というわけで岩舟駅。
広角レンズってすごいね
岩舟駅は無人駅だった。
新宿で買ったスイカが役に立った。
待合室はこんな感じ・・・
じゃなかった。
待合室には誰もいなくて、
暖を取るストーブもなく、
僕はきつく歯を食いしばり、
ただとにかく泣かないように、耐えているしかなかった。
いまだ茫漠とした空腹を抱えた僕は、
なにか食べるものを探したけれど、
無人の駅には味の保証がないお弁当もなにもなかった。
せめて温かい飲み物をと思って、
温かい普通のほうじ茶を買った。
おいしい。
ほうじ茶?初めて飲んだ。
うそ、絶対飲んだことあるよ。
そんなことを思い浮かべたけれど、
周りには誰もいなかった。
そのとき、誰もいない駅の中で、
電光掲示板が静かに告げた。
お客様におしらせいたします。
寝台特急あけぼの号は ・・・
・・・大雪の影響で、全区間で・・・
運休となりま・・・
その瞬間まで、
僕は電車が動かないなんていう可能性を考えもしなかった。
不安が急に大きくなった。
今日、夕方まで時間があると書いたけれども、
それは今日の夕方の寝台特急に乗って帰るからであり―
とにかく、駅を出ることにした。
駅前は―
どこかでみたことがあるような気がした。
どこで見たのか、全然思い出せないけれど、
昨日一日で40億年分ぐらいフランス哲学書を読んだので、
頭がつかれていて思い出せなかった。
こんなことならハルケギニアに召喚される物語でも読んで
頭を休めておけばよかった―
せっかくだし、どこかへ行こう。
僕たちは駅を出て振り返った。
そこには近くの観光を案内する看板があった。
その瞬間、庭園とか駅とか魂とかいうものが、
どこにあるのか、わかった気がした。
ここが、現在地。
いちばん近そうなのはBだ。
こんな地図もあった。
これによると駅に近い寺は、
目の前に茫漠とそびえ立っている岩山にあるらしく、
そこは大きなヤマザクラがあって、
春になるとたぶん、桜の花びらが秒速5センチで地上に降るのだろう。
それにしても、この広角レンズというのはすごい。
ものすごく広い範囲が撮れる。
それは、僕たちの左右だけでなく、
天地の方向にも等しく作用して、
いまだ不慣れな僕たちが漠然とカメラを構えると、
思わぬものまでファインダーに収まってしまう。
そして発色もすごい。
いままで何年も愛用してきたサイバーショットでは
出なかったような、
冬の澄み切った青空が、
信じられないくらい気持ちよく撮れる。
アニメみたいなきれいな青空や、
想像を絶するぐらい続く地平線が、
ただただ深淵にあるはずと信じる世界の、
あ、世界といってもワールドの方ね
きっと内地の人にとっては当たり前すぎて、
なんとも思わないのだろうけれど、
道民にとって心惹かれる風景が、
そこかしこに広がっていた。
それは、伝統を伝統としてではなく
日常習慣として当たり前に存在する木守柿であったり、
12月になっても南面の日光に青々とした葉が生い茂って、
きれいな黄色の実をたくさんつけている柑橘の樹だったりする。
その頃の札幌
今にして思えば、
僕は東京のあの蒸し暑い夏も好きでした。
溶けてしまいそうに熱いアスファルトも、
陽炎のむこうの高層ビルも、
デパートや地下鉄の寒いくらいの冷房も。
南に広い瓦屋根も、
手入れの行き届いた庭木の常緑樹も、
水をたたえたガッチャンポンプも、
まるで無造作に置かれているようなちいさなオヤシロも、
冬の青空に映える、鬼門に植えられた赤い南天も、
その背後の松の木も、
とかなんとか言ってるうちに
岩船山の入り口に到着。
これが参道だ。
参道は石が敷き詰められていて、
それは、
大門敷石という名で僕たちを待ち受けていて、
えーと・・・
延長455尺、
つまり、
13788センチメートル
桜の花びらが2800秒かけて落下するほどの距離に匹敵する、
いまだ無限とも思える距離の石畳が、
僕たちの前に横たわっていた。
石畳の終点は階段だった。
気の遠くなるくらい向こうにある何かをみつめて、
僕たちの心は折れた。
だってスーツだし、革靴だし。
僕たちはここで引き返すことにした。
岩舟のこと
・岩舟山は、岩山
・関東ではげにも珍しい、軟石がとれた(今もとれる) げにも げにも!
(札幌軟石みたいなものだろう)
要するに、建築業界で言うところの「凝灰岩」らしい。
切り出しやすく、加工がしやすい。
それでこういう石造りの建物を作ったそうだ。
まあ実は、北海道ではこういう造りの家がゴロゴロあって、
珍しくもなんともないんだけど、
内地や関東地方ではレアらしい。
そんなわけで、岩舟は関東有数の軟石供給地だった。
・それで石切りまくってるうちに、山がなくなってきた
・その石切り場は、歴代特撮ヒーローのバトルシーンの撮影場所(聖地)なんだそうだ
なにせ、火薬とか爆発とかOKだし
※参考画像
フランス戦隊フランスファイブ
・また、岩舟山は、たぶんその奇怪な外観ゆえだと思うけれど、
日本三大霊山のひとつ とされてきた
でた!日本三大シリーズ
あとの二つはどこだよって話で、
最低でも恐山と月山はランクインするだろ、御岳山も外せないし、
あと鳥海山、伊勢原の大山だってそうだし、吉野、熊野、石槌山、とかなんとか、
ウィキペディアは富士山、立山、白山ってことになってるな
んでもって、
この岩舟山の頂にあるという
高勝寺は日本三地蔵の一つなんだそうだ。
ま、行かなかったけどね・・・
帰り道、
日進堂菓子舗というお店に立ち寄った。
写真はない!
ほんとうになんて僕は無能なんだろう
どうでもいいような写真ばかり撮って、
肝心な立ち寄ったお店の写真を撮ってないなんて。
日進堂菓子舗で買ったのは、
『はっか餅』という和菓子で、
こんなふうに、
杏子
、じゃなかったアンコが詰まった、苺色のお餅に、
これでもかとハッカの粉がまぶしてあって、
お店のおばさんが 「すごい美味しいよ」
って言うから薦められるまま買ったんだ
食ってみた
ごめんムリ
すっげー甘いんだけど すっげースースーするの
2つ食べたところでギブ
残りは捨てた
杏子ごめん
僕たちは食べ物を粗末にしてしまったよ
話の流れとは関係ないけども、
気になったものを幾つか貼っておこうと思う。
キリンレモンの自動販売機。
扱っているのは、
キリンレモン、キリンオレンジとデルモンテ・トマトジュースの3種だけ。
徹底的に厳選してるところが男らしいよね。
だいたいキリンオレンジなんてさ、
地方の焼肉屋とか、田舎の旅館の食堂とかで頼んで小瓶で出てくる以外、
現代でも入手方法があるのだろうか
アマゾンでぐぐってみた
業務用紙パック1リットル5本で1600円て安くないよね
ちょっと珍しい、ご当地の側溝の雨水マス蓋
ごつごつした岩舟山と町並みが描かれている
マンホールの方はこう
わりとおとなしめ
帰ろうと思う。
岩舟でもっと時間を過ごすこともできるんだけれども、
スーツ姿と革靴では限界があることを痛感した。主に足が。
もちろん、
畑の脇にある小さな納屋の中で古い毛布にくるまって一晩明かすなんてのも、
さすがに話し相手が携帯電話だけだと、
電池切れやなにかで退屈しそうだし、うっかりすると凍死するかもしれない。
僕たちの前にはいまだ巨大すぎる人生が、
茫漠とした時間が、どうしようもなく横たわっていて、
まだ死ぬには早いと思った。
だから僕たちは、動き始めた電車に乗って、帰ることにする。
駅は広角レンズ無双
ただ、パースがつきすぎるというか、
||こういうものが / \ こう映るね
そうそう、最初のこれなんだけどね
これ、なんかちょっと不自然さを感じた人もいるんじゃないかと思うんだけど、
デッサン狂ってね?みたいな
ふつうこんなもんだろと
でもそうじゃねーんだ
このい駅名標、
なんかすげー低いのよ
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