

いまこのへん

山梨県側から八ヶ岳の麓をぶちぬいて山越えしてきたけれど、
小海を過ぎて、
これから谷がひらけて「佐久平」と呼ばれる平野部に入る。
ずっと並走してきた千曲川(信濃川)もいったん見納めだ。

田んぼの様子も、
こういう、いかにも「山の中の田んぼ」って感じから
(素敵な石積み)

平野部の田んぼの感じになってきた



海とか瀬とか、まるで海が近くにあるかのような地名だけど、
実はここ、
日本一海から遠い駅。
ここから10キロほど東の山奥に
日本一海から遠い地点
というのがあって、そこに行くと、
―もちろんガチ山奥なので車でプラっといけるような場所ではない

つまり、「行ったよ」と主張すると、
佐久観光協会で「貴女は日本一海から遠い場所に行きました認定証
」というのを発行してもらえるそうだ。

しかし、小海の時も言ったけども、
こんな山奥で海だなんて、
こんなの絶対おかしいよ!!
って思うよね
みんなは、こういうふうに、
気になる地名とかあった時ってどうしてる?

「わたし、気になります〜。」
やっぱ普通はさ、

日本歴史地名大系とかで調べるよね?
なぜこんな山奥で
「小海」「海ノ口」「海尻」「海瀬」などと海連打なのか!
なになに・・・

不明
だって!!
なんか、
「松原湖のことを海って言ってたんじゃね?」って説があるようだけども

さすがにこれだけ近くに諏訪湖あって、
こんなちっさい水たまりを「海」はねえべさ、
って思うよね
かいぜ Kaize って、
“海瀬住民”みたいな意味で Kaizer にすると カイザー になって皇帝みたいでカッコイイね

谷がひらけて遠くの山が見えるようになった

なんかさ、俺思ったんだけど、
鉄道で移動する旅行って、車よりスゲー楽だしwkwkするんだけども、
写真にするとかなりイマイチだよね
車だと気になったら車停めたり引き返したりできるけど、
鉄だと常に一発勝負の上に撮影アングルも限られるし、
写真を撮ってる時は「うお!なんだあれ!?なんだあれ!」みたいな感じでパシパシ撮るんだけど
家帰ってきて見なおしてみると、
一体自分が何を撮りたくてこの写真を撮ってるのかがほとんど意味不明になるんだよね
たいがいブレブレになるしさ

龍岡城、という駅があるけれど、
ここは
日本で2つしか無い五芒星☆城郭の一つ
なんだって!

もちろん言うまでもなく、もうひとつは函館の五稜郭なんだけども、
どちらも幕末に西洋の築城理論に基づいて作られた、
当時的には超最新鋭の城ということらしい。
西洋では、中世期から

▲スオムスの星型要塞と稜堡の計画図
こういう星型のトゲトゲした城が作られるようになったんだって。
それ以前の西洋の城は、

こういう、円い塔を配置したタイプだったんだけど、
この塔からムカつくやつを狙い撃ち
するわけなんだけども、

実際やってみると

どうしても死角ができちゃう
こんなの絶対おかしいよ!!
ってことで改良されたのが
こういう星型の城ってことらしい。

これだととにかく死角ができないらしい
まあ、幕末にそれが日本に伝わって、
おせーよ、だって鎖国してたんだからしょうがないじゃない
って感じで、
日本に伝わった頃には、西洋では

大砲でボカーンとやっちゃうようになってたので
この星型城郭は実戦では何の役にも立たなくなってたようだ
まあ箱館にあるのはなんとなくわかるとして、
じゃあなんでその☆型城郭が長野の山奥にあるんだべさ、
って話なんだけど、
まずここは、中山道の要衝だったってこと。
江戸目線で、上州から必死こいて峠を登ってきて、
やっとたどり着いた平地の入り口がここ。
この佐久平は
要するにこのあたりの当時の藩主が西洋かぶれだったということらしい。
まだ江戸時代のうちに、
最新鋭キリッ っていう城を作ってみたんだけど、
完成した途端に明治維新になってしまったでござる、
ってことのようだ。
まあボケーッと電車に乗ってたから
そんなことは一切知らないわけだけどな
既に忘れていると思うけれど、6月です


これはなんだろう?
田植えを忘れたのか、水抜きを忘れたのか・・・?

佐久平の中心地、中込駅。

なにやら怪しげな一行が乗ってきた

みな背中になにか背負っている!
けいおん部だ!!
信州のけいおん部はフリーダム

車内でもマジ ライブだし待ったなし!
おまえらListen!!
良識なんていらないよ
NO,Thank
You!
ってことらしい。
そして佐久ジャスコ

新幹線や高速道路で長野へ行こうとすると必ず見かける定番のスポットだよね
なんか、「おお、軽井沢行く時に見たことあるとこだ!」って感じで
懐かしさと新鮮さを感じる今日この頃だった
あたりはすっかり佐久平
遠くの山並みをみては、
「あれ浅間山じゃね!!?」
って盛り上がったけども、
今地図で見る限り、方角とか山の形とか全然違うようだ


美里駅では

なにか別れがあったようだ

手を振る生徒
見送られる先生風のひと
(↓左側のひと)

あたりはすっかり佐久平
遠くの山並みをみては、
「あれ浅間山じゃね!!?」
って盛り上がったけども、
今地図で見る限り、方角とか山の形とか全然違うようだ

乙女駅

「乙女」でぐぐると画像が安定しないことでもわかるように
案外確定的なイメージは世間では確立されていないようだけど、
俺的には乙女といえばもちろん問答無用で

乙女さん
取り巻き含めて乙女かわいいよ乙女
だがしかし、最近では少し違うようで、
乙女駅はこういうアニメの聖地背景になっているらしい

そしてもうすぐ小諸。小海線の終点だ。


小海線の終点の小諸到着。
起点の小淵沢を出てからずいぶん時がたったようだけども、
実際、この日記を書き始めて、
小淵沢からここまでたどり着くのに3年6ヶ月も経っているからしょうがないのだけれど
当時の時間ではこれで15時30分。
まあ、それなりにいい時間だよね。
宿に入れる時間でもあるし、
宿にインして仲居さんに入れてもらったお茶のみつつお茶菓子をウメェ!しながら
少し話を聞き、それからひとっ風呂浴びたら夕食ですよ、
そういう時間帯に入っているよね

というわけで
カッコイイ キハE200は見納め。

なんだか あはーん♥ な感じの銅像
なにをどう解釈すると 「追憶」 になるのかよくわからない
次の電車まで少し時間があるので、
駅内をブラっとしてみよう


小諸は、戦国時代の終わりから江戸時代のはじめにかけて、
あの仙石久秀の領地だった。
クズっぷりで有名な仙石久秀さん
だけど、
どのぐらいクズかというと、
(1)秀吉に四国を攻めてこいよと言われて、調子に乗って攻めたら長宗我部に逆襲された
びびって味方を見捨てて一人で逃げ帰ってきた
(2)秀吉に九州をせめてこいよと言われて、調子に乗って攻めたら島津に逆襲された
びびって味方を見捨てて一人で逃げ帰ってきた
(そのせいで長宗我部家の嫡男と十河家の当主が死んだ)
(3)秀吉直参だったのに、秀吉が死んだら豊臣を見捨てて家康に尻尾を振った
(4)家康の嫡男の秀忠にくっついて関ヶ原に来いと言われたのに、
小諸の隣の真田の城をどうしても奪いたくて、秀忠の威勢を借りて粘着した
でも結局城は奪えないわ、無駄に時間がかかったせいで秀忠は関ヶ原に遅参した
領主がゲスの仙石久秀はイヤじゃ、ということで、
佐久郡の領民が一郡まとめてまるっと逃げ出している。
小諸といえばもうひとつ、
黒とブルーの勝負服でお馴染みの
オンワード
軍団
オンワードゼアとミスオンワードで年度代表馬と4歳牝馬チャンピオンをとり、
フランスダービーまで勝っている名門
この
オンワード樫山の創業社長の樫山さんも小諸出身なんだってさ
樫山さんの本に書いてあった!
ちなみに、オンワード牧場開設にあたって、樫山社長自らイギリスに行って
繁殖牝馬を買ってきたんだけど、その馬の名前がレナウン
レナウンは見事にオンワードゼアの代表産駒オンワードガイを産んで、
オンワードガイも種牡馬になった
小諸駅ではとれたての新鮮な野菜がバカ安な値段で
いっぱい売ってるんだけど


ブロッコリーニ とか ラリッシュ
とか
謎野菜
がけっこうあって困る
あと一番右端の キャベツ も
俺の知ってるキャベツと随分違う
んだ
だがさすがに今ここで新鮮な生野菜を買ってもどうしようもない。
電車の中でバリバリ食うのもあれだし。
ということで、野菜は諦めてプライスレスなおみやげゲット
まずは 長野県民手帳

NERVみたいなかっこいいロゴ
がついててカッコイイ
思わず2冊購入
さすが長野県民手帳だけあって、
長野県の統計情報とかが異常に充実している

これによると、
今通ってきた小海線の沿線で言うと、
小海町には田んぼが78ヘクタールしかないのに、
佐久穂町に来ると一気に421ヘクタールに爆増してるのがわかるよね
(そのぶん畑が減っている)
窓から見えた景色は正しかったというわけだ

それからもうひとつプライスレスなおみやげ
トレイン カード ジャパン
TRAIN
CARD JAPAN (※信州私鉄4社共同)
おそらく長野では信州私鉄が4社も集まると、
それはもう JAPANなんだろう。
典型的な盆地思考というか、大海を知らず系ということだ。

これが中身なんだけどさ、

神奈川県民(当時) (※正確には東京都だったかも) としてはさ、
東急電車とロマンスカーで 信州私鉄 と言われてもなぁ・・・
と、なんだかちょっと騙された感を禁じ得ないよね
さらにプライスレスなおみやげが続く。
これは 信濃の国てぬぐい本

「信濃の国」というのは、今も長野県に受け継がれている長野県の国歌だ。

Wikipediaによると、
長野新幹線とか中央リニアのルートとか新駅建設場所とかで
議会や県民が真っ向から衝突して利害がバラバラに分裂して、
Zガンダムの終盤並みにどいつもこいつも敵だ!みんな死んじゃえ!みたいになっても、
「信濃の国」のメロディーが流れると、
皆が自然と心を一つにして肩を組んで国歌を斉唱し、千切れた県民の心を一つに繋いで涙を流すらしい。

なお、これは一応「本」状に製本されているが、真ん中の綴じ糸を切ると、
1枚の手ぬぐい状になって手ぬぐいとして使えるらしいが、
その場合に元の通りの歌詞や絵がみられるのかは不明だ。
さらに

なんかいかがわしい、
あざとい感じのご当地アニメの宣伝チラシを発見。
誰がこんなの観るかよって話だよ
さいごに、駅内になにか難しい青銅版を発見した
千曲川がどうとか書いてあるようだけど、
達筆すぎて読めない


小諸からは、しなの鉄道というのに乗換える。
しなの鉄道というのは、
アレだ、
新幹線の夢の跡。
ここはかつて「信越本線」と呼ばれていて、
東京と北陸を結ぶ大幹線だった。
上野から高崎・軽井沢を経てこの信越本線を経由して長野、直江津へ向かっていた
特急「あさま」は、11両編成で1時間に2本のペースで走っていたし、
上野発金沢行きの特急「白山」も走っていた。
が、北陸新幹線が長野まで開業(長野行新幹線)すると、
JRから切り捨てられて一気にローカル私鉄に転落。
2011年3月期の決算で、利益がたったの2億円ぽっちという、
「え?全部売って銀行に預けて利息もらったほうがよくね?」状態。

そりゃ

アニメの聖地でもなんでもいいから稼がないとね!
だがしかし、
「あの花」と紛らわしいからなんとかならなかったのか
あと、今知ったんだけど、
北陸新幹線が延伸すると、またJRから切り離されるところができるんだけど、
そこは
えちごときめき鉄道 :*:・
というところが引き継ぐそうだ。
ひでー名前だと思うけど、
ときメモ厨とかとにかくなんでもいいから稼ぐんだ!

小諸からはしばらく、
千曲川の谷の底的なところというか、
千曲川と浅間山にはさまれたところを進む。
イメージはこんな感じ

たいらなとこねーじゃねーかよ
って思うと思うけど実際そうなんだからしょうがない
平地が少ないから、田んぼも少ない。
浅間山のサイドは火山灰地なので、水はけ良すぎて田んぼができない。
田んぼが少ないから、人が住めるところも少ない。
人が住めるところが少ないから都市が発展しない。
都市が発展しないから、
新幹線ができた時にここらへんはトンネルで全体的にスルーされた。
東御(とうみ)市とか。くるみの産地なんだって。
水面は見えないけど、
あの山の崖下に千曲川が流れてる。
田んぼが売り切れて畑に。
ちょっと写真じゃわかりにくいけど、
やっぱり瓦の色は緑系が多い。
こういう、いかにも田舎って感じのところをしばらく走ると、
もうすぐ上田。

