蘭島(らんしま)は、札幌から近い海水浴場として、札幌市民にはよく知られている。実は、蘭島海水浴場は、北海道で最初の海水浴場で、明治36年(1903年)に開闢した。本当かどうかは知らないが、Wikipediaによれば、北海道で最初であるだけでなく、「一般庶民も利用できるものとしては」日本初の海水浴場である。 大正から戦前が最盛期だったそうだが、私が子供の頃も夏になると、札幌から海水浴用の臨時列車がバンバン走っていた。ちゃんと専用のヘッドマークをつけたDD51牽引の客車列車なんかである。
蘭島は忍路半島の西側の砂の海岸で、西の畚部岬と忍路半島のあいだにある。このあたりには縄文時代の遺跡があちこちにあり、ストーンサークルや洞窟壁画、古代文字(未解明)など、「歴史」と言うにはなにもわかっていないが、とにかく古くからヒトがいたらしい、ということはわかっている。 江戸時代以降に、海産物を求めて進出した近江商人が忍路を拓き、忍路郡が成立する。塩谷などと並び、忍路郡を構成する村の一つ、蘭島村は忍路村の西隣の漁村で、ほとんどが明治以降に開拓された北海道のなかでは歴史は古い。当然、そこの神社もそれ相応の由緒と、それに見合うだけの社殿を有している。 ![]() なんといっても目を引くのは、この彫刻。 北海道の神社では、そもそもこうした装飾などなんにもないのがほとんどだ。あってもごく初歩的なものである(例)。 こうした装飾は多分に仏教美術的でもある。神社建築が仏教美術の性格を有しているというのは、要するに江戸時代の神仏分離以前から歴史をもっていることの証でもある。
ちょうど、訪れた日の翌日に神事があるということで、社殿の整理や除雪をしている方がいた。 お参りしたり写真を撮っていると、「ここより忍路神社のほうがすげーよ」と教えてくれた。ただし、忍路神社の方は冬は神事がないので除雪されていないけど、とのことだったが・・・ それにしても気になるのはこの狛犬。
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追加日:2015年2月14日 |