1784年英国

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競馬税

この年、首相の小ピットは競馬界に新しい税制を課してやろうと思い立った。小ピットは弱冠25歳の若者で、元首相である父ピットの後押しもあって、国王ジョージ3世により首相に任命されたのである。まだ若く意気盛んな小ピットは、フランスのナポレオンに対抗していくために増税する必要があると考え、競馬に目をつけたのだ。そしてすべての競走馬に対し、1年に1ギニー、これに加えて勝馬には1頭につき5ポンドの税金をとろう、と画策したのである。

ジョッキークラブははじめ、この構想を一笑に付した。多くの老練な貴族馬主たちは、あんな若造に何ができると笑い飛ばした。ところが議会でこの新税が真剣に検討されて現実味を帯びてくると、ジョッキークラブの馬主たちは団結して反対運動をはじめた。クイーンズベリー公爵、エグルモント伯爵、グローヴナー伯爵らが中心となって、直接小ピットと面会して議論をした。彼らは、この税制が実現したならば、イギリス中から競馬は消え失せるだろうと言って小ピットに圧力をかけた。

結局小ピットは貴族馬主たちの圧力に屈し、議会で競馬税の創設に反対する演説を行い、この話は立ち消えになった。