「出典明記の整理」の版間の差分
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+ | 北条本『吾妻鏡』建久3年(壬子)7月20日条には、建久3年(1192年)7月12日に源頼朝は征夷大将軍に任じられたとある(山田太郎「論文A」2021年、p.999)。 | ||
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+ | 倉上政幹『水産動植物精義』によれば、タラバガニはヤドカリの一種である(鈴木花子『文献B』2021年、p.999)。 | ||
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+ | *第三者言及を介することで、その情報の信頼性や中立性が変化する。 | ||
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2021年9月27日 (月) 17:27時点における版
好き勝手に感想を申し上げます。
- 「やっぱりわかりにくい」と思いました。(Miraburuさんが悪いのではなく、実際にややこしい。)
- 「基本・応用」とか「一般的・主流」などの評価は、しないほうがいいな、と思いました。せいぜい、「長所・短所」ぐらい。
「◯◯方式」など、どういう呼称を用いようと、読者はその名前を知らないので、全然ピンとこない。(インライン方式とかの用語が、一般的でない)
説明も抽象的なのでよくわからない。結局、実例をみないとわからない。
「インライン方式」のショートカットが「INCITE」だったりして、なんか気持ち悪い。
「なに方式」と呼ぶかは棚上げ
解説本文中で、帰属化して情報源についても説明する方式
- 北条本『吾妻鏡』建久3年(壬子)7月20日条には、建久3年(1192年)7月12日に源頼朝は征夷大将軍に任じられたとある。
- 倉上政幹『水産動植物精義』(杉山書店、1925年。pp.293-299「たらばがに」)によれば、タラバガニはヤドカリの一種である。
効果
- メリット
- その場ですべてが示される。
- 読者にとって、根拠が明瞭である。
- 情報が帰属化されており、中立的に書きやすい。
- デメリット
- 長くなる。読みにくく感じるかもしれない。
- あまりにも一般的な事柄を、帰属的に記述すると、あたかも、それが一般的ではない注意を要する事柄であるような印象を与えることがある。(例:「田中によれば、ニューヨークはアメリカの都市である。」)
1
解説本文中で、帰属化して情報源についても説明する方式(AAA方式) | |||
例1 |
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例2 |
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効果 | |||
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解説本文中で、情報源を明示する方式(BBB方式) | |||
例1 |
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例2 |
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3
1と2の中間的な方式
解説本文中で、情報源を明示する方式(CCC方式) | |||
例1 |
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例2 |
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4
第三者言及を介する方式
解説本文中で、帰属化して情報源についても説明する方式(DDD方式) | |||
例1 |
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例2 |
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X
- ニューヨークはアメリカの都市である。
- 田中によれば、ニューヨークはアメリカの都市である。
記事中で直接示す場合
- 建久3年(1192年)7月12日に源頼朝は征夷大将軍に任じられた(北条本『吾妻鏡』(新訂増補国史大系)、建久3年(壬子)7月20日条)。
- タラバガニはヤドカリの一種である(倉上政幹・著、『水産動植物精義』、杉山書店、1925年。pp.293-299「たらばがに」)
これを略記することもある
- 建久3年(1192年)7月12日に源頼朝は征夷大将軍に任じられた(『吾妻鏡』7月20日条)
- タラバガニはヤドカリの一種である(倉上、1925、pp.293-299)
この場合には、これだけでは情報源がわからないので、詳しい情報を別掲する必要がある。
- 『吾妻鏡』建久3年(1192年)7月20日条には、建久3年(1192年)7月12日に源頼朝は征夷大将軍に任じられたとある。
- 倉上政幹『水産動植物精義』(1925、pp.293-299)によれば、タラバガニはヤドカリの一種である。
倉上(1925、pp.293-299)によれば、タラバガニはヤドカリの一種である。
長所・メリット
- 読者が、根拠を即座に理解できる。
- 情報が帰属化されており、中立的に書きやすい。
- 『吾妻鏡』のように、情報源自体がよく知られているケースでは、話が早い
短所・課題
- 長くなる。
- 『吾妻鏡』だけでは、どの写本なのか、どの記述なのかを求められるかも知れない。
→北条本『吾妻鏡』(新訂増補国史大系)、建久3年(壬子)7月20日条
- あまりにも一般的な事柄を、帰属的に記述すると、あたかも、それが一般的ではない注意を要する事柄であるような印象を与えることがある。
- ニューヨークはアメリカの都市である。
- 田中によれば、ニューヨークはアメリカの都市である。