「マスター・オブ・ザ・ホース」の版間の差分

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'''マスター・オブ・ザ・ホース'''({{lang|en|'''Master of the Horse'''}})は、[[イギリス王室]]の宮廷内に設けられている職名のひとつである。ロード・ステュワード({{lang|en|'''Lord Steward'''}})、ロード・チェンバレン({{lang|en|'''Lord Chamberlain'''}})と並ぶ三大役職に位置づけられており、宮廷内で第3位の官位である。
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'''マスター・オブ・ザ・ホース'''({{lang|en|'''Master of the Horse'''}})は、[[イギリス王室]]の宮廷内に設けられている職名のひとつである。ロード・ステュワード({{lang|en|'''Lord Steward'''}})、ロード・チェンバレン({{lang|en|'''Lord Chamberlain'''}})に次ぐ宮廷内で第3位の官位であり、王宮の三大役職に位置づけられている<ref name="MH603-604"/>。
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==訳語==
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英和辞典的には、マスター・オブ・ザ・ホースは「[[主馬頭]]<ref name="リーダーズ_MH"/>」、ロード・ステュワードは「(宮廷)執事卿<ref name="リーダーズ_LS"/>」、ロード・チェンバレンは「宮内長官<ref name="リーダーズ_LC"/>」と和訳される。
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ただし日本の皇室における「主馬頭」は、高くても従五位下どまりで、それほど高位ではない。日本では、室町時代の将軍が「右馬御監」、江戸時代の将軍が「左馬寮御監」や「右馬寮御監」に任じられているので、「馬寮御監」「御監」あたりが比較的イメージは近い。それでも「御監」は単なる名目上の役職で、儀式のときに天皇陛下に馬についての報告を奏上するだけ。
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やや語感は離れるが、実態を考慮すると「近衛大将」と訳すのがいちばんイメージが近い。
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==1660-1837==
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マスター・オブ・ザ・ホースは、職権として王室厩舎の全てを司っている。これには厩舎の馬の競馬への出走や、馬の繁殖・生産含まれる。<ref name="MH603-604"/>
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彼は Equerries(主馬寮)のすべての官と、士官、それに王立厩舎に出入りするすべての商取引の総責任者である。彼らに免状を発行し、忠誠を誓わせる権限を有する。彼は王立厩舎の管理のために国費を預けられて任されており、乗用馬、競走用馬、荷馬、厩舎、馬車、寝藁などの費えのために。<ref name="MH603-604"/>
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特権もあり、他の宮廷の誰も持っていないような。国王の厩舎の馬、厩舎付きの小姓と従僕、馬車その他諸々の厩舎に付随する全てに加えて、王の武具、揃えの軍服、を自由に使っていいという。さらに、王が騎馬の隊列を組むときには、国王の真後ろに並ぶという栄誉も与えられていた。<ref name="MH603-604"/>
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マスター・オブ・ザ・ホースは国王が直接任命し、王個人への忠誠を誓い、ロード・ステュワードが発行する免状により認証される。
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==脚注==
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===注釈===
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===出典===
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*<ref name="リーダーズ_MH">『リーダーズ英和辞典 第3版』,p1471「Master of the Horse」</ref>
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*<ref name="MH603-604">『Office-Holders in Modern Britain: Volume 11 (Revised), Court Officers, 1660-1837』[http://www.british-history.ac.uk/office-holders/vol11/pp603-604 The stables: Master of the Horse 1660-1837] 2017年5月13日閲覧。</ref>
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===参考文献===
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*『[[リーダーズ英和辞典]] 第3版』,[[研究社]],2013(第3版第3刷),ISBN 978-4-7674-1432-4
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*『Office-Holders in Modern Britain: Volume 11 (Revised), Court Officers, 1660-1837』,R O Bucholz/編,,University of London,London,2006,p603-604「The stables: Master of the Horse 1660-1837」[http://www.british-history.ac.uk/office-holders/vol11/pp603-604]

2020年8月18日 (火) 11:13時点における最新版

マスター・オブ・ザ・ホースMaster of the Horse)は、イギリス王室の宮廷内に設けられている職名のひとつである。ロード・ステュワード(Lord Steward)、ロード・チェンバレン(Lord Chamberlain)に次ぐ宮廷内で第3位の官位であり、王宮の三大役職に位置づけられている[1]

訳語

英和辞典的には、マスター・オブ・ザ・ホースは「主馬頭[2]」、ロード・ステュワードは「(宮廷)執事卿[3]」、ロード・チェンバレンは「宮内長官[4]」と和訳される。

ただし日本の皇室における「主馬頭」は、高くても従五位下どまりで、それほど高位ではない。日本では、室町時代の将軍が「右馬御監」、江戸時代の将軍が「左馬寮御監」や「右馬寮御監」に任じられているので、「馬寮御監」「御監」あたりが比較的イメージは近い。それでも「御監」は単なる名目上の役職で、儀式のときに天皇陛下に馬についての報告を奏上するだけ。

やや語感は離れるが、実態を考慮すると「近衛大将」と訳すのがいちばんイメージが近い。

1660-1837

マスター・オブ・ザ・ホースは、職権として王室厩舎の全てを司っている。これには厩舎の馬の競馬への出走や、馬の繁殖・生産含まれる。[1]

彼は Equerries(主馬寮)のすべての官と、士官、それに王立厩舎に出入りするすべての商取引の総責任者である。彼らに免状を発行し、忠誠を誓わせる権限を有する。彼は王立厩舎の管理のために国費を預けられて任されており、乗用馬、競走用馬、荷馬、厩舎、馬車、寝藁などの費えのために。[1]

特権もあり、他の宮廷の誰も持っていないような。国王の厩舎の馬、厩舎付きの小姓と従僕、馬車その他諸々の厩舎に付随する全てに加えて、王の武具、揃えの軍服、を自由に使っていいという。さらに、王が騎馬の隊列を組むときには、国王の真後ろに並ぶという栄誉も与えられていた。[1]

マスター・オブ・ザ・ホースは国王が直接任命し、王個人への忠誠を誓い、ロード・ステュワードが発行する免状により認証される。

脚注

注釈

出典

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 『Office-Holders in Modern Britain: Volume 11 (Revised), Court Officers, 1660-1837』The stables: Master of the Horse 1660-1837 2017年5月13日閲覧。
  2. 『リーダーズ英和辞典 第3版』,p1471「Master of the Horse」
  3. 『リーダーズ英和辞典 第3版』,p1411「Lord Steward of the Household」
  4. 『リーダーズ英和辞典 第3版』,p1410「Lord Chamberlain」

参考文献