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{{Selim}}
__NOTOC__
　'''セリム'''（Selim）は1814年のイギリス種牡馬チャンピオンである。

　現役時代は（イギリス競馬史上最悪の馬主として知られる）イギリス皇太子（のちのジョージ4世）の持ち馬だった。全妹のブロンズ（[[Bronze]]）はオークス勝ち馬で、全弟のルーベンス（[[Rubens]]）も種牡馬チャンピオンになっている。

==血統==
{{五代血統表α
|name =Selim
|和=セリム
|主 = [[ジョージ4世|英国摂政王太子ジョージ・オーガスタス・フレデリック]]（のちのジョージ4世）<br>※ニューマーケット競馬場ではデルメ・ラドクリフ氏名義で出走。
|種 = サラブレッド
|年 = 1802
|性 = 牡馬
|毛 = 栗毛
|誕 = 1802
|死 = 1825
|国 = イギリス{{F-GB}}
|県 = 
|牧 = 　
|者 = General Sparrow
|調 = 　
|厩 = 
|厩地 = 
|f = [[Buzzard]]
|f毛=栗毛
|f年=1787
|m = [[Alexander mare]]
|m毛=鹿毛
|m年=1790
|ff = [[Woodpecker]]
|ff毛=栗毛
|ff年=1773
|fm = Misfortune
|fm毛=黒鹿毛
|fm年=1775
|mf = [[Alexander]]
|mf毛=栗毛
|mf年=1782
|mm = Highflyer mare
|mm毛=
|mm年=1780
|fff = {{×1|[[Herod]]}}
|ffm = Miss Ramsden
|fmf = [[Dux]]
|fmm = Curiosity
|mff = [[Eclipse]]
|mfm = Grecian Princess
|mmf = [[Highflyer]]
|mmm = Alfred mare
|ffff = [[Tartar]]
|fffm = Cypron
|ffmf = {{×3|[[Cade]]}}
|ffmm = Lonsdale Bay Arabian mare
|fmff = {{×6|[[Matchem]]}}
|fmfm = Duchess
|fmmf = [[Snap]]
|fmmm = Requlus mare
|mfff = [[Marske]]
|mffm = Spilletta
|mfmf = [[William's Forester]]
|mfmm = Coalition Colt mare
|mmff = {{×1|[[Herod]]}}
|mmfm = Rachel
|mmmf = [[Alfred]]
|mmmm = Engineer mare

|fffff = [[Partner]]
|ffffm = Meliora
|fffmf = [[Blaze]]
|fffmm = Selima
|ffmff = [[Godolphin Arabian]]
|ffmfm = Roxana
|ffmmf = 　
|ffmmm = Bay Bolton Mare
|fmfff = {{×3|[[Cade]]}}
|fmffm = Partner Mare
|fmfmf = [[Whitenose]]
|fmfmm = Miss Slamerkin
|fmmff = [[Snip]]
|fmmfm = Fox Mare
|fmmmf = {{×4|[[Requlus]]}}
|fmmmm = Bartlett's Childers mare
|mffff = [[Squirt]]
|mfffm = Blacklegs Hutton's mare
|mffmf = {{×4|[[Requlus]]}}
|mffmm = Mother Western
|mfmff = [[Croft's Forester]]
|mfmfm = Looby Mare
|mfmmf = [[Godolphin colt]]
|mfmmm = Bustard mare
|mmfff = [[Tartar]]
|mmffm = Cypron
|mmfmf = [[Blank]]
|mmfmm = Regulus mare
|mmmff = {{×6|[[Matchem]]}}
|mmmfm = Snap mare
|mmmmf = [[Engineer]]
|mmmmm = Cade mare
|FN = 2-n
|母系 = 
|初出 = 4
|終出 = 6
|戦 = 8(7)
|勝 = 5(6)
|勝備考 = 不戦勝が1鞍あり、これを含めると8戦6勝、含めなければ7戦5勝。
|タイトル = 
|鞍 = ニューマーケット・オートランドS2回、[[クレイヴンS]]　
|金 = 
|CS = 
|CJS = 
|CBMS = 
|駒 = 　
}}

=====血統背景と近親=====
セリムは、優秀な全兄弟妹がいる。兄[[Castrel]]と弟[[Rubens]]は種牡馬として成功し、妹のブロンズ（[[Bronze]]）はオークスに勝っている。父は[[Buzzard]]、母はアレクサンダーの牝駒（[[Alexander mare]]）である。

==馬主は「プリニー」こと英国皇太子（史上最悪の馬主）==
{| style="float:right;width:160px;background-color:rgba( 255, 255, 255, 0.25 );padding:10px;margin:10px;"
|[[ファイル:Prinny1814.png|160px|link=]]
|-
|1814年ごろのプリニー
|}

　セリムの馬主はイギリス皇太子である。しかもただの皇太子ではなく、1814年に3歳馬セリムを購入した時点で、皇太子は「<ruby>摂政<rt>リージェント</rt></ruby>」として事実上、国の長だった。父である国王ジョージ3世が心の病にかかっていたからである。ただしその病の原因は、皇太子自身にあったとも言われている。父を悩ませたのは皇太子の素行不良だったのだ。

　皇太子はとんでもない放蕩息子で、あちこちで勝手に借金をして贅沢品を買い漁った。その額は王宮財政を脅かすほどの嵩になり、父であり国王であるジョージ3世は、議会で頭を下げて借金の支払いのために国費を充てることを認めてもらった（が、その後も皇太子の浪費は続いた！）。皇太子は外国で美術品を収集してまわり（国の借金で）、国王ジョージ4世として即位した後も派手なパフォーマンスを好んだ。

　こうした行状から、ジョージ4世はイギリス近代史上最悪の国王、というのが定説である。ただし、近年はいくらか名誉回復の兆しもある。少なくともジョージ4世の審美眼は本物であり、彼が買い集めた（当時は無用の贅沢品と批難された）美術品は、今では英国の貴重なコレクションとなっている。

　競馬の世界では、皇太子は「最悪の馬主」として歴史にその悪名を刻んでいる。なにしろ英国競馬史上最悪の醜聞のひとつ、[[エスケープ号事件]]の首謀者である。皇太子はほかにも様々なインチキ行為に手を染めた。その結果として、ジョッキークラブから「ニューマーケット競馬場への出入り禁止」を言い渡された。

　当事者たちにはそんなつもりは無かっただろうけども、この出来事が現代競馬の基礎を作ったことになる。ジョッキークラブ自体は単なる同好会であり、なんにも法的な裏付けがない存在なのだが、国王に対してさえそんな命令を出せる、ということでジョッキークラブの権威が上がったのだ。そしてニューマーケットのジョッキークラブは世界の競馬の法を決める首府と認められるようになった。いまでも世界中の競馬の規則は、ニューマーケットのジョッキークラブの取り決めに則っている。

　話を<ruby>皇太子<rt>プリニー</rt></ruby>に戻すが、彼はニューマーケットに出禁になったあとも、競馬をやめたわけではない。ほかにいくらでも競馬場があったし。セリムはその頃の持ち馬である。セリムは皇太子の持ち馬として6勝をあげている。勝鞍のなかには[[ニューマーケット競馬場]]でオートランドS2回、[[クレイヴンS]]があり、ほかにいくつかのマッチレースを勝っている。

===馬主名義のこと===
{| style="float:right;width:340px;background-color:rgba( 255, 255, 255, 0.25 );padding:10px;margin:10px;"
|[[ファイル:Selim636.jpg|320px|link=]]
|-
|セリムの肖像
|-
|[[ファイル:PoWracingcalender1807.png|320px|link=]]
|-
|レーシングカレンダーに記載の皇太子殿下の所有馬。ニューマーケット競馬場ではラドクリフ氏の名義で出走している。
|}
　セリムは3歳で<ruby>皇太子ジョージ<rt>プリニー</rt></ruby>に購買された。が、この頃すでにプリニーはニューマーケット競馬場から出禁を食らっていたので、ニューマーケットの競馬に皇太子の（つまり王室の）服色で出走させるわけにはいかない。だから名義貸しが行われている。セリムはブライトン競馬場でのデビュー戦の後に「ラドクリフ氏」へ「売却」され、名義が変わったことになっている。この時代にはこうした「名義貸し」は当たり前のように行われていた。有名な例では、[[セントレジャー]]優勝馬の[[エリス]]は、実際には[[ジョージ・ベンティンク]]卿の持ち馬だったのは現代では常識だが、当時は公式にはリッチフィールド卿の持ち馬だった。だから、後世のいくつかの文献ではセリムはずっと皇太子の所有馬だったことになっている。

　当時のレーシングカレンダーの巻末には馬主と所有馬のリストが掲載されているのだが、ラドクリフ氏の欄は「皇太子殿下を参照」となっている。その皇太子殿下の項には所有馬として10頭の名が（本馬セリムのほかには、Orvilleなどの名前がある）並んでいて、本文を参照すると、これらはニューマーケット競馬上ではみなラドクリフ氏名義で出走している。例を挙げると、オーヴィル（Orville）という馬はこのシーズンに8戦しているのだが、春と秋のニューマーケット競馬場ではラドクリフ氏名義で、ブライトン競馬場とルイス競馬場では皇太子名義で出走している。また、レシーヴァー（Reciever）という馬はこのシーズンに2戦したのみで、そのどちらもニューマーケットでラドクリフ氏名義で出走しているのに、巻末では皇太子の所有馬になっている。

　このラドクリフ氏はいったい何者かというと、フルネームはエミリウス・ヘンリー・デルメ・ラドクリフ（Emilius Henry Delmé Radcliffe、1774 - 1832）といい、この前年（1805年）にヘレフォード<ruby>州<rt>シャー</rt></ruby>の<ruby>名誉州司<rt>ハイシェリフ</rt></ruby>を務めた人物である（任期は1年）。いわゆる庶民だが、母親が第4代カーライル伯爵の娘である。父方の何代か前の先祖がロンドンの銀行家であり、金はあるが位はない、ということで貴族の娘を嫁にもらったのだろうか。ラドクリフ氏は、のちに皇太子がジョージ4世として即位すると、<ruby>王室厩舎の主馬係<rt>Gentleman of the Horse</rt></ruby>に出世している。

===4歳時（1806年）2戦2勝===
　セリムの初出走したのは古馬になってからで、1806年7月末、[[ブライトン競馬場]]（Brighton Racecourse）の1マイル戦でデビューした。セリムはこのレースを勝って50ギニーを稼いでいる。皇太子は次のレースに別の持ち馬を出したが3着どまりで、メインレースのゴールドカップでは皇太子が優勝杯を提供しているので、一日の収支としてはマイナスだっただろう。

　セリムはラドクリフ氏の名義で、ニューマーケット競馬場のオクトーバー開催で行われたオクトーバーオートランズステークス第一部（1マイル）に出た。これを本命で勝ち、2戦2勝としてこのシーズンを終えている。このレースがどんなレースなのかはよくわからない。2日後に「オクトーバーオートランズステークス第二部」というのが行われていて、こちらはディッチ・マイルコースで施行されている。よくわからないが何かしらの関連はあるようで、どちらかのレースに登録していて取り消した馬がいた場合、その登録料は「第一部」と「第二部」の勝ち馬の馬主で山分けするということになっている。「オートランズ」という地名自体は、中世のテューダー家とスチュワート家の王邸があった場所のこと。一般に「オートランズステークス」というと、[[アスコット金杯]]の前身として[[アスコット競馬場]]で行われていた大レースを思い浮かべるかもしれない。（皇太子はそっちのオートランズSに勝とうと必死だった。）

{{Template:GB-Res5
|年月日 = 1806.07.29
|競馬場 = [[ブライトン競馬場|ブライトヘルムストン競馬場]]
|レース名 = マッチレース
|racename = 
|格 = 
|賞金 = 50gs
|芝ダ障 = 芝
|重量方式 = 
|コース = last mileコース
|距離f = 1M
|距離m = 1609.34
|馬場状態 = 
|Going = 
|頭数 = 2
|着順 = '''1'''
|ストーン = 8st 3lbs
|lbs= 115
|Kg = 52.16
|騎手 = 
|1着馬 = [[Selim]]
|1着斤量 = 115
|勝時計 = 
|人気順 = 1
|オッズ = 6to4
|倍率 = 2.5
|2着馬 = Wormwood
|2着斤量 = 115
|着差 = 
|3着馬 = 
|3着斤量 = 
|3着着差 = 
|備考 = 
}}
{{Template:GB-Res5
|年月日 = 1806.10.15
|競馬場 = [[ニューマーケット競馬場]]
|レース名 = オクトーバーオートランズS第一部
|racename = the First Class of the October Oatlands S of 30gs each
|格 = 
|賞金 = 150gns（30gs×？subs）
|芝ダ障 = 芝
|重量方式 = 
|コース = ロウリーマイルコース
|距離f = 1M1yds
|距離m = 1610.25
|馬場状態 = 
|Going = 
|頭数 = 4
|着順 = '''1'''
|ストーン = 9st 2lbs
|lbs= 128
|Kg = 58.05
|騎手 = 
|1着馬 = [[Selim]]
|1着斤量 = 128
|勝時計 = 
|人気順 = 1
|オッズ = 7to4
|倍率 = 2.75
|2着馬 = Captain Absolute
|2着斤量 = 120
|着差 = 
|3着馬 = Lydia
|3着斤量 = 126
|3着着差 = 
|4着馬 = Deciever
|4着斤量 = 100
|4着差 = 
|5着馬 = 
|5着斤量 = 
|5着差 = 
|備考 = 
}}

===5歳時（1807年）===
　5歳（1807年）になったセリムは早春のニューマーケット・クレイヴン開催で登場、3月30日（月曜日）に[[クレイヴンS]]（約2050ｍ）を勝った。

　現代の[[クレイヴンS]]は3歳牡馬によるクラシック前哨戦で、日本風にいうと京成杯とか共同通信杯とかの位置づけである。だが、19世紀初頭のクレイヴンSは古馬も出走するレース（いわゆる古クレイヴンS）だった。そして下の記録を眺めると気がつくと思うのだが、記録上はこのときセリムは「4歳」となっている。実は当時のイギリスでは、5月1日に馬齢を1加算していたので、この「4歳」はいまでいう「5歳」にあたる。だから5着に「2歳」馬がいるが、これは今で言う3歳馬である。

　そのほか2着に[[ウォルトン]]([[Walton]])の名前があることに気づくだろう。これはあの19世紀初頭のチャンピオンサイアーのウォルトンである（同名異馬ではない）。このときウォルトンは既に8歳上、いわゆる「長齢（aged）」に達していた。ウォルトンはこのクレイヴンSを最後に現役を退いて種牡馬となる。クレイヴン開催は早春に行う「平地競走の幕開け」ではあったのだが、競走馬の世代でいうと「1シーズンの最後の開催」（この開催が終わると種付けシーズンが始まる）でもあったのだ。なお、ウォルトンはこの春に引退して種牡馬となり、早速種付けした初年度産駒からダービー馬ファントム（[[Phantom]]）が出る。

　セリムは10ハロンのクレイヴンSを勝った後に、同じ開催の5ハロンのプレート競走に出走しているが、2着に敗退している。（ステークス競走は馬主が納めた登録料が賞金となるので、出走させて敗れると馬主は損をすることになるのだが、プレート競走は主催者側が賞金を提供するので馬主は大した損はしない。）

　秋は200ギニーを賭けてフェルマー氏（Mr.Fermor）のHippomenesとのマッチレースが組まれていたが、相手方の対戦放棄により100ギニーを獲得している。（ふつう、この記録は「勝鞍」の数には加えない。）

　このあとシーズンの最後に、ニューマーケット競馬場の「オクトーバーオートランズS」の第三部に出走し、10ストーンを越える斤量を背負って優勝した。2着には同じ5歳牡馬のガイエティ（Gaiety）が入っているが、斤量差は34ポンド（約15kg）もある。ちなみにこのガイエティ、公式記録では「ウォリック・レイク氏（Mr.Warwick Lake）」の所有ということになっているが、これは実は<ruby>第二皇太子<rt>デューク・オブ・ヨーク</rt></ruby>フレデリック・オーガスタスの名義貸しであった。つまり実際には皇太子兄弟が1着と2着だったのである。
{{Template:GB-Res5
|年月日 = 1807.03.30
|競馬場 = [[ニューマーケット競馬場]]
|レース名 = [[クレイヴンS]]
|racename = Craven Stakes
|格 = 
|賞金 = 10gs×？subs
|芝ダ障 = 芝
|重量方式 = 馬齢
|コース = Across the Flatコース
|距離f = 1M2f44yds
|距離m = 2051.90
|性齢 = All Age
|Going = 
|馬場状態 = 
|頭数 = 11
|着順 = '''1'''
|ストーン = 8st 9lbs
|lbs= 121
|Kg = 54.88
|騎手 = 
|人気順 = 1
|オッズ = even or 5to4
|倍率 = 2.0 - 2.25
|1着馬 = [[Selim]] 4YO
|1着斤量 = 121
|勝時計 = 
|2着馬 = [[Walton]] AGED
|2着斤量 = 133
|2着差 = 
|3着馬 = Currycomb 4YO
|3着斤量 = 121
|3着差 = 
|4着馬 = Jerboa 3YO
|4着斤量 = 112
|4着差 = 
|5着馬 = Stripling 2YO
|5着斤量 = 80
|5着差 = 
|備考 = 
}}
{{Template:GB-Res5
|年月日 = 1807.04.01
|競馬場 = [[ニューマーケット競馬場]]
|レース名 = 一般プレート競走
|racename = Subscription Plate
|格 = 
|賞金 = 50£
|芝ダ障 = 芝
|重量方式 = 
|コース = TYCコース
|距離f = 5f136yds
|距離m = 1130.19
|性齢 = 
|Going = 
|馬場状態 = 
|頭数 = 9
|着順 = 2
|ストーン = 9st
|lbs= 126
|Kg = 57.15
|騎手 = 
|人気順 = 1
|オッズ = even or 6to5
|倍率 = 2.0 - 2.2
|1着馬 = Lydia 4YO
|1着斤量 = 126
|勝時計 = 
|2着馬 = Selim 4YO
|2着斤量 = 126
|2着差 = 
|3着馬 = Wormwood 4YO
|3着斤量 = 126
|3着差 = 
|4着馬 = Jamaica 3YO
|4着斤量 = 119
|4着差 = 
|5着馬 = 
|5着斤量 = 
|5着差 = 
|備考 = 
}}
{{Template:GB-Res5
|年月日 = 1807.10.01
|競馬場 = [[ニューマーケット競馬場]]
|レース名 = ヒポメネス号とのマッチレース
|racename = Match (Mr. Fermor's Hippomenes)
|格 = 
|賞金 = 100gns
|芝ダ障 = 
|重量方式 = 
|コース = アビントンマイル
|距離f = 7f211yds
|距離m = 1601.11
|性齢 = 
|Going = 
|馬場状態 = 
|頭数 = 2
|着順 = 不
|ストーン = 8st 3lb
|lbs= 112
|Kg = 50.806
|騎手 = 
|人気順 = 
|オッズ = 1/2
|倍率 = 3.0
|1着馬 = Selim
|1着斤量 = 112
|勝時計 = 
|2着馬 = 
|2着斤量 = 
|2着差 = 
|3着馬 = 
|3着斤量 = 
|3着差 = 
|4着馬 = 
|4着斤量 = 
|4着差 = 
|5着馬 = 
|5着斤量 = 
|5着差 = 
|備考 = 
}}
{{Template:GB-Res5
|年月日 = 1807.10.16
|競馬場 = [[ニューマーケット競馬場]]
|レース名 = オクトーバーオートランズS第三部
|racename = the Third Class of the October Oatlands Stakes
|格 = 
|賞金 = 30gn × ？subs
|芝ダ障 = 
|重量方式 = 
|コース = ディッチマイルコース
|距離f = 7f178yds
|距離m = 1570.93
|性齢 = 
|Going = 
|馬場状態 = 
|頭数 = 5
|着順 = '''1'''
|ストーン = 10st 3lb 
|lbs= 143
|Kg = 64.86
|騎手 = 
|人気順 = 
|オッズ = 6to4
|倍率 = 2.5
|1着馬 = [[Selim]]
|1着斤量 = 143
|勝時計 = 
|2着馬 = Gaiety
|2着斤量 = 109
|2着差 = 
|3着馬 = Captain Absolute
|3着斤量 = 114
|3着差 = 
|4着馬 = Swinley
|4着斤量 = 115
|4着差 = 
|5着馬 = Dreadnought
|5着斤量 = 116
|5着差 = 
|備考 = 
}}

===6歳時（1808年）===
　6歳になったセリムは、まず春にリディア号とのマッチレースを行っている。リディア号は前年のプレート競走で敗れた相手であり、その時と同じ5ハロンのコースという条件で、相手に1ストーン（＝14ポンド＝6.3kg）のハンデを与えているのだから相当自信があったのだろう。当時のレーシングカレンダーを見ると、ほとんどのレースがマッチレースである。たとえばこの4月21日は春のニューマーケット開催の最終日なのだが、全10鞍のうち、ステークス競走が1、プレート競走が1で、残りはマッチ戦となっている。

　このあと、セリムは「アーサー・シェイクスピア殿（Arthur Shakespear Esq.）」名義に変わっている。この人物についてはよくわからない。他の馬は引き続き「ラドクリフ氏」名義になっている。このシーズンに皇太子の名義になっているのは1頭だけで、その馬は「セリムの全弟（brother to Selim）」（のちのルーベンス（[[Rubens]]））である。シェイクスピア氏名義になったセリムは5月に第二皇太子が実質的なオーナーであるティムとのマッチレースをやって敗れている。しかしそれにしてもその時のセリムのハンデが11ストーン（約70kg）だ。対するティムの負担重量は「ちょっぴり（a feather）」となっている。

{{Template:GB-Res5
|年月日 = 1808.04.21
|競馬場 = [[ニューマーケット競馬場]]
|レース名 = リディア号とのマッチレース
|racename = Match（Mr.Andrew's Lydia）
|格 = 
|賞金 = 200gns
|芝ダ障 = 
|重量方式 = 
|コース = TYCコース
|距離f = 5f136yds
|距離m = 1130.19
|性齢 = 
|Going = 
|馬場状態 = 
|頭数 = 2
|着順 = '''1'''
|ストーン = 8st 7lb 
|lbs= 119
|Kg = 53.97
|騎手 = 
|人気順 = 1
|オッズ = 3/1
|倍率 = 1.33
|1着馬 = [[Selim]]
|1着斤量 = 119
|勝時計 = 
|2着馬 = [[Lydia]]
|2着斤量 = 105
|2着差 = 
|3着馬 = 
|3着斤量 = 
|3着差 = 
|4着馬 = 
|4着斤量 = 
|4着差 = 
|5着馬 = 
|5着斤量 = 
|5着差 = 
|備考 = 
}}
{{Template:GB-Res5
|年月日 = 1808.05.10
|競馬場 = [[ニューマーケット競馬場]]
|レース名 = ティム号とのマッチレース
|racename = Match（Mr.Lake's Tim）
|格 = 
|賞金 = 200gns
|芝ダ障 = 
|重量方式 = 
|コース = アビントンマイルコース
|距離f = 7f211yds
|距離m = 1601.11
|性齢 = 
|Going = 
|馬場状態 = 
|頭数 = 2
|着順 = 2
|ストーン = 11st 
|lbs= 154
|Kg = 69.85
|騎手 = 
|人気順 = 
|オッズ = 1/2
|倍率 = 3.0
|1着馬 = Tim
|1着斤量 = a feather
|勝時計 = 
|2着馬 = [[Selim]]
|2着斤量 = 154
|2着差 = 
|3着馬 = 
|3着斤量 = 
|3着差 = 
|4着馬 = 
|4着斤量 = 
|4着差 = 
|5着馬 = 
|5着斤量 = 
|5着差 = 
|備考 = 
}}

==種牡馬チャンピオンとなる==
{| style="float:right;background-color: rgba(255,255,255,0.33);width:340px;"
|- 
|<small>
【セリムを父とするクラシックホース】
*[[Medora]]　1811生　1814年[[オークス]]
*[[Selim filly|名無しの牝馬]]　1812生　1815年[[1000ギニー]]
*[[Azor]]　1814生　1817年[[ダービー]]
*[[Nicolo]]　1820生　1823年[[2000ギニー]]
*[[Turcoman]]　1824生　1827年2000ギニー
*[[Turquoise]]　1825生　1828年オークス
</small>
|-
|}
<ruby>皇太子<rt>プリニー</rt></ruby>が厩舎を解散させると、セリムはリー大佐（Colonel Leigh）に譲渡された。セリムは1809年にニューマーケット近郊のシックスマイルボトムにある牧場に繋養され、10ギニーの種付け料をとる種牡馬になった。翌1810年にはニューマーケットに移動、種付け料は20ギニーとなった。

この種牡馬供用2年目の産駒である[[Medora]]が1814年に[[オークス]]を制し、セリムは1814年のイギリス種牡馬チャンピオンとなった。翌年にも産駒が1000ギニーを制するが、[[Selim filly|この牝馬]]には名前がつけらておらず、「名無し馬」のままクラシックホースとして記録されている（この名無し牝馬は[[オークス]]で落馬転倒予後不良となった。）。その後はダービー馬[[Azor]]も登場、セリムの産駒は通算でクラシック6勝をあげた。

1819年頃になると、種付け料は10ギニーに戻った。1820年からはSir Hedworth Williamsonがニューマーケット近郊に持っていたオックスクロフト牧場（Oxcroft Farm）に移った。種付け料は12ギニーに設定されたが、のちに10ギニーに戻った。1825年の広告では、サフォーク州ハドリー（Hadleigh）に近いビルデストン（Bildeston）という場所の牧場にいることになっていて、種付け料は30ギニーにあがっている。しかし実際にはそこでは種付けはできなかったらしい。詳細はわからないが、セリムはこの1825年に23歳で殺処分になっている。

*[[Sultan]]
*[[Langar]]

==主要父系==
:'''Selim''' 1802
:｜'''[[Medora]]''' 牝 1811 '''[[オークス]]'''(1814年)
:｜'''[[Selim filly|名無しの牝馬]]''' 牝 1812 '''[[1000ギニー]]'''(1815年)
:｜'''[[Azor]]''' 1814 '''[[ダービー]]'''(1817年)
:｜[[Sultan]] 1816　'''英CS'''
:｜｜'''[[Green Mantle]]''' 1826　牝　'''[[オークス]]'''(1829年)
:｜｜'''[[Augustus]]''' 1827　'''[[2000ギニー]]'''(1830年)
:｜｜'''[[Galata]]''' 1829　牝　'''[[1000ギニー]]'''(1832年)、'''[[オークス]]'''(1832年)、'''[[アスコット金杯]]'''(1833年)
:｜｜'''[[Ibrahim]]''' 1832　'''[[2000ギニー]]'''(1835年)
:｜｜'''[[Bay Middleton]]''' 1833　'''[[2000ギニー]]'''(1836年)、'''[[ダービー]]'''(1836年)
:｜｜｜'''[[The Flying Dutchman]]''' 1846　'''[[ダービー]]'''(1849年)、'''[[セントレジャー]]'''(1849年)
:｜｜｜'''[[Andover ]]''' 1851　'''[[ダービー]]'''(1854年)
:｜｜'''[[Destiny]]''' 1833　牝　'''[[1000ギニー]]'''(1836年)
:｜｜'''[[Achmet]]''' 1834　'''[[2000ギニー]]'''(1837年)
:｜[[Langar]] 1817
:｜｜[[Stockport]] 1832
:｜｜｜[[Miss Elis]] 牝 1842 [[グッドウッドC]]、グッドウッドS
:｜｜'''[[Elis]]''' 1833 '''[[セントレジャー]]'''、[[モールコームS]]
:｜｜｜[[Lucy Banks]] ''f'' 1839 [[クレイヴンS]]、グッドウッドS
:｜｜｜Passion 1839 チェスターフィールドS
:｜｜｜[[Nutbourne]] 1842 [[モールコームS]]
:｜｜[[Epirus]] 1834
:｜｜｜'''[[Pyrrhus the First]]''' '''[[ダービー]]'''
:｜｜｜'''[[Pitsford]]''' '''[[2000ギニー]]'''
:｜｜｜[[Citadel]] [[ノーフォークS]]
:｜｜｜[[Little Harry]] [[アスコットS]]
:｜｜｜[[Ephesus]] [[ロイヤルハントC]]
:｜'''[[Nicolo]]''' 1820 '''[[2000ギニー]]'''(1823年)
:｜'''[[Turcoman]]''' 1824 '''[[2000ギニー]]'''(1827年)
:｜'''[[Turquoise]]''' 牝 1825 '''[[オークス]]'''(1828年)

==情報源==
===日本語サイト===
*[http://www.jbis.or.jp/horse/0000334897/ JBIS]
===外国語サイト===
*[http://www.galopp-sieger.de/galoppsieger/en/pferd_html?pschl=SelimBuzzard Gallop-Sieger]
*[http://www.equineline.com/Free-5X-Pedigree.cfm?page_state=ORDER_AND_CONFIRM&reference_number=5316309&registry=T&horse_name==Selim%20(GB)&dam_name==Alexander%20Mare%20(GB)&foaling_year=1802&nicking_stats_indicator=Y Equineline]

===日本語文献===
===英字文献===
*[http://www.bloodlines.net/TB/Bios/Selim.htm Throughbred Bloodline Selim]
*[http://www.tbheritage.com/Portraits/Sultan.html Throughbred Heritage Sultan]

==脚注==
===注釈===
<references group="†"/>

{{Reflist}}

==カテゴリー==
{{DEFAULTSORT:Selim}}
[[Category:イギリスの競走馬]]
[[Category:1802年生|英]]
[[Category:チャンピオンサイヤー|英]]
[[Category:セリム系|*]]
[[Category:プリニーの所有馬]]