Snapのソースを表示

{{Snap}}
<!--{| style="width:840px;background-color:rgba( 255, 255, 255, 0.25 )"
|[[ファイル:Snap circa1762-900.jpg|830px|link=]]
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|『ジェニソ・シャフト氏のスナップ号、馬丁はトマス・ジャクソン』[[ジョージ・スタッブス]]の作品（1762年頃）
|}-->

{{Template:五代血統表δx1
|画像 = [[ファイル:Snap circa1762-900.jpg|830px|link=]]
|画像cap = 『ジェニソン・シャフト氏のスナップ号、馬丁はトマス・ジャクソン』[[ジョージ・スタッブス]]の作品（1762年頃）
|見出し = 18世紀の英国チャンピオンサイヤー
|name = Snap
|和 = スナップ
|幼name1 = 
|血統名和1 = 
|前name1 = 
|前和1 = 
|前name2 = 
|前和2 = 
|地name1 = 
|地方名和1 = 
|異name1 = Old Snap
|異和1 = オールドスナップ
|異name2 = Routh's Snap
|異和2= ラウスズスナップ
|異name3 = Shafto's Snap
|異和3= シャフトズスナップ
|種name1 = 
|種牡名和1 = 
|繁name1 = 
|繁殖名和1 = 
|種 = サラブレッド
|年 = 1750
|性 = 牡
|color = brown/black
|毛 = 
|誕 = 1750
|死 = 1777
|国 = {{F-GB1707}}グレートブリテン王国
|県 = ヨーク州スネイプ（Snape）
|牧 = 
|者 = Cuthbert Routh（＆[[第2代ポートモア伯爵]]）
|調 = 
|厩 = 
|厩地 = 
|主 = [[ジェニソン・シャフト]] （→ [[第4代サンドウィッチ伯爵]]）→ロバート・シャフト（Robert Shafto）
|f= [[Snip]]
|f毛 = 黒鹿毛
|f年 = 1736
|f国 = GB
|m = Fox mare<br>（sister to Slipby）
|m毛 = 
|m年 = 1740
|m国 = GB
|ff = [[Flying Childers]]
|ff毛 = 鹿毛
|ff年 = 1715
|ff国 = GB
|fm = Basto mare
|fm毛 = 
|fm年 = 1711？
|fm国 = GB
|mf= [[Fox]]
|mf毛 = 鹿毛
|mf年 = 1714
|mf国 = GB
|mm = Gipsey
|mm毛 = 青毛
|mm年 = 1725
|mm国 = GB
|fff = [[Darley Arabian]]
|ffm = Betty Leedes
|fmf = [[Basto]]
|fmm = Curwen's Bay Barb mare
|mff= [[Clumsy]]
|mfm= {{×p1|Bay Peg}}
|mmf= [[Bay Bolton]]
|mmm= Newcastle Turk mare
|ffff = 　
|fffm = 　
|ffmf = [[Old Careless]]
|ffmm = Cream Cheeks
|fmff = {{×g2|[[Byerly Turk]]}}
|fmfm = {{×p1|Bay Peg}}
|fmmf = [[Curwen's Bay Barb]]
|fmmm = Curwen's Spot mare
|mfff = {{×w1|[[Hautboy]]}}
|mffm = Miss Darcy's Pet mare
|mfmf = {{×7|[[Leedes Arabian]]}}
|mfmm = Young Bald Peg
|mmff = [[Grey Hautboy]]
|mmfm = Makeless mare
|mmmf = [[Newcastle Turk]]
|mmmm = Byerley Turk mare
|fffff = 　
|ffffm = 　
|fffmf = 　
|fffmm = 　
|ffmff = Spanker　
|ffmfm = Barb mare
|ffmmf = {{×7|[[Leedes Arabian]]}}
|ffmmm = Spanker mare
|fmfff = 　
|fmffm = 　
|fmfmf = {{×7|[[Leedes Arabian]]}}
|fmfmm = Young Bald Peg
|fmmff = 　
|fmmfm = 　
|fmmmf = [[Curwen's Old Spot]]
|fmmmm = White-legged Lowther Barb mare
|mffff = [[Darcy's White Turk]]
|mfffm = royal mare
|mffmf = 　
|mffmm = Sedbury royal mare
|mfmff = 　
|mfmfm = 　
|mfmmf = {{×7|[[Leedes Arabian]]}}
|mfmmm = Old Morocco mare
|mmfff = {{×w1|[[Hautboy]]}}
|mmffm = Natural Barb mare
|mmfmf = [[Makeless]]
|mmfmm = Brimmer mare
|mmmff = 　
|mmmfm = 　
|mmmmf = {{×g2|[[Byerly Turk]]}}
|mmmmm = Taffolet Barb mare
|FN = 1
|母系 = 
|通算少とも = 少なくとも
|初出 = 6
|終出 = 7
|出走地 = 英国
|戦 = 4
|勝 = 4
|勝備考 = ほか不戦勝1
|初出A = 
|終出A = 
|出走地A = 
|戦A = 
|勝A = 
|勝備考A = 
|初出B = 
|終出B = 
|出走地B = 
|戦B = 
|勝B = 
|勝備考B = 
|初出C = 
|終出C = 
|出走地C = 
|戦C = 
|勝C = 
|勝備考C = 
|タイトル = 
|鞍 = [[マースク]]とのマッチレース（賭け金1000ギニー）2勝、ステークス戦（1000ギニー）、ヨーク・フリープレート（100ポンド）
|金 = £ 3,300
|rate = 
|供用歴1 = ノーザンバランド州ケントンで供用
|供用歴1年 = 1757 - 1758年
|供用歴2 = ヨーク州リーミングレーンで供用
|供用歴2年 = 1759年
|供用歴3 = ヨーク州スミートンで供用
|供用歴3年 = 1760 - 1761年
|供用歴4 = ニューマーケット・サーロウで供用
|供用歴4年 = 1762 - 1765年
|供用歴5 = ニューマーケット・バブラムで供用
|供用歴5年 = 1766年
|供用歴6 = ニューマーケット・ウェストラッティングで供用
|供用歴6年 = 1767年
|供用歴7 = 斃死
|供用歴7年 = 1777年7月
|供用歴8 = 
|供用歴8年 = 
|CS = 英国種牡馬チャンピオン4回（1767年、1768年、1769年、1771年）
|CJS = 
|CBMS = 
|駒 = [[Goldfinder]]、[[Juniper]]
}}

===生産者カスバート・ラウス===
スナップの生産者は、ヨーク州の代表的馬産地リッチモンドから南へ約15マイル（24km）ほどいったところにある[[:en:Snape, North Yorkshire|スネイプ]]村（Snape）の馬産家、カスバート・ラウス（Cuthbert Routh、1694-1752）ということになっている。

「ということになっている」というのは、実際には生産者としての名義の半分は2代ポートモア伯爵（[[:en:Charles Colyear, 2nd Earl of Portmore|Charles Colyear, 2nd Earl of Portmore]]）のものだからだ。スコットランド貴族であるポートモア伯爵は競走馬のオーナーとして有名だった人物であった。スナップの母馬、「Foxの牝駒」はもともとポートモア伯爵の所有馬だったが、1741年に権利の1/2がカスバート氏に与えられていた。（世界的には、ふつう、母馬の所有者のことを競走馬の「生産者」としている。戦後の日本では農地法の制約によって実際に農作業に従事する人しか農地の所有者と認められなかったため、大地主や貴族所有の牧場みたいなのが存在しない。だから日本では農家＝牧場主が生産者となるが、これは世界的な観点では特殊だ。）

カスバート・ラウス氏は当時のかなり有力な生産者だ。ヨーク州北部はイングランドを代表する伝統的な馬産地で、18世紀の多くの名馬がこの近辺にゆかりがある。それらを生産した馬産家も様々なつながりがある。たとえば、カスバート・ラウス氏の嫁は、同じくヨーク州の大馬産家ミルバンク家の娘だし、ミルバンク家はダーシーズイエロータークやダーシーズホワイトタークなどに名を残すダーシー家とも縁戚関係がある。そしてラウス家やミルバンク家の近傍にはこれまた有名な18世紀の馬産農家ウィルヴィル家（Wyvill）がある・・・といった具合だ。

カスバート・ラウスは、現代のサラブレッド血統書の成立に貢献した。カスバートが残した個人的な数々の覚書が、サラブレッド血統書（ジェネラルスタッドブック）を編纂する上での貴重な資料となり、そのメモを一冊に束ねて馬の生産に関する著作として刊行されたほどの人物だ。記録が不明瞭だが、1716年頃から競走馬の生産を行っていたらしい。カスバートはスネイプ村の牧場で競走馬を生産し、村外れにあるワンレス<ruby>原野<rt>ムーア</rt></ruby>（Wanless Moor）で育成と調教をこなしていたという。

スナップはそのカスバートの晩年の最高傑作で、1750年に生まれた。しかしカスバートは1752年4月27日に没し、5月に牧場と所有馬すべてが売りに出された。

===新オーナー、ジェニソン・シャフト===
まだ1歳だったスナップには70ポンドの値がつけられて売りに出た。当時のセリ名簿には「非常にすぐれた、馬力のある馬（a very fine, powerful horse）」という評が添えられている。

これを買いつけたのが、陸軍軍人の[[ジェニソン・シャフト]]（Jenison Shafto）だ。シャフトはもともと北イングランドのダラム近くの出身だったのだが、長年の軍務を終えて退役するときに、庶民院の議席の空きがあったケンブリッジ州に土地を買い、住み着いた人物である。その住み着いた場所というのが、ニューマーケットからわずか5マイル（8km）ほど南西のウェストラッティング村（West Wratting）だった。このあたりはちょうどケンブリッジ州とノーフォーク州の州境になっていて（実際ニューマーケットは町の真ん中に州境が通っている）、シャフトはケンブリッジ州の地主だが議席はノーフォーク州に属す、みたいになっている。

スナップは競走馬としてはわずか4戦しかしなかったのだが、その全てで勝利をあげた。記録上は、そのうち最初の3戦はシャフト氏の所有馬としての勝利であり、最後の1戦は[[第4代サンドウィッチ伯爵]]の名義で走っている。（つまり、サンドイッチ伯爵の勝負服を着て出走している。）ただしこれは名目上のものだったそうで、実際の所有者はシャフト氏のままだったそうだ。

競走馬として引退した後は、スナップはシャフトの牧場で種牡馬となり、死ぬまでの21年間をそこで過ごした。

==競走成績==
スナップは競走馬として4戦し、その全てで勝ったことがわかっている。このほか不戦勝が少なくとも1つある。

この時代の競走馬については、「何戦何勝」だったのかを正確に知ることは難しい。まず、当時の競馬のレース記録は不完全である。当時はイングランド中に大小さまざまな競馬場が無数にあり、賞金がほとんど出ないような田舎の小レースから、ニューマーケット競馬場の高額競走や各地の王室賞までいろいろあった。が、現代でも記録が残されてるのは「賞金が50ポンド以上の競走」に限られている。なので、仮にもっと賞金が低いレースに出ていたとしても記録が現存しないのだ。記録がないということを存在しないと同義とみなすかどうか、である。

また、現代のレースはみな一発勝負で決着をつける<ruby>一回きりのレース<rt>ダッシュ競走</rt></ruby>だが、当時主流のヒート競走は決着がつくまでに何回も繰り返し走るわけで、3回走って1着・2着・1着で優勝となったものを「1勝」とカウントするかどうかというのがある。これに加えて不戦勝や単走というのもある。不戦勝は文字通り、レースをやる前に相手が負けを認めてペナルティを支払うもの、単走はレース前に相手が勝てないと思って辞退し、1頭で走って賞金を得たものだ。後者は「1勝」にカウントするが、前者は勝鞍にカウントしなかったり、「0.5勝」のように扱う場合もある。

{{Template:NWL-GB5old
| 西暦 = 1756
| 月日 = 4.
| 曜 = 
| 競馬場 = [[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]・春季第一開催
| レース名 = マッチレース
| racename = match
| 賞金 = 1000ギニー
| 芝ダ障 = 芝
| コース = ビーコンコース
| 距離f = 4 マイル 1 ハロン 138 ヤード
| 距離m = 6765
| 1着順 = ○
| 1着馬主 = [[ジェニソン・シャフト]]
| 1着color = brown
| 1着毛 = 黒鹿毛
| 1着性 = 牡
| 1着齢 = 6
| 1着馬 = [[Snap]]
| 1着父 = [[Snip]]
| 1着st = 10
| 1着lbs = 
| 1着斤lb = 140
| 1着kg = 63.5
| 1着odds = 
| 1着倍率 = 
| 2着順 = ×
| 2着馬主 = Duke of Cumberland
| 2着color = brown
| 2着毛 = 黒鹿毛
| 2着性 = 牡
| 2着齢 = 6
| 2着馬 = [[Marske]]
| 2着父 = [[Squirt]]
| 2着st = 10
| 2着lbs = 
| 2着斤lb = 140
| 2着kg = 63.5
| 2着odds = 
| 2着倍率 = 
| 備考 = 
}}
{{Template:NWL-GB5old
| 西暦 = 1756
| 月日 = 5.
| 曜 = 
| 競馬場 = [[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]・春季第二開催
| レース名 = マッチレース
| racename = match
| 賞金 = 1000ギニー
| 芝ダ障 = 芝
| コース = ビーコンコース
| 距離f = 4 マイル 1 ハロン 138 ヤード
| 距離m = 6765
| 1着順 = ○
| 1着馬主 = [[ジェニソン・シャフト]]
| 1着color = brown
| 1着毛 = 黒鹿毛
| 1着性 = 牡
| 1着齢 = 6
| 1着馬 = [[Snap]]
| 1着父 = [[Snip]]
| 1着st = 10
| 1着lbs = 
| 1着斤lb = 140
| 1着kg = 63.5
| 1着odds = 1 to 10
| 1着倍率 = 1.1
| 2着順 = ×
| 2着馬主 = Duke of Cumberland
| 2着color = brown
| 2着毛 = 黒鹿毛
| 2着性 = 牡
| 2着齢 = 6
| 2着馬 = [[Marske]]
| 2着父 = [[Squirt]]
| 2着st = 10
| 2着lbs = 
| 2着斤lb = 140
| 2着kg = 63.5
| 2着odds = 
| 2着倍率 = 
| 備考 = 
}}
{{Template:NWL-GB5Heat
| 西暦 = 1756
| 月日 = 
| 曜 = 
| 競馬場 = [[ヨーク競馬場|York]]
| レース名 = フリープレート（6歳上）
| racename = Free Plate for 6YO&UP
| 賞金 = £ 100
| 賞品 = 
| 芝ダ障 = 芝
| コース = 
| 距離f = 4マイル
| 距離m = 6437
| 1着順 = ○
| 1着馬主 = [[ジェニソン・シャフト]]
| 1着color = brown
| 1着毛 = 黒鹿毛
| 1着性 = 牡
| 1着齢 = 6
| 1着馬 = [[Snap]]
| 1着父 = [[Snip]]
|1着1H = 1
|1着2H = 1
|1着3H = 
|1着4H = 
|1着5H = 
|1着6H = 
|2着順 = 
|2着馬主 = Mr.Easby
|2着color = 
|2着毛 = 
|2着性 = 
|2着齢 = 長
|2着馬 = Farmer
|2着父 = 
|2着1H = 
|2着2H = 
|2着3H = 
|2着4H = 
|2着5H = 
|2着6H = 
|3着順 = 
|3着馬主 = Mr.Robinson
|3着color = 
|3着毛 = 
|3着性 = 
|3着齢 = 6
|3着馬 = Music
|3着父 = 
|3着1H = 2
|3着2H = 消
|3着3H = 
|3着4H = 
|3着5H = 
|3着6H = 
| 備考 = 6歳馬は10ストーン（63.5kg）、長齢馬は10ストーン7ポンド（66.7kg）。
}}
{{Template:NWL-GB5Heat
| 西暦 = 1756
| 月日 = 
| 曜 = 
| 競馬場 = [[ストックトン競馬場|Stockton]]
| レース名 = フリープレート
| racename = Free Plate
| 賞金 = £ 100
| 賞品 = 
| 芝ダ障 = 芝
| コース = 
| 距離f = 
| 距離m = 
| 1着順 = －
| 1着馬主 = [[ジェニソン・シャフト]]
| 1着color = brown
| 1着毛 = 黒鹿毛
| 1着性 = 牡
| 1着齢 = 6
| 1着馬 = [[Snap]]
| 1着父 = [[Snip]]
| 備考 = 対戦馬が1頭もおらずレース不成立。Snapは賞金の半額50ポンドを受領。
}}
{{Template:NWL-GB5old
| 西暦 = 1757
| 月日 = 4.
| 曜 = 
| 競馬場 = [[ニューマーケット競馬場|Newmarket]]
| レース名 = ステークス競走
| racename = マッチレース
| 賞金 = 1000ギニー
| 賞品 = 
| 芝ダ障 = 芝
| コース = ビーコンコース
| 距離f = 4 マイル 1 ハロン 138 ヤード
| 距離m = 6765
| 1着順 = ○
| 1着馬主 = [[第4代サンドウィッチ伯爵]]
| 1着color = brown
| 1着毛 = 黒鹿毛
| 1着性 = 牡
| 1着齢 = 7
| 1着馬 = [[Snap]]
| 1着父 = [[Snip]]
| 1着st = 9
| 1着lbs = 
| 1着斤lb = 126
| 1着kg = 57.2
| 1着odds = 
| 1着倍率 = 
| 2着順 = 
| 2着馬主 = Lord Gower
| 2着color = 
| 2着毛 = 
| 2着性 = 
| 2着齢 = 
| 2着馬 = Sweepstakes
| 2着父 = 
| 2着st = 
| 2着lbs = 
| 2着斤lb = 
| 2着kg = 
| 2着odds = 
| 2着倍率 = 
| 備考 = 
}}

===同系のマースクとの対戦===
スナップは6歳の春にニューマーケット競馬場の<ruby>春季第一開催<rt>ファーストスプリングミーティング</rt></ruby>で初出走となった。現代とは違い、当時は競走馬は7歳や8歳になってようやく一人前の競走馬になると考えられていたので、6歳でのデビューというのは当時としては別に遅くはない。「一人前の競走馬」というのは、要するに10ストーン（63.5kg）ぐらいの通常の斤量を背負って4マイルのヒート戦をこなす　―　つまり1日に6400メートルを数回走る　―　ぐらいの力がつくというわけだ。当時は、8歳以上の競走馬を一人前の馬とみなし「<ruby>aged<rt>長齢</rt></ruby>」と言った。

この春、ニューマーケット競馬場でスナップは、[[マースク]]と2度マッチレースを行った。スナップは伝説的名馬[[フライングチルダーズ]]の直孫、マースクはフライングチルダーズの全弟[[バートレットチルダーズ]]の孫である。マースクの馬主は、当時の国王ジョージ2世の王子、カンバーランド公爵だった。スナップは、そのカンバーランド公爵を相手に1000ギニーを賭けてのマッチレースを行った。ひと勝負で1000ギニーというのは相当の高額である。のちに創設されるダービーの初期の優勝賞金は数百ギニーである。

一度目の対戦でスナップはマースクを負かした。1803年刊の“The Turf Register, and Sportsman & Breeder's Stud-book”によると、
5月に行われた二度目の対戦では、発送前の時点ではスナップの馬券は1.1倍（10 to 1 on Snap）だったという{{refnest|group="注"|ふつう、単に「10 to 1」（10対1）というと「11.0倍」となる。倍率に関する英語の表現はややこしくて、基本的には「賭ける人 対 賭けを受ける人」のリスク負担を表していて、「10 to 1」だと「馬券を買う側」は10ポンド、「売る側」は1ポンドをだし、あわせて11ポンドを勝ったほうが総取りする、ということになる。この場合、「買う側」が勝てば10ポンドのリスクで1ポンドの儲けを得たので1.1倍、「売る側」が勝てば1ポンドのリスクで10ポンドを儲けたので10倍となる。ただし「10 to 1 against」と表現すると売り手と買い手が逆になるし、「10 to 1 on Snap」とするとスナップに賭けると1.1倍という意味になる。</ref>}}。この倍率はレースが終盤の「over the Flat」地点に差し掛かる頃には「1.03倍」になったという。当時はレースが長いし（このマッチレースも約4マイル、6400メートル戦だから、大雑把な推測として1レースに8分か10分は要していたはずだ）、ヒート競走のように何度も走って決着するレースが普通なので、発走後も賭けは成立するのだ。「over the Flat」というのが正確にどの辺りを走っている時点なのかよくわからないが、フラットコースに入るとゴールまで残り約1マイル2ハロン（およそ2055メートル）だ。

道中、マースクは「all abroad」（お話にならないくらい大きく離されて）いたそうで、結局、ゴールの時点では、「half a distance」（120ヤード）の大差をつけてスナップが楽勝した。

at Ditch-half mile.

この「half a distance」の訳もむずかしい。「半馬身差」か「120ヤード（約110メートル）」（a distanceで240ヤード）のどちらかだ。半馬身差だと相当な接戦ということになり、これは「120ヤードの差をつけて」が正解ではないかと思う。

===ヨーク競馬場でのヒート戦===
このあとスナップはヨーク競馬場に転戦、古馬による「フリープレート」（4マイル）というヒート競走に出た。第1ヒート発送前の時点で、スナップの賭け率は6対4（2.5倍）から7対4（2.75倍）だった。第1ヒートではスナップが勝ち、2着にミュージック、3着にファーマーという馬が入った。このあと、第2ヒート前にミュージックが出走辞退し、スナップとファーマーだけの対戦になるとスナップの賭け率は1.05倍になった。スナップは難なく第2ヒートも制し、フリープレートが3勝目となった。

===その後===
スナップはヨーク競馬場での一戦ののち、[[ストックトン競馬場]]のフリープレート競走（賞金100ポンド）に挑んだ。ところが対戦相手が1頭も現れず、競走は不成立となった。スナップは本来の優勝賞金の半額に相当する50ポンドを受け取っている。これはふつう、スナップの「勝鞍」には含めないようだ。

翌1757年4月、スナップはニューマーケット競馬場で「スイープステークス」（Sweepstakes）という馬と1000ギニーを賭けたマッチレースをやり、勝利した。前述のように、このときのスナップは（実際にはシャフト氏所有のままであったが）第4代サンドウィッチ伯爵の勝負服で出走したという。

スナップはこのマッチレースを最後に現役を退き、シャフト氏の牧場で種牡馬となった。

===スナップの死亡記事===
In the beginning of July, died at his seat at West-Wratting, Cambridgeshire, aged 27 years, ''Childers Snap, Esq'';

７月の初め、チルダーズ・スナップ殿が所領のケンブリッジ州ウェスト・ラッティングで亡くなった。２７歳だった。

who has left numerous progeny, which have shone with lustre in their generations.

子どもはたくさんおり、次代に輝きをはなっている。

the most distinguishued of which is Goldfinder, who most inherits his father's blood.

最良の子はゴールドファインダーで、父の血をもっともよく受け継いでいる。

His eldest son Omnium was unfortunate in his youth by getting lame, otherwise would have been his farther's darling;

長男のオムニウムは、不運なことに、幼い自分に脚を痛めてしまった。彼こそ、父のもっともお気に入りになっていたはずだった。


nevertheless he has not disgraced his great progenitor, and has improved the family estate.

それにもかかわらず、オムニウムは偉大な先祖の名を汚すことなく、家の領地をよりよくした。

Mr.Snap had may favorite daughters, among whom was ''Angelica'', married earlt to Tartar Herod, Esq.

スナップ氏の娘にもお気に入りはたくさんいたが、いちばんは、早くにターター・ヘロド殿に嫁いだアンジェリカ嬢であろう。

by whom she had Charles Evergreen, Esq; a gentleman of great merit, now residing at Leverington near Wisbech; 

also ''Snapdragon'' , who produced the hero that won the 5500gs. at Newmarket 2d Spring Meeting, 1777.

There was also another daughter, who was mother of the famous ''Pantaloon''; the mother of ''Shark'' was likewise of this family, as was the mother of the celebrated ''Alfred''.

He has left many valuable legacies to his different relations; but the bulk of his fortune, amounting to upwards of 30000£。 he generoully distributed in his life time to his patrons the SHAFTO family.


His seat at West-Wratting, he has bequeathed to his favourite daoughter ANGELICA (Assassin's dam) for life, where she is now resident.

==種牡馬成績==
{| style="float:right;width:300px;margin-left:1.0em;margin-right:1.0em;margin-top:1.0em;background-color:rgba( 255, 255, 255, 0.25 )"
|-
|[[ファイル:Snap at Farm 1771-900.jpg|300px|link=]]
|-style="font-size:0.8em;color:#2d3a49;"
|『ジェニソン・シャフト氏の牧場にいるスナップ』ジョージ・スタッブスの作品（1771年）
|-
|}
1757年の春に現役を引退後、スナップはイングランド北部・ノーザンバランド州のケントン（Kenton）にある農場で種牡馬になった。ここには父のスニップが人気種牡馬として繋養されていたのだが、1757年5月8日に死亡している。スナップは急遽その後継種牡馬として迎えられたのだった。

1758年の種付けシーズンのあと、スナップは南へ移動した。移動先はヨーク州リーミングレーン村（Leeming-Lane）といい、スナップの生まれ故郷であるスネイプ村から北東に4マイル（約6km）ほどの場所である。ロバート・ウィルキンソン氏（Mr.Robert Wilkinson）のオークツリー（Oak-Tree）牧場が繋養地だった。

ここで1759年の種付けを終えると、スナップは再び移動した。今度の繋養先はリーミングレーンから北東へおよそ15マイル（約24km）先のスミートン（Smeaton）という村で、スナップはここで2年間供用された。

1762年からは大きく場所を変え、イングランド東部のニューマーケット近郊に移される。最初はニューマーケットから南へ約9マイル（14km）の位置にあるサーロウ村（Thurlow）、そこで4シーズン供用されたあと、1766年にニューマーケットの南西12マイルにあるバブラム村（Babram、Babraham）、ついでシャフト氏の牧場があるウェストラッティング（West-Wratting）に移動した。種付け料は10ギニー5シリング（うち5シリングは馬丁の取り分）だった。

スナップが最初にイギリスの種牡馬チャンピオンになったのは1767年で、その後1768年、1769年と1771年にもリーディングサイヤーをとった。だからその時期の活躍馬の多くはニューマーケットで繋養されていた時代の産駒ということになる。スナップの種付料は50ギニーに高騰し、しかも何年も順番待ち（現代風に言うとBook Full）だったという。（同年のエクリプスの種付料は25ギニーだった。）

ところがシャフト氏は1771年に大きな賭けに負けてピストル自殺をしてしまった。牧場とスナップはシャフト氏の実弟、ロバート・シャフトが引き継いだ。スナップはその後1777年7月初旬に、27歳でウェストラッティングの自分の馬房で死んだという。

“The Turf Register, and Sportsman & Breeder's Stud-book”には、年度別の産駒成績表がついているのでそれを引用する。
{| class=wikitable style="text-align:right;"
|-
|年||勝ち馬の数||獲得賞金合計
|-
|1763||7||£ {{0}}2,438 s. 10
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|1764||11||£ {{0}}5,350 s. {{0}}0
|-
|1765||14||£ {{0}}6,050 s. {{0}}0
|-
|1766||6||£ {{0}}1,843 s. {{0}}5
|-
|1767||13||£ {{0}}5,432 s. 15
|-
|1768||21||£ {{0}}8,127 s. {{0}}5
|-
|1769||19||£ 10,403 s. {{0}}5
|-
|1770||22||£ {{0}}7,525 s. {{0}}5
|-
|1771||25||£ {{0}}8,813 s. 10
|-
|1772||20||£ {{0}}6,517 s. 11
|-
|1773||22||£ {{0}}5,771 s. 15
|-
|1774||20||£ {{0}}7,108 s. 10
|-
|1775||20||£ {{0}}4,578 s. 10
|-
|1776||15||£ {{0}}4,522 s. 10
|-
|1777||10||£ {{0}}3,069 s. 15
|-
|1778||6||£ {{0|00.}}835 s. 00
|-
|1779||3||£ {{0}}3,635 s. 15
|-
|1780||2||£ {{0|00.}}102 s. 10
|-
|1781||2||£ {{0|00.}}155 s. 10
|-
|1782||0||　なし
|-
|1783||2||£ {{0|00.}}257 s. 10
|-
|1784||0||　なし
|-
|1785||0||　なし
|-
|1786||1||£ {{0|000.}}99 s. 15
|-
|}
この数字は同誌による集計で、「本誌が把握していない勝ち馬がいる可能性がある」との注釈付きではあるが、産駒は21世代におよび、勝ち馬は261頭、その獲得賞金総額は92,637ポンドになる。


全弟のスイス（[[Swiss]]、1757年生）も競走馬として活躍し、種牡馬になっている。

===TH===
He was considered a horse of "great power." 

Snapは「Great Power」をもつ馬とみなされた。

He was enormously popular at stud, the saying "Snap for Speed" being one many breeders took to heart. 

Snapは種牡馬として非常に人気があり、「スピードを増すためにはスナップを配合せよ」という格言ができるほどだった。

Leading sire four times, 1767-69 and 1771, he got 261 winners in twenty-one years at stud, considered an impressive feat at the end of the 18th century. 

CS4回。1767、1768、1769、1771年。21世代から産駒の勝ち馬は261頭。18世紀後半の偉大な名種牡馬。

He got some sons of contemporary importance, such as (Latham's) Snap, Goldfinder, and Mexican, who was imported into the U.S. 

代表産駒は、(Latham's) Snap、Goldfinder、Mexican。Mexicanはアメリカへ輸出。

His daughters were more significant: four of them produced Epsom Oaks winners -- Curiosity (1760), Virago (1764), Jemima (1769), Miss Euston (1774). 

母の父としては4頭のオークス馬を出している。Curiosity (1760)、Virago (1764)、Jemima (1769)、Miss Euston (1774).。

Daughter Papillon, was dam of Derby winner Sir Peter Teazle, and Angelica produced Derby winner Assasin. 

また牝駒のPapillonはダービー馬Sir Peter Teazleを産んだ。また牝駒のAngelicaはダービー馬Assasinを出した。

Other daughters included Snapdragon, dam of Rarity; the highly significant broodmare Promise (Family 1), dam of the mares Peppermint and Prunella; and a great many unnamed mares, including the dam of the significant (imported U.S. stallion Shark (by Marske). 

ほか、牝駒のSnapdragonは、Rarityを産み、1号族の発展に大いに寄与した。



He died at West Wratting in 1777.

West Wrattingで1777年に死去した。



最良の産駒はGoldfinder　父の血を広める

最年長の産駒はOmnium　若い時期は不運にも脚元がパンとしなかったが

牝馬もたくさん

AngelicaはTartar へろｄ



Snapdragon　　産駒（hero?）は1777年ニューマーケットの春競馬で5500ギニーのレースに勝つ

Pantalooの母


===BL===

最良の産駒はLatham's SnapとGoldfinder。ほか、Juniper、
*[[Latham's Snap]]
*[[Goldfinder]]
*[[Juniper]]（牡　鹿毛　1767）生産者John Holme。[[ドンカスターC]]2回
*[[Chedworth's Snap]]（牡　鹿毛　1760）- 種牡馬としてCarver（牡　鹿毛　1770）を出す
*[[Scaramouch]]（牡、青毛　1768） - [[ヨーク特別]]。馬主[[第2代キングストン公爵]]

アメリカではたくさんの産駒が導入された。
*[[Lofty]]（牡　bl 1760） 1773年輸入
*[[Mexican]]（牡　鹿毛　1775） [[Dictator]]（牡　鹿毛　1790）や[[Juliet]]（牝馬）、Old Roxanaの母を出す
*Snap（1757　br 牡） aka. Hazard　サウスカロライナ州に1767年に導入
*Snipe（1762　牡　鹿毛）　サウスカロライナ州に1772年に導入

===主な産駒===
*[[Goldfinder]] - 
*[[Latham's Snap]] - 
*[[Juniper]] - （牡　鹿毛　1767）生産者John Holme。[[ドンカスターC]]2回
*[[Chedworth's Snap]] - （牡　鹿毛　1760）- 種牡馬としてCarver（牡　鹿毛　1770）を出す
*[[Omnium (1758)]] - 
*[[Lofty]] - （牡　bl 1760） 1773年アメリカ輸入
*[[Mexican]]（牡　鹿毛　1775） [[Dictator]]（牡　鹿毛　1790）や[[Juliet]]（牝馬）、Old Roxanaの母を出す
*Snap（1757　br 牡） aka. Hazard　サウスカロライナ州に1767年に導入
*Snipe（1762　牡　鹿毛）　サウスカロライナ州に1772年に導入

;牝馬
*[[]] - 
*[[]] - 
*[[]] - 
*[[]] -

==産駒==


==父系==
===父系図===
{{Form父系 
|線 = ｜
|imp = 
|馬名 = {{BT1|[[Darley Arabian]]}}
|… = ……………………………<br>｜
|性 = 牡
|生年 = 1700?
|生国 = 
|成績 = 
}}
{{Form父系 
|線 = ｜｜
|imp = 
|馬名 = {{BT1|[[Flying Childers]]}}
|… = …………………………<br>｜｜
|性 = 牡
|生年 = 1714?
|生国 = GB
|成績 = 
}}
{{Form父系 
|線 = ｜｜｜
|imp = 
|馬名 = [[Snip]]
|… = ……………………………………<br>｜｜｜
|性 = 牡
|生年 = 1736
|生国 = GB
|成績 = 
}}
{{父Snap系}}

===父系テンプレート===
*[[Template:父Snap系]]
:*[[Template:父Snap系1750s]]
:*[[Template:父Snap系1760]]
:*[[Template:父Snap系1761]]
:*[[Template:父Snap系1762]]
:*[[Template:父Snap系1763]]
:*[[Template:父Snap系1764]]
:*[[Template:父Snap系1765]]
:*[[Template:父Snap系1766]]
:*[[Template:父Snap系1767]]
:*[[Template:父Snap系1768]]

==外部リンク==
*{{TH}}[http://www.tbheritage.com/HistoricSires/FoundationSires/FoundSiresS.html#OldSnap (Old)Snap]
*{{TB}}[http://www.bloodlines.net/TB/Bios/SnapOld.htm Snap]
==参考資料==
* William Pick, R. Johnson,“The Turf Register and Sportsman & Breeder's Stud-book, vol.1”,1803

==カテゴリー==
{{DEFAULTSORT:Snap}}
[[Category:イギリスの競走馬]]
[[Category:1750年生|英]]