スィープステークス

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Sweepstakes競走

スイープ競走は、出走させる馬主が賞金を出し合う競走。

  • (例)登録料100ギニーのスイープステークス戦(a sweepstakes of 100gs each, h.ft.)
    • 馬主は、登録料100ギニーを支払う。
    • 優勝馬の馬主は、全登録料を総取りできる。
    • 「h.ft」は、「half,fortfeit」の略。「取消は登録料の半額を支払う」の意味。
    • レースの前に登録が行われ、10頭が登録する。この場合、1着賞金は100ギニー×10=1000ギニーとなる。
    • ただし、レースの直前まで、出走取消をすることができる。この場合は、登録料の半額の50ギニーを支払う必要がある。
    • お金を納めれば、取り消しの理由は問わない。馬主が「勝算はない」と考えた時、それでも出走させて負けたら100ギニーの損だが、取り消しなら50ギニーの損で済む。
    • もしも登録馬10頭のうち7頭が取り消すと、1着賞金は(100ギニー×3)+(50ギニー×7)=650ギニーとなる。
    • この場合には、実際の出走馬は3頭で、1着賞金650ギニーを争うことになる。ただし、650ギニーのうち100ギニーは自分で支払った登録料だから、優勝馬主の実際の儲けは650-100=550ギニーということになる。
    • 馬主は、登録料と1着賞金のバランスをみて、出走させるかどうかを判断するギャンブルである。
      • 登録料が5ギニーで、1着賞金が1000ギニーならば、負けても5ギニーの損で、勝てば1000ギニーもらえるのだから、200倍の賭けということになり、万が一でも勝てば利益は大きいから、勝てる見込は小さくても出走させる価値はある。
      • 登録料が500ギニーで、1着賞金が1000ギニーならば、負けたら500ギニーの損、勝っても賞金1000ギニーのうち500ギニーは自分が納めた登録料だから、実質の利益は500ギニー。500ギニーの利益のために500ギニーのリスクを負うのは割に合わないので、よほどのことがなければ取り消す選択をするかもしれない。それだと損害は250ギニーで済む。

レースの「大きさ」は一概には判断できない。

登録料5ギニーで200頭の登録があれば、1着賞金1000ギニー。

  • 登録料が安いということは、多くの人が登録しやすく、数が集まりやすい。

登録料が200ギニーで4頭の登録があれば、1着賞金800ギニー。

  • 登録料が高いということは、その金額を負担できて、なおかつ勝算がある場合にしか登録しない。

1着賞金でみると前者が高賞金だが、登録料をみると後者のほうが強い馬が集まる。


古記録は完全ではない。特にニューマーケット競馬場は割合、記録が完備されているが、それ以外の競馬場の記録は断片的だ。

たとえば成績書に

  • 登録料100ギニー、h.ft.
  • 1着 Mask
  • 2着 Squirrel
  • 3着 Match'em

とあった場合、確実なのは「少なくとも3頭が出走した」ことだけで、ほかに出走馬・登録馬がいたかどうかは不明。

ニューマーケット競馬場の記録の場合には、総登録数や、取消数、着外の馬名などの記載されていることもある。

取消や着外の数によって、賞金総額は変わることになる。1-3着しか記載がないと、登録料1頭100ギニー×3=賞金300ギニーと推定するしかないが、本当は着外が2頭いて総額500ギニーだったかもしれない。が、それは今となっては確認のしようもないことなので、ふつうは、それらは無いものとみなして取り扱い、賞金総額300ギニーとするほかない。

こうした事情で、古い時代には、リーディングサイヤーの統計は賞金ではなく勝鞍数で集計するのが一般的だ。