「出典明記の整理」の版間の差分
Julyfestival (トーク | 投稿記録) (→G2 文献情報を略記する) |
Julyfestival (トーク | 投稿記録) (→G1 基本パターン) |
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*本文がすっきりしていて読みやすい。 | *本文がすっきりしていて読みやすい。 | ||
*記事が長くなると、どの情報がどの文献のどこを典拠にして書かれたのかが不明瞭になる。また、著者自身の考えで書かれた部分が判別できない。 | *記事が長くなると、どの情報がどの文献のどこを典拠にして書かれたのかが不明瞭になる。また、著者自身の考えで書かれた部分が判別できない。 | ||
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+ | ウィキペディアでは、記事の三大方針として「[[Wikipedia:検証可能性|検証可能性]]」を掲げています。一括参照方式ではこれを十分に満たすことができませんから、ウィキペディアにはあまり適していません。 | ||
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+ | *単著や、紙で印刷される文献のように一度発表されたあとは不変の文章と違い、ウィキペディアでは絶えず様々な利用者が改変をくり返すため、どの文章がどの情報源のどこに基づいているのかがわからなくなる。 | ||
{| class=wikitable | {| class=wikitable |
2021年9月30日 (木) 16:13時点における版
好き勝手に感想を申し上げます。
- 「やっぱりわかりにくい」と思いました。(Miraburuさんが悪いのではなく、実際にややこしい。)
- 「基本・応用」とか「一般的・主流」などの評価は、しないほうがいいな、と思いました。せいぜい、「長所・短所」ぐらい。
「◯◯方式」など、どういう呼称を用いようと、読者はその名前を知らないので、全然ピンとこない。(インライン方式とかの用語が、一般的でない)
説明も抽象的なのでよくわからない。結局、実例をみないとわからない。
「インライン方式」のショートカットが「INCITE」だったりして、なんか気持ち悪い。
「なに方式」と呼ぶかは棚上げ
解説本文中で、帰属化して情報源についても説明する方式
- 北条本『吾妻鏡』建久3年(壬子)7月20日条には、建久3年(1192年)7月12日に源頼朝は征夷大将軍に任じられたとある。
- 倉上政幹『水産動植物精義』(杉山書店、1925年。pp.293-299「たらばがに」)によれば、タラバガニはヤドカリの一種である。
効果
- メリット
- その場ですべてが示される。
- 読者にとって、根拠が明瞭である。
- 情報が帰属化されており、中立的に書きやすい。
- デメリット
- 長くなる。読みにくく感じるかもしれない。
- あまりにも一般的な事柄を、帰属的に記述すると、あたかも、それが一般的ではない注意を要する事柄であるような印象を与えることがある。(例:「田中によれば、ニューヨークはアメリカの都市である。」)
目次
G
原文
原文 | |||
柳田國男 『日本の民俗学』pp.10-11より |
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柳田國男 『日本の民俗学』p.186より |
| ||
※柳田國男著、『日本の民俗学』、中公文庫、中央公論新社。2019年6月刊行。ISBN 978-4122067493 |
原文 | |||
柳田國男 『都市と農村』pp.35-36より |
|
|- |colspan="2"|※柳田國男著、『都市と農村』、岩波文庫、岩波書店。2017年9月刊行。ISBN 978-4003812211 |- |}
G1 基本パターン
原文を、大きく意味を変えないように、自分の言葉で要約して利用する
- 参照性
- 読みやすさ
- 読者の利便性
- WPへの適性
出典の明記がされていない | |||
例 |
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※この要約がいいのかどうかってのはあるけども、ひとまずそれは置いておく。
一括参照方式 General Reference (WP:GENREF) |
執筆に際して参考にした文献を、(記事の最後に)一覧でまとめて示す | ||
例1 |
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ウィキペディアでは、記事の三大方針として「検証可能性」を掲げています。一括参照方式ではこれを十分に満たすことができませんから、ウィキペディアにはあまり適していません。
- 単著や、紙で印刷される文献のように一度発表されたあとは不変の文章と違い、ウィキペディアでは絶えず様々な利用者が改変をくり返すため、どの文章がどの情報源のどこに基づいているのかがわからなくなる。
ホニャララ方式 (WP: ) |
典拠に関する情報を、直後にカッコ書きで示す | ||
例2 |
| ||
|
ホニャララ方式改 ホニャララ方式の発展型 (WP: ) |
典拠に関する情報を、注釈化し、別掲する | ||
例3 |
| ||
|
話法形式 本文中での出典言及 (WP:INTEXT) |
典拠に関する情報を、記事本文に組み込む | ||
例4 |
| ||
|
- あまりにも一般的な事柄を、帰属的に記述すると、あたかも、それが一般的ではない注意を要する事柄であるような印象を与えることがある。(例:「田中によれば、ニューヨークはアメリカの都市である。」)#本文中での出典言及参照。
- 文章が肥大化しやすく、あまり重要でない情報が、長々と記述されることで、あたかも重要な情報であるような印象を与えることがある。
G2 文献情報を略記する
典拠に関する情報を、一定の規則に基づき略記する方法があります。この場合、詳しい情報は別掲します。
いずれも記述をスリムにすることができますが、その反面、ぱっと見ただけではわかりにくくなります。
出典に関する情報を、直後に示す | |||
例2 |
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出典に関する情報を、注釈化し、別掲する | |||
例3 |
| ||
|
出典に関する情報を、記事本文に組み込む | |||
例4 |
| ||
|
- Wikipedia:出典を明記する/個別参照法
- 上のページにあるように、略記の方式として、姓年参照、姓頁参照、番号参照の3種類がある。
P
いろいろなパターン
あああ | |||
例1 |
| ||
例2 |
| ||
例3 |
| ||
例4 |
| ||
例5 |
| ||
効果 | |||
|
|
S
いろいろなパターン
あああ | |||
例1 |
| ||
例1 |
| ||
例1 |
| ||
例1 |
| ||
例1 |
| ||
例2 |
| ||
例3 |
| ||
例4 |
|
|- |colspan="3"|効果 |- |colspan="2"|
- その場ですべてが示される。
- 読者にとって、根拠が明瞭である。
- 情報が帰属化されており、中立的に書きやすい。
|width="50%"|
- 長くなる。読みにくく感じるかもしれない。
- あまりにも一般的な事柄を、帰属的に記述すると、あたかも、それが一般的ではない注意を要する事柄であるような印象を与えることがある。(例:「田中によれば、ニューヨークはアメリカの都市である。」)
|- |}
A
記事の解説文章中に、情報源についても織り込む方式
A1
解説本文中で、帰属化して情報源についても説明する方式(AAA方式) | |||
例1 |
| ||
例2 |
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効果 | |||
|
|
see
A2
解説本文中で、情報源を明示する方式(BBB方式) | |||
例1 |
| ||
例2 |
| ||
効果 | |||
|
|
A3
1と2の中間的な方式
情報源と詳細情報を分離する(CCC方式) | |||
例1 |
| ||
例2 |
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効果 | |||
|
|
A4
第三者言及を介する方式
A1に第三者言及を介する方式(DDD方式) | |||
例1 |
| ||
例2 |
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効果 | |||
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A1と比較すると、この方式は「情報」に第三者による保証が付与され、信頼度が高くなる効果があるかもしれない。これに較べるとA1は一次情報的になる。
しかし「第三者」の選択次第では、情報の信頼性を疑わせる効果が出るかもしれない。
- (例)佐藤医師は、『吾妻鏡』にこうあると述べた。
- この例では、「佐藤医師」は国文学の専門家ではないという情報が加わるため、分析が妥当ではないかもしれないという印象をもたらす。
B
読みやすさを考慮し、記事の解説文章中ではなく、典拠に関する情報を注釈に別掲する方式
B1
あああああ | |||
例1 |
| ||
例2 |
| ||
効果 | |||
|
|
B2
解説本文中で、情報源を明示する方式(BBB方式) | |||
例1 |
| ||
例2 |
| ||
効果 | |||
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|
B3
1と2の中間的な方式
情報源と詳細情報を分離する(CCC方式) | |||
例1 |
| ||
例2 |
| ||
効果 | |||
|
|
B4
第三者言及を介する方式
A1に第三者言及を介する方式(DDD方式) | |||
例1 |
| ||
例2 |
| ||
効果 | |||
|
A1と比較すると、この方式は「情報」に第三者による保証が付与され、信頼度が高くなる効果があるかもしれない。これに較べるとA1は一次情報的になる。
しかし「第三者」の選択次第では、情報の信頼性を疑わせる効果が出るかもしれない。
- (例)佐藤医師は、『吾妻鏡』にこうあると述べた。
- この例では、「佐藤医師」は国文学の専門家ではないという情報が加わるため、分析が妥当ではないかもしれないという印象をもたらす。
X
- ニューヨークはアメリカの都市である。
- 田中によれば、ニューヨークはアメリカの都市である。
記事中で直接示す場合
- 建久3年(1192年)7月12日に源頼朝は征夷大将軍に任じられた(北条本『吾妻鏡』(新訂増補国史大系)、建久3年(壬子)7月20日条)。
- タラバガニはヤドカリの一種である(倉上政幹・著、『水産動植物精義』、杉山書店、1925年。pp.293-299「たらばがに」)
これを略記することもある
- 建久3年(1192年)7月12日に源頼朝は征夷大将軍に任じられた(『吾妻鏡』7月20日条)
- タラバガニはヤドカリの一種である(倉上、1925、pp.293-299)
この場合には、これだけでは情報源がわからないので、詳しい情報を別掲する必要がある。
- 『吾妻鏡』建久3年(1192年)7月20日条には、建久3年(1192年)7月12日に源頼朝は征夷大将軍に任じられたとある。
- 倉上政幹『水産動植物精義』(1925、pp.293-299)によれば、タラバガニはヤドカリの一種である。
倉上(1925、pp.293-299)によれば、タラバガニはヤドカリの一種である。
長所・メリット
- 読者が、根拠を即座に理解できる。
- 情報が帰属化されており、中立的に書きやすい。
- 『吾妻鏡』のように、情報源自体がよく知られているケースでは、話が早い
短所・課題
- 長くなる。
- 『吾妻鏡』だけでは、どの写本なのか、どの記述なのかを求められるかも知れない。
→北条本『吾妻鏡』(新訂増補国史大系)、建久3年(壬子)7月20日条
- あまりにも一般的な事柄を、帰属的に記述すると、あたかも、それが一般的ではない注意を要する事柄であるような印象を与えることがある。
- ニューヨークはアメリカの都市である。
- 田中によれば、ニューヨークはアメリカの都市である。