第2日目 盛岡→秋田
to 乳頭

さて、時間の観念がおかしくなってしまいそうだが、
盛岡でのイベントを済ませた頃にはもう18時ぐらい。

今夜の宿に向かわなければいけない。

行き先は秋田県の乳頭温泉。
なんかいい温泉らしい。名前がエロいし。


とかなんとか言っているうちに、
あたりは完全に暗くなった。

これから未知の峠越えだ。



「岩手県から峠を超えて秋田県へ入る」

と言っただけで、都会のもやしっ子たちは、
ものすごい大冒険に感じることだろう。

もちろん2005年当時の俺は都会っ子だったので、
かなりのドキドキだった。

しかも夜、暗い。

おまけに峠は濃霧だった。

何よりも参ったのは、
田沢湖から乳頭温泉へは国道を外れて山道へ入るのだが、
これがもう 視界10メートルあるかどうか、っていうぐらい濃霧。

参った。

真っ暗で濃霧だよ

もうほんと、ゆっくりしか走れないし、
時間はもう20時過ぎてるし、
携帯はずっと圏外だし、
果たしておれはちゃんと乳頭温泉に辿り着けるのかなあ

そんな不安すら脳裏をよぎった。

そうやって山道を30分ぐらい走ると、
霧の中、なんとなく少し開けた場所に出た。
照明がある。

車のスピードを落として、
ちょっと様子をうかがうと・・・・


霧の中からエンジェル登場

「◯◯さん(俺の名前)ですか?」


そう、宿のエンジェルちゃんが、わざわざ霧の中、
到着が遅い、道に迷っているのではないかと、
おれを探しに来てくれたのだ



というわけで、無事に宿につくことができた

ありがとうありがとう


公共の宿



もちろんもう20時を過ぎているわけだが、
夕食の用意があるという。

えっ と思ったが、

なんと俺一人のために、
食堂を閉めないでいてくれたんだ。

食堂はいわゆる夕食バイキングなんだ。

実は、ここを予約したのはこの日、
高速道路で平泉から盛岡へ向かう途中あたりのことで、
どこの宿をとったらいいものかサッパリわからないまま、
とりあえず地図で見て気になった乳頭温泉にTELし、
とりあえず電話の繋がった


<公共の宿 休暇村 乳頭温泉郷>

なんだ。


公共の宿で、
こんなエンジェルサービスがあるというのもかなり意表を突かれて驚きだった。
どうせ公務員みたいな連中だろ?
となめていたからな。

そして予約した時に聞いたのだが、
晩飯はバイキングだという。

温泉地の公共の宿のバイキングなど、
どうせ、
スパゲッティミートソース とか 中華焼きそば とか わんこそば とか
チャーハン とか お粥 とか ミートボール とか 冷凍の里芋煮 とか

そういうクソみたいな飯だろうと決めつけていた。

だから盛岡を出るときにおにぎりとかを買い込んだんた。


だがしかし!


ここの晩飯バイキングは違った!!

ヤマメの塩焼きとか、

山菜の天ぷらとか、

名産の稲庭うどんとか、

山の幸づくしなのだ!

しかも、20時過ぎて宿にインしたような、
俺ひとりのために、
食堂・厨房のスタッフは全員残っていて、
俺が宿に到着してから魚を焼き始めるとか、
そういう感じ

いや これは恐れいった

恐れいったというか、恐縮したというか、
正直感動した

真っ暗で霧の山道を心細く登ってきた身にこれは効いた


というわけで、
俺の国民宿舎びいきはこのとき始まったのだった!


風呂も素晴らしかった!

真っ暗な外を眺めながら、
ゆるゆりと温泉につかった!!

最高だった!