種畜

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冒頭文

種畜(しゅちく)とは、家畜動物の個体のうち、育種品種改良)を目的として繋養するもののこと[1]

概要

種畜は、家畜動物の

たとえば家畜ブタは、多くの場合、肉用として生産飼養されている。この場合、肉をとる目的で繁殖の用に供されるブタの雌雄は繁殖用ではあっても、種畜とは言わない[1]



種畜に求められる資質

種畜選定

日本での種畜事業

ニッポニカ

種畜は、品種改良を目的として飼養される家畜をさす。

種畜となる条件としては、能力に秀でていること、体型が品種の特徴をよく表していること、これらの形質が血統的に遺伝することが認められていること、などがある。

現代の畜産では人工授精が普及しているため、自然交配を行うのに比べて1頭の種雄畜が多数の産駒をもたらすため、種畜の選抜の重要性が増している。

ウシ・ウマ・ブタの雄と、人工授精に用いる雄ブタは、種畜検査が義務付けられており、種畜証明書の取得が求められている。

ふつう、種畜に供されるのは、ウシの場合1.5歳から15歳、ウマの場合3歳から23歳、ブタの場合1歳から13歳、ヒツジ・ヤギの場合1歳から8歳ほどである。


日本では、官設の種畜牧場が整備されて、種畜・種鶏を飼養してきた。

官設が多く、民有は少ない。


2001年時点では、独立行政法人化家畜改良センターが日本各地に11の種畜牧場を有している。

これらの種畜牧場では、乳用牛、肉用牛、ブタ、ニワトリ、綿羊、ヤギ、ウサギなどの主要な家畜種の種畜の生産・飼養・配布を行うほか、人工授精用精液や種卵の配布、飼料作物の原種圃 (ほ) の経営と種子の配布を行っている。

さらに、優秀な種畜の作出も行っている。

世界大百科

ふつう、単に繁殖用の個体というだけでは種畜とは言わない。たとえば、豚肉を得る目的で肉用豚の生産を行うためのオスブタ・メスブタは種畜ではない。

※近年では、こうした肉用個体の生産では雑種強勢が行われる。これは一代限りの雑種の生産であり品種改良ではない。


種畜には、遺伝的に優れた資質をもつものが選定される。

生産能力の高さ、その能力を十分に発揮するための優れた体型、これらの優れた形質を後代に遺伝子しうる血統的背景が求められる。(こうした能力が後天的に獲得された場合には、その能力が遺伝的に継承されていく見込みは低い。)

能力・外貌・血統の3点から吟味される。


乳用牛であれば泌乳能力(乳の成分と量)、ニワトリであれば産卵能力、ブタであれば産肉能力

これらの能力は能力検定で調べる。

オズ・メスのいずれかにしか発言しない能力や、その個体を殺さないと検証できない能力(解剖しないとわからない内臓機能など)を検証するためには、直系の産仔の成績を調査する。これを後代検定という。

生産能力の高さと、体型の優秀さには相関関係が認められている。


長命性、従順性などは、能力検定成績ではわからないが、体型や動作などの外貌審査によって測られる。


家畜の品種毎に審査基準がある。


これらの形質が、遺伝的な理由に基づくものなのかどうかは、血縁関係の個体の成績を比較して決定する。

これらのために血統登録が行われる。血統登録は、品種改良のための基本的かつ重要である。人工授精が普及した近年では、血統登録の正確性を担保するために血液型判定が採り入れられている。


一般に、両親が子個体に及ぼす遺伝的影響は雄親と雌親では同等であるが、1頭の種雄個体のほうが数多くの産仔をもたらすことになるので、繁殖活動全体でみると、種雄の影響が重大である。そのため種雄の選定はより慎重に行われる。


種畜の選抜管理事業は大規模な費用と高い専門性が求められるため、多くの場合、種畜事業は国や大資本を有する企業・熟練のブリーダーが行う。

家畜改良増殖法により、人工受精用の種雄畜・自然交配用のウシ・ウマの種雄畜産は、毎年の種畜検査合格が求められている。検査では、伝染性疾患・遺伝性疾患・繁殖機能障害、血統・体型・能力の審査が行われ、等級がつけられる。

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脚注

注釈

出典

  1. 1.0 1.1 『世界大百科事典』、正田陽一、「種畜」
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書誌情報


関連図書

外部リンク

関連項目

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