「マスター・オブ・ザ・ホース」の版間の差分
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2020年8月18日 (火) 11:13時点における最新版
マスター・オブ・ザ・ホース(Master of the Horse)は、イギリス王室の宮廷内に設けられている職名のひとつである。ロード・ステュワード(Lord Steward)、ロード・チェンバレン(Lord Chamberlain)に次ぐ宮廷内で第3位の官位であり、王宮の三大役職に位置づけられている[1]。
訳語
英和辞典的には、マスター・オブ・ザ・ホースは「主馬頭[2]」、ロード・ステュワードは「(宮廷)執事卿[3]」、ロード・チェンバレンは「宮内長官[4]」と和訳される。
ただし日本の皇室における「主馬頭」は、高くても従五位下どまりで、それほど高位ではない。日本では、室町時代の将軍が「右馬御監」、江戸時代の将軍が「左馬寮御監」や「右馬寮御監」に任じられているので、「馬寮御監」「御監」あたりが比較的イメージは近い。それでも「御監」は単なる名目上の役職で、儀式のときに天皇陛下に馬についての報告を奏上するだけ。
やや語感は離れるが、実態を考慮すると「近衛大将」と訳すのがいちばんイメージが近い。
1660-1837
マスター・オブ・ザ・ホースは、職権として王室厩舎の全てを司っている。これには厩舎の馬の競馬への出走や、馬の繁殖・生産含まれる。[1]
彼は Equerries(主馬寮)のすべての官と、士官、それに王立厩舎に出入りするすべての商取引の総責任者である。彼らに免状を発行し、忠誠を誓わせる権限を有する。彼は王立厩舎の管理のために国費を預けられて任されており、乗用馬、競走用馬、荷馬、厩舎、馬車、寝藁などの費えのために。[1]
特権もあり、他の宮廷の誰も持っていないような。国王の厩舎の馬、厩舎付きの小姓と従僕、馬車その他諸々の厩舎に付随する全てに加えて、王の武具、揃えの軍服、を自由に使っていいという。さらに、王が騎馬の隊列を組むときには、国王の真後ろに並ぶという栄誉も与えられていた。[1]
マスター・オブ・ザ・ホースは国王が直接任命し、王個人への忠誠を誓い、ロード・ステュワードが発行する免状により認証される。
脚注
注釈
出典
参考文献
- 『リーダーズ英和辞典 第3版』,研究社,2013(第3版第3刷),ISBN 978-4-7674-1432-4
- 『Office-Holders in Modern Britain: Volume 11 (Revised), Court Officers, 1660-1837』,R O Bucholz/編,,University of London,London,2006,p603-604「The stables: Master of the Horse 1660-1837」[1]