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__NOTOC__
{{Sicambre}}
'''スティールパルス'''（'''Steel Pulse'''）は1972年のアイルランドダービー馬である。[[ロベルト]]、[[リファール]]などとクラシックを争った。オーストラリアで種牡馬になり、数頭のG1勝馬を出した。

　人種差別に対向する社会派バンドとして知られるイギリスのレゲエバンドの「スティールパルス」のバンド名は、本馬に由来する。

{{Template:五代血統表α
|name = Steel Pulse
|和=スティールパルス
|国=イギリス{{F-GB}}
|牧=サウスダウン牧場
|f= *[[ダイアトム]]<br>　　Diatom
|f年=1962
|f毛=黒鹿毛
|f国= FRA
|ff = [[Sicambre]]
|ff年 = 1948
|ff毛 = 鹿毛
|ff国 = FRA
|fm = Dictaway
|fm年 = 1952
|fm毛 = 黒鹿毛
|fm国 = FRA
|fff = [[Prince Bio]]
|fff年 = 1941
|fff毛 = 鹿毛
|fff国 = FRA
|ffm = Sif
|ffm年 = 1936
|ffm毛 = 鹿毛
|ffm国 = FRA
|fmf = [[Honeyway]]
|fmf年 = 1941
|fmf毛 = 黒鹿毛
|fmf国 = GB
|fmm = Nymphe Dicte
|fmm年 = 1935
|fmm毛 = 鹿毛
|fmm国 = FRA
|ffff = [[Prince Rose]]
|fffm = Biologie
|ffmf = [[Rialto]]
|ffmm = Suavita
|fmff = [[Fairway]]
|fmfm = Honey Buzzard
|fmmf = *[[ダイオライト]]
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|ffmff = [[Rabelais]]
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|ffmmf = [[Alcantara]]
|ffmmm = Shocking
|fmfff = '''''[[Phalaris]]'''''
|fmffm = '''''[[Scapa Flow]]'''''
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|fmmff = [[Diophon]]
|fmmfm = Needle Rock
|fmmmf = [[Kircubbin]]
|fmmmm = Lannette
|m= Rachel
|m毛= 黒鹿毛
|m年= 1958
|m国= GB
|mf= [[Tudor Minstrel]]
|mf毛=黒鹿毛
|mf年=1944
|mf国=IRE
|mm= [[Par Avion]]
|mm毛=鹿毛
|mm年=1948
|mm国=GB
|mff= [[Owen Tudor]]
|mfm= Sansonnet
|mmf= [[Phideas]]
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|mfff= [[Hyperion]]
|mffm= Mary Tudor
|mfmf= [[Sansovino]]
|mfmm= Lady Juror
|mmff= '''''[[Pharos]]'''''
|mmfm= Imagery
|mmmf= [[Lemonora]]
|mmmm= Scutter
|mffff= '''''[[Gainsborough]]'''''
|mfffm= [[Selene]]
|mffmf= '''''[[Pharos]]'''''
|mffmm= Anna Bolena
|mfmff= [[Swynford]]
|mfmfm= Gondolette
|mfmmf= [[Son-in-Law]]
|mfmmm= Lady Josephine
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|mmffm= '''''[[Scapa Flow]]'''''
|mmfmf= '''''[[Gainsborough]]'''''
|mmfmm= Sun Worship
|mmmff= [[Lemberg]]
|mmmfm= Honora
|mmmmf= [[Stornoway]]
|mmmmm= Scotch Rose
|FN=1-s
|金 = 
|毛 =Dark Bay or Brown　黒鹿毛
|種 = サラブレッド
|性 = 牡
|年 = 1969
|誕 = 1969
|死 = 
|者 = Southdown Stud Co.
|主 = Ravi Tikkoo
|調 = F.L.Armstrong　→　Arthur Edward "Scobie" Breasley
|厩 = 
|戦=19
|勝=6
|鞍=[[愛ダービー]]、[[クリテリウムドメゾンラフィット]]、②[[グランクリテリウム]]、[[オブザーバーGC]]、[[プリンスオブウェールズS]]、[[クレイヴンS]]、③[[ワシントンDC国際]]
|駒=[[Robian Steel]]（[[ストラドブロークH]]{{豪G1}}）、[[Razor Sharp]]（[[VRCニューマーケットH]]{{豪G1}}）、[[Steel Blade]]（[[ATCチャレンジS]]{{豪G2}}）、[[Blazing Steel]]（②[[ドゥームベン10000S]]{{豪G1}}）
}}
===出自===
　本馬の祖母パーラヴィオン（[[Par Avion]]）は2歳の時に[[コーンウォリスS]]や[[プリンセスマーガレットS]]に勝ち、[[ジムクラックS]]でも3着に入るなどの活躍をした。繁殖牝馬としてはたくさんの仔を出しており、イタリアで20勝をあげたPinzano、ニュージーランドで種牡馬になったFortune's Hope（父[[Never Say Die]]）や、日本で[[シンボリ牧場]]の基礎輸入牝馬となった*カウンテスなどを出した。

　レイチェル（Rachel)はその兄弟たちの中でも一番活躍した馬で、[[ナッソーS]]に勝ち、[[ファーンヒルS]]で3着になっている。レイチェルの産駒で、本馬の半姉*チェラル（Cheral）も日本へ輸入されているが、その子孫からは1990年台に中央競馬の条件戦で2勝をあげたマイネルグライスが出ているぐらいで、重賞に名を残すほどの活躍馬は出ていない。

【Par Avionの母系子孫】
<div style="font-size:80%;">
:Par Avion　牝　①[[コーンウォリスS]]、[[プリンセスマーガレットS]]、③[[ジムクラックS]]
:｜Pinzano　牡　1956（[[Pinza]]）　イタリアで20勝
:｜Rachel　牝　1948（[[Phideas]]）　①[[ナッソーS]]、③[[ファーンヒルS]]
:｜｜*チェラル　牝　1965（Rustam)
:｜｜｜ハクバイーグル　牝　1978（*トラフィック）
:｜｜｜｜ダイカツケンプー　牝　1985（*ネヴァーダンス）　③金沢・[[読売杯]]{{重賞}}
:｜｜｜｜マイネルグライス　牡　1988（*キングオブダービー）　①響灘特別{{900}}、紫川特別{{500}}、④吾妻小富士賞{{OP}}、⑪小倉大賞典{{GIII}}
:｜｜'''Steel Pulse'''　牡　1969（*[[ダイアトム]]）①[[愛ダービー]]
:｜*カウンテス　牝　1959（[[Counsil]]）
:｜｜スイートエメラルド　牝　1968（*[[インディアナ]]）
:｜｜｜パワーシンボリ　牡　1974（*[[パーソロン]]）①京葉H{{準OP}}、②アルゼンチン共和国杯、東京4歳S、④[[皐月賞]]
:｜Secondhand Rose　牝　1965（[[Heathersett]]）
:｜｜More or Less　牝　1975（[[Morston]]）
:｜｜｜*パールエンジェル Pearl Angel　牝　1989（[[Superlative]]）①スウィートソレラS{{英LR}}、③英オークス{{英G1}}
</div>

　本馬は競り市に出されると、4000ギニーでR・N・Tikkoo氏が購入し、「スティールパルス（鋼鉄の脈動）」と命名した。Tikkoo氏は1980年台に[[Kala Dancer]]でイギリスの2歳チャンピオンを獲得するが、日本で最も知られている所有馬は*[[スティールハート]]だろう。スティールハート（「鋼鉄の心臓」）は1972年生まれなので、「スティール（鋼鉄）」の元祖はスティールパルスということになる。

==競走馬==
　スティールパルスは、フレデリック・L・アームストロング調教師に預けられた。アームストロング調教師は昔からインドのバローダ王（Maharaja of Baroda）の所有馬を引き受けており、インドには太いパイプがあった。バローダ王の所有馬では、サヤジラオ（[[Sayajirao]]）で[[愛ダービー]]、やマイバブ（[[My Babu]]）で[[2000ギニー]]を勝っている。

　アームストロング調教師は[[ニューマーケット]]のウォーレン地区にセント・ガシアン厩舎（St.Gatien Stable）を開いていた。この厩舎はマハラジャが用意したものである。スティールパルスもここに入って訓練を積んだ。

===2歳時（1971年）===

　スティールパルスは2歳で初出走を果たすと、[[ブライトン競馬場]]や[[ドンカスター競馬場]]で勝ち鞍をあげ、フランスへ遠征した。まず、[[クレールフォンテーヌ競馬場]]（Clairefontaine）のジョルジュドカルハレ賞（Prix Georges de Karhallet）に勝って、9月の[[メゾンラフィット競馬場]]の[[クリテリウムドメゾンラフィット]]も勝った。このレースでは2着にリヴァーマン（[[Riverman]]）、3着に牝馬のマタハリ（[[Mata Hari]]）が入った。翌年になってリヴァーマンは[[仏2000ギニー]]、マタハリは[[仏1000ギニー]]に勝っている。

　スティールパルスは、フランスの2歳チャンピオンとなるべく、10月はじめの[[グランクリテリウム]]に挑んだ。ここにはアイルランド2歳チャンピオンで[[ナショナルS]]や[[アングルシーS]]など4戦全勝のロベルト（[[Roberto]]）がやってきたが、勝ったのは地元フランスの*[[ハードツービート]]で、スティールパルスはクビ差の2着だった。ロベルトは4着に終わった。この結果、フランスの2歳チャンピオンはハードツービートになった。

　イギリスに戻るとシーズン最後の[[オブザーバーGC|オブザーバーゴールドカップ]]に出たが、ハイトップ（[[High Top]]）に<sup>3</sup>/<sub>4</sub>馬身差及ばず2着になった。この年のフランスのフリーハンデでは、スティールパルスはハードツービートに次ぐ2番手の評価を受けた。一方、イギリスの2歳チャンピオンは[[デューハーストS]]と[[シャンペンS]]を制した*[[クラウンドプリンス]]で、ハイトップは2番手、3番手は[[ミドルパークS]]優勝のシャーペンナップ（[[Shapen Up]]）となった。

　このほか同世代で2歳戦で活躍したものとしては[[ニューS]]を勝った*[[フィリップオブスペイン]]がいる。3歳になってからの活躍馬では*[[サンシー]]、[[リファール]]（Lyphard）がいる。

===3歳時（1972年）===
　3歳緒戦の[[クレイヴンS]]は13ポンド（5.89Kg）軽い斤量のレスター（Leicester）に半馬身差で負けて2着になった。

====英2000ギニー====
{| style="float:right"
|<youtube width="200" height="150">UGUMJJ-S8jU</youtube>
|-
|▲1972年2000ギニー
|}
　4月末の2000ギニーでは、ハイトップが5対4（2.25倍）で本命、ロベルトは3対1（4倍）の対抗となった。[[アスコット競馬場]]の[[2000ギニーTR]]{{英G3}}と[[ケンプトンパーク競馬場]]の2000ギニートライアル{{英LR}}を勝ってきたグレイミラージュ（[[Grey Mirage]]）が4対1（5倍）でこれに迫った。スティールパルスは9対1（10倍）で4番手だった。

　グレイミラージュは柔らかい馬場が得意で、おあつらえむきに2000ギニーは悪天候になりそうだった。しかも名手[[レスター・ピゴット]]が騎乗することになった。ピゴットはもともとロベルトとクラウンドプリンスに乗っていて、この年のクラシックは2歳チャンピオンのクラウンドプリンスで挑むつもりでロベルトを断っていた。が、そのクラウンドプリンスが3歳になってから負け続きで、結局2000ギニー出走も取りやめてしまい、乗る馬がいなかったのである。

　2000ギニー当日はひどい雨と風の中になり、水しぶきが上がるような馬場になった。逃げたハイトップにロベルトが半馬身まで迫ったが、そこから差が詰まらず、ハイトップが優勝した。6馬身離れた3着には人気薄の*[[サンプリンス]]が入った。スティールパルスは4着に終わった。

====英ダービー====
{| style="float:right"
|<youtube width="200" height="150">qUUoFx7Onv4</youtube>
|-
|▲1972年イギリスダービー
|}

　68歳のアームストロング調教師は2000ギニーを最後に引退し、厩舎を息子に引き継がせた。スティールパルスは転厩し、“スクービー”ブリーズリーこと[[アーサー・ブリーズリー]]調教師に預けられることになった。ブリーズリーは騎手時代にイギリスのチャンピオンジョッキーに4度輝き、[[凱旋門賞]]と[[Kジョージ&QエリザベスS]]も制した、ヨーロッパで最も成功したオーストラリア人騎手である。調教師としてはスティールパルスが代表馬となった。

　この年のダービー戦線は、2000ギニーでは惜敗したものの、距離が伸びれば有利としてロベルトが本命視されていた。そのロベルトに騎乗予定の[[ビル・ウィリアムソン]]騎手は、ダービーの2週間前にケンプトンパーク競馬場で落馬した。前からウィリアムソン騎手のルックス<ref group="注">ウィリアムソン騎手はもともとパッとしない風体と口数が少ない事から“よれよれウィリー”（Weary Willy）と渾名されていた。</ref>を気に入っていなかったロベルトの馬主は、これが彼を降板させるいい機会だと考えた。

　馬主はダービーの前に、ウィリアムソン騎手に落馬の影響がないか確認すると言ってロベルトの調教に乗せようとしたが、間の悪いことにウィリアムソン騎手はこれを寝坊してすっぽかしてしまった。後になって、ウィリアムソン騎手は医者から体に異常なしという証明書をもらってきたが時既に遅し。もしロベルトがダービーが勝った場合には、ウィリアムソン騎手にも騎乗料と同じだけの賞金を払うという条件で、降板が決まった。新聞はピゴットがロベルトを奪ったと言って、ピゴットを叩いた。（余談だが、ピゴット騎手はアームストロング調教師の娘と結婚しており、アームストロング調教師の義理の息子にあたる。）

　ダービーのゴール前は、ロベルトと*[[ラインゴールド]]の壮絶な叩き合いになった。このとき、内にもう1頭、レースを引っ張ったペントランドファース（Pentland Firth）という馬がいて、ピゴット騎手は鞭をふるってペントランドファースやラインゴールドの邪魔をしたと謗る声もある。いずれにしろ、ロベルトとラインゴールドは全く並んでゴールした。長い審議の結果、ハナ差でロベルトの勝利となった。（この判定には異論も出た。）スティールパルスは先行勢の中にはいたが、勝負どころで[[リファール]]（Lyphard）の斜行による不利を受けてしまい、8着どまりだった。

====愛ダービー====

[[ファイル:Steelpulse1969gb.jpg|180px|right]]
　スティールパルスは、6月末の[[ロイヤルアスコット]]で[[プリンスオブウェールズS]]（10f）に出た。ここには1頭、強力な古馬がいた。デビュー以来12戦全勝の[[ブリガディアジェラード]]（Brigadier Gerard）である。さすがに相手が悪く、ブリガディアジェラードのレコード勝ちの前に5馬身ちぎられたが、それでもスティールパルスは2着に入った。

　スティールパルスは7月1日の[[愛ダービー]]に出ることになった。本命はイギリスダービーから直行してきたロベルトで15対8（2.87倍）、ロベルト陣営は世間の不興をかったピゴット騎手ではなく、アイルランドのチャンピオンジョッキー、ジョニー・ロー騎手を鞍上に据えた。3対1（4倍）の2番人気は地元のバリモア（[[Ballymore]]）で、愛2000ギニーの優勝馬である。スティールパルスは、ロベルトを降ろされて雪辱に燃えるビル・ウィリアムソン騎手を迎え、10対1（11倍）の人気で挑んだ。

　スティールパルスの僚馬エクステンション（Extension）がペースメーカーとなってハイペースのレースを作り上げた。ロベルトはこれについていけずに遅れてしまった。一方、スティールパルスはこのペースを巧みに利用し、先に抜けだしたスコティッシュライフル（[[Scottish Riffle]]）の内を掬って鋭く伸び、見事に優勝した。1馬身差の2着がスコティッシュライフルで、さらに6馬身離れた3着にバリモアが入った。ロベルトはブービーの12着に大敗した。スティールパルスは賞金58,000ポンドあまりを獲得した。


[[ファイル:Babylonthebandit.jpg|120px|left]]
　イギリスのバーミンガムはアフリカ系やアジア系の移民の多い町で、人種差別に反対するデイビッド“ドレッド”ハインズが、ボブ・マーレーの影響を受けて“ルーツロックレゲエ”のバンドを作った。彼らはいいバンド名がなかなか思いつかなかった。あるとき、ベーシストのロナルド“ステッパー”マックイーンが競馬場に行くと、スティールパルスがアイルランドのダービーを勝った。「鋼鉄の脈動」という言葉の響きが気に入った彼らは、バンド名を「スティールパルス（Steel Pulse）」とした。彼らのバンドは成長し、1987年にはアルバム「バビロン・ザ・バンデット」でグラミー賞に輝いた。同賞のレゲエ部門でジャマイカ以外のバンドが受賞したのはスティール・パルスが唯一である。
　

====愛ダービー以降====
{| style="float:right"
|<youtube width="200" height="150">TdMLHPY5FHQ</youtube>
|-
|▲1972年[[Kジョージ&QエリザベスS]]
|-
|<youtube width="200" height="150">d5l17K1H0KQ</youtube>
|-
|▲1972年[[セントレジャーS]]
|}
　アイルランドダービーのあとは、スティールパルスは勝ち星をあげることができなかった。

　7月22日の[[Kジョージ&QエリザベスS]]では強力な古馬勢にかなわず、勝ったブリガディアジェラードから7馬身半差の4着どまりだった。秋の[[セントレジャー]]は[[オークス]]馬ジネヴラ（[[Ginevra]]）を抑えて本命で迎えたが、最下位に終わった。このとき勝ったバウチャー（[[Boucher]]）はロベルトの同厩で、アイルランドで[[ベレスフォードS]]{{愛G2}}や[[ニジンスキーS]]{{愛G2}}に勝っているのだが、[[レーシングポスト]]誌は2004年に「セントレジャー史上ワースト3位」という低レベルなレースだったと切り捨てている。

　さらに相手が強化された[[凱旋門賞]]（優勝は*[[サンサン]]）では14着、[[チャンピオンS]]（優勝はブリガディアジェラード）では最下位の9着だった。

　それでも11月にアメリカ遠征を行い、[[ワシントンDC国際]]に挑んだ。ヨーロッパからこのレースに出たのは、凱旋門賞馬*サンサン、[[Kジョージ&QエリザベスS]]で2着のパーネル（[[Parnell]]）、それに日本の[[メジロムサシ]]がいる。もちろん筆頭はヨーロッパチャンピオンのサンサンだったのだが、道中で2頭が落馬するアクシデントのあおりをもろに受けて圏外に落ちた。勝ったのはアメリカのドロールロール（[[Droll Role]]）で、アクシデントを避けたパーネルが4馬身差の2着に入り、さらに9馬身離れて3着にスティールパルスが入った。サンサンはスティールパルスの1馬身あとの4着までだった。

===4歳時（1973年）===
　古馬になったスティールパルスには、もはや2歳や3歳春の輝きは残っていなかった。2走したがよいところがなく、引退することになった。

==種牡馬==
　スティールパルスには、オーストラリアの生産者からの強いオファーがあり、37万ポンドのシンジケートが組まれて売却されていった。スティールパルスがレースで稼いだ賞金を考えると、これはかなり高い値段だったといえる。

　期待どおりだったかどうかはわからないが、スティールパルスはオーストラリアでは何頭かの重賞勝馬を出した。ただ、幅広い牝馬から活躍馬を出したわけではなく、特定の牝系からだけ、活躍馬を出している。最も活躍したレイザーシャープ（[[Razor Sharp]]）とスティールブレイド（[[Steel Blade]]）、牝馬のセイルトゥグローリー（Sail to Glory）の3頭は全兄弟・妹である。そのほか、下記の主な産駒5頭はすべて同じ牝系から出ている。

===主な産駒===
*'''[[Razor Sharp]]''' - [[VRCニューマーケットH]]{{豪G1}}2回、[[ATCチャレンジS]]{{豪G2}}3回、②オークレーP{{豪G1}}、③AJCザギャラクシー{{豪G1}}
*'''[[Robian Steel]]''' - [[ストラドブロークH]]{{豪G1}}
*[[Steel Blade]] - [[ATCチャレンジS]]{{豪G2}}、②[[ジョージメインS]]{{豪G1}}、[[ATCエプソムH]]{{豪G1}}
*[[Blazing Steel]] - ②[[ドゥームベン10000S]]{{豪G1}}、③[[ストラドブロークH]]{{豪G1}}、[[ジョージライダーS]]{{豪G1}}
*Sail to Glory - [[AJCフライトS]]{{豪G2}}

===主な父系===
:Steel Pulse
:｜Steel Blade　1975 牡 AUS　ATCチャレンジS{{豪G2}}
:｜｜Yarradorf　1990 AUS　③サーバーンハートS{{豪G3}}
:｜'''Razor Sharp'''　1977 騙 AUS　VRCニューマーケットH{{豪G1}}2回
:｜'''Robian Steel'''　1983　騙　AUS　ストラドブロークH{{豪G1}}

==脚注==
<references group="注"/>

==カテゴリー==
{{DEFAULTSORT:Steel Pulse}}
[[Category:イギリスの競走馬]]
[[Category:1969年生|英]]
[[Category:愛ダービー馬]]