ヨーク貴婦人金杯
ヨーク貴婦人金杯(The Ladies' Gold Cup)は、ヨーク競馬場の夏開催で行われた。
はっきりしたことはわからないが、ヨーク金杯の後継競走と思われる。
ヨーク競馬場では、1709年に「Gold Cup」競走が行われた。この競走は4マイルのヒート戦で、優勝賞品は金貨50枚の値打ちのある金杯であった。翌1710年からは、優勝杯は金貨60枚相当にグレードアップした。
史料により食い違いがあるのだが、この金杯の出どころがアン女王だった、という話がある。それは1709年の創設時からだったとする史料もあれば、1710年からだった、いやいや1711年からだ、と諸説ある。
はっきりしているのは、1711年からは、アン女王陛下から金貨100枚の値打ちがある金杯が下賜される競走と、金貨60枚の値打ちがある金杯が授与される競走の、2競走は行われるようになったということだ。
当サイトでは、1709年からの競走をヨーク金杯の嚆矢と位置づけ、1711年からの金貨100枚の金杯競走を王室賞 (ヨーク)として扱っている。
ヨーク金杯は1719年まで行われていたが、1720年からは開催された記録がない。かわって1720年から登場するのが、「The Ladies' Gold Cup」である。これは、10ストーンを背負った、5歳馬による、4マイルの、1回勝負(one heat)の競走で、優勝賞品は「金貨60枚の値打ちのある金杯」である。
従前のヨーク金杯は6歳馬による4マイルヒート競走だったので、これが5歳限定になったのと、複数ヒートではなく1回勝負になった、という点が異なっている。
- 比較
- 王室賞 (ヨーク) - 6歳・4マイル・ヒート・負担重量12ストーン。優勝杯60ポンド
- ヨーク金杯 - 6歳・4マイル・ヒート・負担重量10ストーン。優勝杯60ポンド
- ヨーク貴婦人金杯 - 5歳・4マイル・1回勝負・負担重量10ストーン。優勝杯60ポンド
実は、これに先立って「The Ladies' Plate」という競走が1712年から行われていた。競走の施行条件「5歳・4マイル・1回勝負・負担重量10ストーン」は同一で、賞金は30ポンドであった。当記事ではこれを「ヨーク貴婦人金杯」の前身として扱うことにする。
前身
- The Ladie's Plate of 30£
- 5歳・牡騸
- 負担重量10ストーン
- 4マイル・1回勝負(one heat)