括弧のこと
括弧のこと
雑談です。括弧の入れ子と種類についてです。「」・『』は今回は関係ありません。数式の話も関係ありません。
- Wikipedia:表記ガイド#括弧の入れ子、WP:BRACKET
- ここでは、和文は[ (〈 〉) ] の順で入れ子にせよとあります。
- この規定はおそらく、社団法人 日本翻訳協会 翻訳日本語表記ガイドの14ページを参考にして決められたものと思います。しかし同文書は本来あくまで日本翻訳協会による翻訳文を対象としたものです。JIS Z 8301でも丸括弧を角括弧で括る方式が定められているものの、これはあくまでも規格票の様式の定めに過ぎません。日本翻訳連盟という別組織では別の規定[1]があり、こちらでは括弧の用法はまた違った定めがあります。日本印刷技術協会(正式文書ではない)では同じ括弧を入れ子にするやり方が書かれています(つまり(こういう感じ))。
どうも、ほかにこれといった外部的根拠がない?国語辞典などを眺めても、縦書き和文前提だったり、昭和20年代の公文書がベースになっていて現在的にはどうなの?的な感じ。
過去には主に括弧の全角/半角をめぐって長い間議論が行われ(例)、結局「目下の合意はありません」になっていますが、括弧の種類については議論が行われた形跡があまり見当たらない感じです。(1ぐらい?)
- 入れ子の順番について
括弧のうち最もよく用いるのは()でしょう。その中に入れ子で括弧を用いる必要が生じると(〈 〉)となり、さらにもう1段階の入れ子を必要とする場合は[ (〈 〉) ] ということになります。
ということは入れ子の階層数によって、一発目にくる括弧は(になったり[になったりと、不定です。私はこれちょっと不合理だと思いました。
たとえば(〔〈〉〕)の順ですよ、みたいになっていれば、一発目は常に(ということで安定するのに。
実際的には、
- 括弧の用法を定めるほうが合理的ではないか
一般の出版物では、たいていその出版物毎の取り決めがあり、たとえば[]は原注、〔〕は訳注、とかって定められています。が、それはあくまでその出版物限定であって、国語表記一般の規則という感じではない?
上の入れ子規定に従うと、内容に関わらず、外形的な入れ子構造によって用いる括弧が変わることになります。たとえばこんな感じ。
- A 山田太郎は1989年(昭和64年)に生まれた
- B 山田太郎(やまだたろう、1989〈昭和64〉 - 2020〈令和2〉)
- C 1989年[昭和64年 (この年は1月7日に改元〈年号が変わること〉があった) ]
例で示したように、括弧の用例として西暦・和暦を併記する場合は比較的頻出するものです。たとえば西暦/和暦を併記する場合には〈〉を使う、のように用法を定めるほうが合理的であるようにも思います。
- ()は特に用法を定めず普遍的に用いられています。それはそれでいいと思います。
- 「」・『』についても用法はある程度規則が定まっています。
- それ以外で主なものを列記すると
- 1[]
- 2〔〕これだけ表記ガイドに具体的指示があり、引用文中の引用者のコメントに用いるとあります。
- 3〈〉
- 4{}
- 5【】
- 6《》
- 5と6は視覚的効果が強く、どういう用法をしても強調効果がついてまわるでしょう。ですがhtml的には本来の強調は''' '''で行うべきです。記事本文で用いるのは避けるのが無難かも。一般の辞書類でも【】《》は特殊な用法に限定しています。
私が思いつく括弧が頻繁に用いられる場所は、冒頭定義文のよみがな、他言語の原語表記、発音記号、西暦和暦併記、異表記や補足説明など、曜日、難読時のよみがな、編集者の但し書き(以下略)とか。
たとえばですが〔〕はよみがな・原語表記・編集者の但し書き類、〈〉は同一のものを併記する場合・・・たとえば西暦和暦併記や新旧の所在・異称別称など、()は汎用、みたいになっていればよかったかなー、とか思います。([]は、Wikipdiaでは[]がリンクやrefなどで技術的に使用されていることもあり、避けておきたいなーという感じもします。)
ただまあ今更そんなとこ変えるのはかえって煩わしい、そればかり変えて回る輩に餌を与えるだけというのもあるでしょう。--Julyfestival 2020年5月29日 (金) 18:04 (JST)