第2話 雷轟丸と地べた

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せっかく金沢まできたのだから、
なにか金沢ぽいことがしたいよね


でも朝の6時半じゃ何もすることがないことに気づきました

というわけで、6:40の小松行きの各駅停車に乗ります。




各駅停車は見たことない電車。



7時過ぎてやっと明るくなってきた。
北陸の平原が見えそう


日の出。
7:14。
冬至に近い時期だけあって遅いねえ


普通列車なので、車内は通学する女子高生でけっこう賑わっている。
携帯だから音するから写真は撮れないよ

有名な手取川

携帯だからごめんなさい

小松で一度乗り換え。


福井へ向かう。


ところで、今日は12月14日。
12月14日と言えばもちろん









完成しているの初めて見た


お誕生日おめでとうございます
あゆ様


この大聖寺駅で女子高生どもは大挙して降りていった。

ここを過ぎると峠を越えて福井である!



人生初福井!!
おかあさん僕はやりました!





颯爽と電車を降り、福井県の福井市に降り立った俺。

ついに念願の関東の真裏、
実在すら疑われていたまぼろしの福井県にたどり着いたのです!



駅の中にはふしぎなモニュメントがありました。

そして


見てください 福井駅です 立派でしょう
ちょっとした地方の県庁所在地の駅ぐらいの立派な駅です。



振り返って駅前


ぅゎぁ・・・
メインストリートすなぁ



駅前にはちょっと目を引くものが。


くそでかい恐竜。

福井と言えば恐竜だからね。

しかも和紙。
雨降ったらどろどろにならないのか心配するレベル。


やはりまだ朝の8時半だし、どこにも行くところがない。
ていうか俺も大阪で仕事なわけで、
そんなに寄り道もできない。

というわけで駅に戻る。

北陸の特急はかっこいい。

北陸が誇る超特急サンダーバード


先行試作量産型の681系と後期量産型の683系
どちらも最高時速160`b桜の花びらの4500倍の速度

秋田新幹線より速い

新幹線敷いてくれないなら在来線で本気出しちゃうよ的な本気特急
大阪⇔金沢をわずか2時間半で結ぶ。


ドギュウゥゥウウウウウンって感じ



こっちは伝統的なエル特急、雷鳥
ロマンスカー的な展望車が目玉





車両自体は30年ものの485系


サンダーバード=雷鳥




雷鳥は、落雷があるような悪天候の時に活発に活動するから雷鳥なんだって
天気がいいときは鷲とか鷹とかがやばいからなんだって

要するに雷轟丸ってことだよね







というわけで、俺も超特急サンダーバードで大阪へ向かう。


のだが、
サンダーバードは先行するサンダーバードが走行中の異音で点検。
その影響で15分遅れ。


サンダーバードはスピードだけが売りではない。
中身も悪くない。

サンダーバードのサンダーシート。


わかったこと
ふつう、電車に乗るときは海側の方が眺めがいいんだけど
北陸では海側の眺めは凡庸。

意外と海見えないし、なんにもない原っぱの向こうに丘が見えて終わり。

山側の方がいい眺め。

遠くに白山連峰の山々が見え、その雄大な裾野に広がる田園風景を楽しめる。



ところでご存じのように、
現在、北陸新幹線が工事中だ。
完成すると、東京から金沢までが新幹線で結ばれる。

すでに現地ではかなり工事が完成しており、
富山とか金沢辺りでは、
したから見上げる限りもう完成しているようにしか見えない。

実際には線路がまだ敷いていなかったり、
電線がまだ架けられていなかったりするのかもしれないけどね。

その先もこんな感じ。


で、この「北陸新幹線」、
現在は長野まで開通している“長野新幹線”が2014年に延伸してくるわけだが、
長野県知事が「開通後も『長野新幹線』って名前にしろ」とか
新潟県知事が「新潟県に全列車停まらないなら工事させない」とか
ごちゃごちゃ言って調子にのっているよね

金沢駅はもう10年以上前に新幹線ホーム完成しているんだって

福井なんてさ、まだ予算もついていないのに

ここまで作っちゃってるしw

北陸県民からしてみれば、ここまで工事できあがっていながら
長野厨や新潟厨のおかげで開業遅れるとか涙目だよね
まさに真実の涙



さて、無事に特急雷轟丸も出発したことなので、飯にする。

もちろん北陸と言えばますのすし


中身はこんな感じ。
青竹の香りがここちよい



ふたを外すと
笹に包まれて




じゃーん
ますのすしの登場です

ナイフ的なものがついていて、
自分で切って食べる



旨い
実に旨い
北陸に来てよかったと感じるひととき



ところで、
実在性すら疑われている福井県なので、
詳しいことは不明。


福井県についての世間に知られていることを並べるとこんなもんか。

どれも、単独ではそれなりに知られていても、
「福井県」とは結びつかないよね


福井市と敦賀市の間には巨大な山脈があり、
県を北と南に完全に分断している。

海岸も、ひたすら岩崖。
越前岬を筆頭に、人を寄せ付けない絶壁が永遠に続いている。
こんな感じ。


長くなるからあんまり書かないけど、
越前、越中、越後とかの「越」はもともと、古代に「越国」というのが繁栄していた。

コシの国。
感じが伝わった最初の頃は「高志国」と書いた。

両毛の毛国とか、瀬戸内の吉備国とか、山陰の出雲国とか、熊本の火国とか、
そういう日本書紀レベルの古代。

コシ国は、今からでは考えられないが、当時の日本列島では有数の強国だった。
日本海を渡って大陸と交易をして繁栄していた。

コシ国の強さを示すエピソードとして、ヤマタノオロチがある。
ヤマタノオロチはコシ国の怪獣だ。

なるほど、そういえば福井県を代表する川は「九頭竜」だ。
よくうっかり間違っている人がいるけど、
ヤマタノオロチ=又が8つ=頭は九個だからね
福井県では恐竜の化石が発見されるが、
おそらくヤマタノオロチの生き残りとみて間違いない。

ヤマタノオロチの物語は、
強大な軍事力を持つコシ国と出雲王権の戦いの歴史の黙示録に違いない。

もうひとつ、コシ国の繁栄を示す話が日本史に残されている。

日本史上の有名なミステリーの一つに、西暦500年頃の天皇の系譜の混乱がある。
日本に伝わる歴史書や系譜と、
中国に伝わる『宋書』や『梁書』の日本王家の系図、「倭の五王の讃、珍、済、興、武」
そして考古学的な発見とが不一致を起こしているというアレである。

これによると、
おまえらも大昔に社会科で習ったことを思い出して欲しいが、
仁徳天皇、履中天皇、弁恭天皇、雄略天皇(倭王「武」)
などと言った列代の天皇の親子関係がおかしい。
父より子の方が先に生まれていたりする。

これは何か裏があるのではないか、という話だ。

この時期の天皇の最後に武烈天皇というのが登場する。

悪逆非道の限りを尽くしたらしい。
お決まりのパターンだが、
妊婦の腹を割いた、女と馬をセックスさせた、
人を木に登らせて矢で打ち落として遊んだ、酒池肉林でなんたら。

で、そいつが死んで継体天皇というのが即位する。
この継体天皇がコシ出身(福井出身)だ。
これを機に、古代の書物の王に関する記述が、
それ以前のあやふやなものからやたらと詳細なものに切り替わる。

で、これは要するに、コシの国の勇者が悪の魔王を倒し、
帝国を滅ぼして王となり、新たな王朝を開いたんじゃないか説がある。

もしそれが正しいとすると、
今の天皇家は福井出身、
世が世なら福井県が日本の中心だったかもしれないのだ。

福井県HPより


もちろんそうならなかったことは歴史が証明しているけどね!


で、その「コシ」の国というのは、
おおざっぱに言うと今の敦賀を中心とした辺りだったようだ。

どうも、町の規模的にはあるいは

福井<敦賀 なのかもしれない。

福井市側からその敦賀に行くには、
巨大な山脈を横切らなければならない。

福井民はこの山脈を境に、
北側を「嶺北」、南側を「嶺南」と称しているそうだが、
我が家のATOKは「れいほく」「りょうほく」いずれも嶺北には変換しなかった。

この山脈をぶち抜くために掘られたのが
北陸トンネル
全長1,387,000ab。
約14キロの長大トンネルで、かつて世界最長のトンネルだった。
(日本では海底トンネルを除くと現在も在来線最長)
プロジェクトXの題材にもなっている。





が、電車に乗っている側にしてみれば異常に退屈なだけ。
うっかりすると寝るレベル


だが確かに、トンネルに入る前と抜けた後では風景が一変しているような気がする。
ソースは俺


トンネルを出るとすぐに敦賀だ。

敦賀は懐かしい感じの駅

高架じゃない地べたの駅だし、
駅裏には線路がいっぱいあるバックヤードがあって、
雑草が生えた空き地がいっぱいあって、
その向こうには工場(こうば)があって煙突から煙が出ている。


そして敦賀を出ると、またトンネルを抜け、
賤ヶ岳の合戦があったところを過ぎると琵琶湖なのだが、
その辺で寝たのでよくわからない。

目が覚めるとまもなく終点の大阪だったような気がする。
寝台列車でほとんど寝ていないからしょうがないね


 次回 第3話 ちゃんと言って、ここに書いて