|（訳）[[マーシャルターク]]またの名を[[セラビーターク]]は、マーシャル氏（Mr Marshall）の兄弟の所有馬である。この人物は、英国王ウィリアム３世・女王アン・英国王ジョージ１世の厩舎長だった。産駒には[[Curwen Old Spot]]、[[Windham]]の母馬、 Derby Ticklepitcherの母馬、そしてBolton SlovenやFearnoughtの曾祖母がいる。
|}
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|-
|-
|style="width:510px;vertical-align:top;"|

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|style="vertical-align:top;"|　　

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|-

|}

===第５版（１８９１年）===
{| style="width:830px;margin:1em;line-height:2.0em;"
|-
|style="width:510px;vertical-align:top;"|　1891年に更新された『[[英国サラブレッド血統書]]』第１巻第５版（最終版）には次のように書かれている。

{| style="margin-left: auto;margin-right: auto;width:400px;padding:1.0em;border:solid 1px #00546b;color:#00546b;font-style:italic;" 
|-
|The [[MARSHALL TURK|MARSHALL]] , or [[SELABY TURK]] , was the property of Mr Marshall's brother, stud-master to King William, Queen Anne, and King George the First.  He got the [[Curwen Old Spot]], the dam of [[Windham]], the dam of the ''Derby Ticklepitcher'', and great grandam of the Bolton Sloven and Fearought.

　　―『General Stud Book』第１巻第５版
|-
|（訳）[[マーシャルターク]]またの名を[[セラビーターク]]は、マーシャル氏（Mr Marshall）の兄弟の所有馬である。この人物は、英国王ウィリアム３世・女王アン・英国王ジョージ１世の厩舎長だった。産駒には[[Curwen Old Spot]]、[[Windham]]の母馬、 Derby Ticklepitcherの母馬、そしてBolton SlovenやFearnoughtの曾祖母がいる。

|}
|style="font-size:0.5em;line-height:1.8em;vertical-align:top;"|　　
|-
|-
|style="width:510px;vertical-align:top;"| 第３版と比較してテキストに変化はない。「Derby Ticklepitcher」が斜体になっている点だけが異なる。
|-
|style="vertical-align:top;"|　　

|style="font-size:0.5em;line-height:1.8em;vertical-align:top;"|　
|-

|}

==解説==
セラビータークについては不明瞭な点が多く、詳しいことや正確なことは判然としない。同じ名前の馬が2頭いたかもしれない、とも推定されている。

===ハンプトンコート王室牧場による輸入種牡馬？===
{| style="float:right;width:300px;margin-left:1em;background-color:rgba( 255, 255, 255, 0.25 )"
|-
|[[ファイル:Selaby Turk Map.png|300px|link=]]
|-style="font-size:0.8em;color:#2d3a49;"
|セラビー関係地図
|}
スチュアート王家では、王政復古によってチャールズ2世（在位：1660年 - 1685年）がイングランド王に即位し、競馬を再興した。ところが後を継いだジェームズ2世はカトリック信者で、プロテスタント系のイギリス国教会と激しく対立し、即位3年目の1688年に名誉革命が起きて追放されてしまう。そこで、チャールズ2世の姪だったメアリー2世がオランダの嫁ぎ先から呼び戻されて女王として即位した。このとき、夫であるオランダ総督（オランダ元首）ウィリアム3世（在位：1689年 - 1702年）も共同統治者としてイングランド王の座に就いた。

このウィリアム3世も競馬好きとして後世に名を残した。ウィリアム3世はハンプトンコートの宮殿に競走馬生産用の牧場を創設した。今の[[ハンプトンコート王室牧場]]だ。

これより以前、たとえばチャールズ2世の時代には、国王自ら競走馬を生産するということは行われていなかったらしい。「らしい」というのは、[[ロイヤルメア]]などのように「王室牧場が生産した馬」との口伝はあるものの、王室牧場の実在を示す証拠が全く見つかっていないから。判っているのは、チャールズ2世の時代には、ヨーク州の[[ダーシー家]]のように、王室に献上する競走馬を生産し、その対価を受け取っていた牧場があったということだ。

創設されたハンプトンコート王室牧場の牧場長を任されていたのがトマス・プレイン（Thomas Pulleine）なる人物だったそうだ。この人物はヨーク州北部のカールトンホール（Carlton Hall）を本拠にしていた馬産家だった。プレインはウィリアム3世の時代に1696年と1703年の2度、ヨーク州長官（High Sheriff）に任命されており、地元ではそれなりの名望家だったようだ。（High Sheriffというのは、任期１年の名誉職。地元の有力者が就任することが多かった。なおトマス・プレインは、息子も同姓同名のトマス・プレインらしく、牧場長を努めたのは父親のほう。

これまた詳しくはわからないのだが、トマス・プレインは1698年に牧場長を退き、リチャード・マーシャル（Richard Marshall、1659年 - 1728年）が場長となったらしい。両者を兄弟とする文献もあるがよくわからない。義兄弟かも。

マーシャルは、ヨーク州とダラム州の州境に接するセラビー村（Selaby）の地主である。州の境はティーズ川で、セラビーをティーズ川をはさんだヨーク州側はバーフォース村（Barforth）という。このバーフォースを所有していたのがバウチャー家（Bourchier）という大地主。バウチャー家はあちこちに広大な土地を持っており、ヨーク競馬場の主要なパトロンの一人だった。で、マーシャル家のギルバート・マーシャルの嫁がバウチャー家の娘であり、ギルバート・マーシャルとリチャード・マーシャルは兄弟だそうだ。

リチャード・マーシャルが王室牧場の場長に任命されたのはそうした背景があるそうだ。リチャード・マーシャルは、ウィリアム3世の名代として北アフリカに派遣され、名馬を漁りにいった。そして9頭の牡馬と5頭の牝馬を購入し、1699年にイギリスへ連れ帰った。

このとき輸入された馬のうち、数頭の名前は判明している。
*King William's White Barb Chillaby（牡馬）「ウィリアム王の白毛のバルブ馬チラビー号」（GSBに記載）
*King William's  Black Barb without-a-tongue（牡馬）「ウィリアム王の黒毛で舌無しのバルブ馬」
*Hampton Court Brown Barb（牡馬）「ハンプトンコート牧場の青鹿毛のバルブ馬」
*[[Hutton's Grey Barb]]（牡馬）「ハットン氏の芦毛のバルブ馬」
*Moonah Barb Mareの母馬（牝馬）

セラビータークも、このときの14頭のうちの1頭だという。

これらの輸入馬はひとまずニューマーケットにおかれたが、すぐにハンプトンコート王室牧場に移された。ウィリアム3世が崩御すると、王朝はドイツ系のハノーファー家に移り、ジョージ1世がドイツから迎えられた。リチャード・マーシャルは引き続きハンプトンコートの牧場を任されたそうだ。

===年代をめぐる謎===
この時代まで遡ると、ほとんどの馬が生年の記録がなく、詳しいことは判っていない。上述の口伝にしたがえば、セラビータークの導入は1699年ということになり、どんなに早くてもその産駒は1700年生まれということになる。

ところが、セラビータークの曾孫にあたる[[Mixbury Galloway]]は1704年頃の生まれと判っている。
*Selaby Turk
:*[[Curwen's Old Spot]]（牡）
::*Curwen Spot mare（牝）
:::*[[Mixbury Galloway]]（牡）1704年頃生まれ
:*Selaby Turk mare（牝）
::*[[Old Windham]]（牡）1704年頃生まれ

額面通り受け取ると、セラビータークからミクスベリーギャロウェーまで4シーズンで3代重ねたことになるが、これはいかにも非現実的だ。

さらに、セラビーターク産駒の[[Coppin mare]]の記録にもまた矛盾がある。
*Selaby Turk
:*[[Coppin mare]]（牝）1690年頃生まれ
::*Somerset mare（牝）1700年頃生まれ

こちらの記録にしたがえば、セラビータークは1689年頃には種牡馬として存在していたのでないとおかしい。（コッピンメアは、別の点でいわくつきの牝馬だ。似た名前の[[ロイヤルメア]]であるCoffin mareと混同があり、Coffin mare＝Coppin mareとする血統書があるのだ。しかし伝承が正しければ、Coffin mareは1649年の清教徒革命の際に略奪を恐れて王室牧場から秘匿され、1660年の王政復古のときに発見されたという牝馬で、1700年頃に産駒を産むような年齢であるはずがない。一説では、Coppin mareはCoffin mareの娘か孫だともいうが定かではない。）

これらの記録を考慮すると、セラビータークが1699年に導入されたというのとは辻褄が合わない。このため、もう1頭別の「セラビーターク」という種牡馬がいて、1680年代に活動していたのではないか、とする説もある。

===異説===
『ジェネラルスタッドブック』には、「セラビータークは、ジョン・マーシャル氏の所有で、その死後は、チェニー氏（Mr.Cheny）の助言によって、リチャード・マーシャルの所有となった」とだけ記載されている。

ジョン・マーシャルというのはリチャード・マーシャルの兄弟なんだそうだが、『ジェネラルスタッドブック』の話に従うならば、1699年にハンプトンコート王室牧場に導入されたセラビータークが、まもなくジョン・マーシャル所有になったはずである。

実際のところ、セラビータークの産駒と記録がある馬はすべて生産者がダラム州セラビーになっており、セラビータークがハンプトンコート王室牧場で種牡馬として繋養されていた可能性は低く、セラビーにあるマーシャルの牧場で繋養されていたのは間違いないだろうと推定されている。

==種牡馬として==
産駒には以下の馬がいる。
*[[Curwen's Old Spot]]　記録のあるセラビーターク産駒の牡馬としては唯一。[[Old Windham]]の母とは全兄弟との説がある。
*[[Coppin Mare]]　28号族　（「謎」にあるように、同名異馬の可能性あり）

母の父として以下の馬を出した。
*[[Mixbury Galloway]]や9号族の牝馬
*[[Old Windham]]（1704年頃）
*[[Hutton's Grey Barb]]

==父系==
===父系===
{{父Selaby Turk系}}
==父系テンプレート==
*[[Template:父Selaby Turk系]]

==リンク==
{{外部リンク馬
| JBISurl = 
| JBISname =
| THurl = https://www.tbheritage.com/HistoricSires/FoundationSires/FoundSiresS.html
| THname =Selaby (also Marshall) Turk
| BLurl = https://www.bloodlines.net/TB/Summaries/SelabyTurk.htm
| BLname =Selaby Turk
| bogusurl = http://p.bogus.jp/ped.php?id=950
| bogusname =Selaby Turk血統表
| 父系url = 
| 父系name =
| ENWPurl =
| ENWPname =
| JAWPurl =
| JAWPname =
| POurl = https://www.pedigreequery.com/selaby+turk
| POname =SELABY TURK
}}

==参考資料==
* William Pick,“<u>''Pedigrees and Performances of the most celebrated Race-Horses, part I''</u>”, W. Blanchard&Company, York, 1785.
* James Christie Whyte, Esq. ,“<u>''History of the British Turf : from the earliest period to the present day.:vol.I''</u>”, Henry Colburn , London, 1840.

==カテゴリー==
{{DEFAULTSORT:Selaby Turk}}
[[Category:イギリスの競走馬]]
[[Category:始祖]]