チェットウィンド＝ダーラム事件

　チェットウィンド＝ダーラム事件 (Chetwynd Durham case)は、1889年にイギリスで起きた騒動である。

　ジョージ・チェットウィンド卿(Sir George Chetwynd)とダーラム卿(Lord Durham)との間で争われたもので、前年のジムクラックディナーでのスピーチが引き金になったものである。

　ダーラム卿はスピーチの中で、とある有名な厩舎で不正が行われている、と仄めかした。ダーラム卿ははっきりと言明しなかったが、その場にいた者はみな、暗に誰のことを指しているのかピンときた。

　これに怒りを露わにしたのがジョージ・チェットウィンド卿である。自分のことを指していると考えたチェットウィンド卿は、ダーラム卿に対し、貴族としての名誉をかけて、一体誰のことを悪く言ったのか明確に示し、その侮辱の証拠を示せと要求した。しかし、ダーラム卿はこれに応じなかった。