第2日目 気仙沼→平泉
中尊寺

さて、猊鼻渓を堪能したら、次の行き先を決めようと思う。

地図を見ると

中尊寺というのが近いらしい。

中尊寺金色堂は中学生でも知っているよね

でも見たことはないでしょ
ってことで、2005年当時のまだ歴史にも神社仏閣にも興味が無い俺は
軽い気持ちで1000年の都・平泉に向かったのであった

中尊寺入り口




寺経験の少ない俺は、
たかが寺と思っていた。

これまで見たことがあった寺といってもせいぜい京都や奈良の寺で、
入り口から建物まですぐの物件ばかりだったから
ちょっと面食らった

この時の俺の判断で最も冴えていたのは、
入り口で観光客用の音声ガイダンスをレンタルしたことだ!


ほら、よくあるじゃない
イヤホン付きの小型ラジオみたいなルックスで、
観光スポットの各ポイントにつくと、
そこの場所の説明をしてくれるやつ

あれよあれ

あれを借りたのよ

いやーほんと冴えてた

今の俺が神社仏閣に興味が有るのはたぶんこの判断のおかげだと思う


まあとにかく、歴史に興味のない道民がまず驚くのは

この参道


遠いよバカ野郎





と、思ったら

『はいこちらの杉は 
 奥州藤原氏の藤原秀衡が自ら植えた杉でーす
 上の方には、義経が彫った落書きがありまーす』

みたいなノリで歴史攻撃を繰り出してくる!

義経が彫った落書きがありますって、簡単に言うけども、
1192つくろうジンギスカーンだぞ!?
何万年前のことだと思ってるんだ
えへー

藤原秀衡が自ら植えたとか、見てきたようなこと言いやがって

道民が歴史に疎いと思ってバカにしてるだろ!

と思うこと請け合い、ってレベルで歴史攻撃をしてくる。

これには参った。



さらに、もう少し登ると
こんなふうな景色が見える開けた場所があって

なんかこの景色が見える場所で、なにかすげー有名な俳句を詠んだらしいよ

的な説明があった。

ここに見えている川は北上川で、
松尾芭蕉が北上川を詠んだ有名な俳句があったかなと思ったけど
そもそも俺松尾芭蕉とか知らんし、
全く思い浮かばなかったけれども
ほら、 五月雨を集めて早し北上川 ってやつかな?
って思った。



まあそれは最上川なんだけど、そのことに気づくには6年ぐらいかかる。


ほむら立つ




まあとにかく、しばらくのぼりつめていくと、やっと金色堂に巡り会えるというわけだ。

金色堂は、ガラス・ケースに入れられている。

まあ、屋外に放置したら金閣みたいに全然金ピカじゃなくなっちゃうんだろうから、
しょうがない。国宝だし。

まあでも、俺的には、国宝なるものをマジマジと見た初めてのことで、
割とかなり感銘を受けた。
国宝好きになったのはたぶんこのせい。

ところで、この近くには、
NHKの大河ドラマ『ほむら立つ』のロケセットがあって、
そこには大規模に再現された平安時代の建築群があって、
当然そこには金色堂のレプリカも屋外にあって、
ぶっちゃけそっちのほうが見た目の迫力はあるらしいよ。

まあもちろんここの読者にほむらとか言ったって
全員が全員暁美ほむらなんだろうけど、
おれは食うかい?の子派だし、
一応説明しておくと、『ほむら立つ』は、
円環の理に導かれて時空を超える魔法少女とかは全然関係なくて、

奥州藤原氏の盛衰を描いた大河ドラマだ。
大雑把に三部構成になっていて、
前九年の役と藤原経清(奥州藤原氏の祖)と安倍氏(東北の豪族)、
後三年の役と清原一族と奥州藤原氏の隆盛、
藤原秀衡と源義経と頼朝の奥州攻めと藤原氏の滅亡
を描いてる。

戦国時代ものじゃないし、まあ割と地味な地域のことなので大河ドラマの中でメジャーではない部類だと思うが、
非常に戦闘的な構成で実はすげー面白い。主題歌も戦闘的でかっこいいし。


特に、真冬の栗駒山を雪中行軍して奇襲しようとする陸奥守源頼義軍を、
逆に雪山の中で待ち伏せして、

野蛮人の太鼓をドッドン!ドッドン!って鳴らして襲いかかってボコボコにするシーンとか最高。




まあまあおすすめ。


歴女との戦い

さて、ひと通り中尊寺を見学したら、売店へ。

実は、あちこち見学中に気になっていたんだけど、
境内には女子中学生?か女子高生?の団体客がけっこういて、
修学旅行かなんかだと思うんだけどね、
こいつらがペチャクチャうるせーのよ

なにしゃべってるかっつうとね、
たとえば藤原高衡の肖像画の前とかで

「あー、この人泰衡の兄弟でしょ」
「この人嫌な人なんだよねー」
「えーでも忠衡はいい人だよー」
「厨川のさー」

みたいな感じ。

正直、横で聞いてる俺は
なんでこいつらこんなに東北史詳しいの?死ぬの?
みたいにガクガクブルブルするレベル。

正直、文系人として、
このレベルの中学女子に歴史知識で負けるとか屈辱だよね
ほむほむっ

というわけで、そこらへんに貼ってあったポスターで、
なんでこの女子が俺より歴史に詳しいか、
その理由がわかった。

大河ドラマで『義経』をやっている真っ最中なのだ。(※2005年放送)
主役はジャニーズ。
この7月中旬は、一の谷の合戦をやったあたりだった。
なるほど、それで女子中学生が異常に平泉政権に詳しいわけだ。
納得した。いや、得心がいった。
俺の知識が中学生以下ではないんだということが確認できて
心が晴れた。俺が悪いわけではなかった。すっきりしたー


というわけで中尊寺も攻略完了

あ、攻略って言ってもギャルゲーとかじゃないよ。
2005年の時間軸の僕にはまだ、ギャルゲーとかの概念は存在していなかった。
西園寺や甘露寺、大空寺、久遠寺、(久遠寺はまだ未プレイだ)、八九寺なんてキャラがいるとしても、
この平行世界の因果線が、あ、世界といってもワールドの方ね、
まあいいや

でもまあ、中尊寺でぐぐっても萌えキャラが出てこないところを見ると、
中尊寺姓の萌えキャラはまだいないようだ。
チャンスですよ