第2日目〔11〕

14:00 The time has come 運命の・・刻は来た・・・

何本もトンネルをくぐって

 

 

ウネウネ走り、

 

 

いくつかのダムを眼下に見ながら

 

 

しばらく走ると、

下御所トンネル地帯。

キトウ村の人々とももうすぐお別れだ。

 

 

トンネル地帯を抜けると・・・・・・

 

 

二人がであった出合橋 (*´∀`*)

地図を見ていただければわかりますけども、

この橋を渡ると、道は山を越えて北を目指す193号と、川沿いに徳島・阿南へ下る195号に分かれます。

出合は別れのはじまりなのれす。

 

 

 

 

 

さて、

この辺の山ん中はやたらと道路工事が多い。

これから夏の本格的な観光シーズンを前に急ピッチで道路を直そうというのか、四国民よ。

 

そして、ちょっと戻ってこの写真、はい注目ー

こんな山奥、狭い道で道路工事をするのだから、

片側交互通行だ。

旗持ってる案内係の人もいないので、無人。

無人のため、仮設の信号があって、カウントダウンをしている。

信号は赤。あと○○秒で青に変わり、進行許可になる。

 

 

徳島ドライバー、普通に無視ですよ無視

 

 

もうね、赤でもね、あと60秒でもね、普通に突撃。

もちろん信号の先は見えないよ。

ほなけん信号などにこの俺の行く手を阻むことなどできんぜよ!

 

みたいな感じだ。

 

 

信号、赤、前のダンプ、直進。ボクだけぽつんと山の中で90秒信号待ち。

みたいな。

 

 

 

ところで、この出合橋を渡ったところに信号があって、みんな右へ、つまり徳島阿南方面へ行く。

左へ曲がって、北へ山越えルートに向かうのは我々だけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

通行止

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

( ・⊇・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ( ・⊇?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この先193号通行止。

 

 

 

(#゚⊇゚)

 

 

 

 

 

*おおっと!*

193号   全面通行止   

沢谷開拓橋〜ファガスの森・高城方面入口   

山腹崩壊・落石等

復旧予定:未定

迂回路:無    

問合せ先:南部総合県民局(那賀)TEL:08846-2-0219

しらべますか?

 

 

 

(*゚⊇゚)

 

 

 

復旧予定:未定

 

復旧予定:未定

 

復旧予定:未定

 

迂回路:無

 

迂回路:無

 

迂回路:無

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ふーん^^、で?

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと地図をおさらいしよう。

いやいや、ここ北に抜けられないとかありえれいな。

我々の綿密な計画が台無しになっちゃうじゃないか。

 

 

 

 

もう少し地図をおさらいしよう。

 

 

 

拡大

 

 

さらに拡大

 

 

さらに拡大!

通行止め情報をよく読んでみよう。

 193号   全面通行止   沢谷開拓橋〜ファガスの森・高城方面入口

・・・。

通行止めなのは、193号だ。

 

・・・・・・。

沢谷開拓橋ってのは、きっとここだ!

 

 

くくく、、、そして・・・・・・、

ファガスの森・高城入口ってのは

くこだ!

 

この2点を結ぶ193号が通行止め。

しかし、しかし。

国道が通行止めというのは、余程の事態だ。そうそうあることではない。

いいかい?国道ってのは、国が管理する道路だ。

なんで国が管理するかって言うと、重要だからだ。もう国策上。

つまり、もし、万が一、北朝鮮とかが四国に侵攻してきたときに、軍用車輌が作戦上どうしても通りたい交通の要衝。

もしこの国道が通れないとなると、海岸線を北朝鮮に抑えられたら、反撃できない。

そのために、絶対に通行できないといけない。コレはもう国の決まりだ。

 

平和ボケの内地民にはここまですぐに看破できないかもしれないが、

道民なめんなよ

伊達にソビエト攻めてきたときの緩衝地帯に住んでないぞ

遊びでやってんじゃないんだよッ

確実に抜け道はあるッ!!確実!そうコーラを飲んだらゲップが出るっていうくらい確実じゃッ!

 

つまり

 

こうだッ

抜けられない峠などない!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

orz


14:30 カチッ  カチッ 

進退窮まった。

四国の山奥で。

西日本で二番目に高くて深い剣山の麓で。

午後3時。

いまからどこをどう抜けても、剣山に登って大歩危行ってこんぴら行って高松に行くのはムリだ。

 

カチッ!カチッ!

 

並の漢ならば、ここでパニくるはずだ。

もうだめぽとあきらめるはずだ。

どうしていいかわからなくなるはずだ。

 

カチッ!カチッ!

 

だがしかし、我々はここで

スイッチング・ウィンバック!

それは!一流のスポーツ選手らが用いる精神回復法ッ!!

精神的に追いつめられたときにッ!

スイッチをきり変えるようにッ

闘志だけを引き出すことができるッ!!

 

我々のスイッチはッ!!

 

 

 

 

 

 

川遊び(*´∀`*)


14:30 外からホワイトストン、ホワイトストン

さて、実際問題として、どんなに山奥で、切羽詰っていたからといって、

もう道だけに完全に木をとられるような我々ではない。

この林道に入ってからずーーっと気になっていたのが、谷を流れる川や崖にゴロゴロ転がる、純白の大岩だ。

 

ちょっと崖を降りて白い岩だらけの谷に下りてみよう。

特に名のある景勝地ではない。

地図にも何の記載もないただの谷。

那賀川の支流、坂州木頭川の上流。もう少し上流は槍戸川と呼ばれ、剣山の奥深い懐から南へ流れ出る渓流だ。

谷の反対側、崖が見えているのは、1600b級の「平家平」という山。

その向こうはつい小一時間前に通ってきた木頭村で、白石という集落がある。

白石、白石だ。

それにしても、山ひとつ全部がこの真っ白い石でできているようだ。

車よりでかい石。

こんなのが標高1600bから落ちてきたら大変だ。

 

川に入ってみた。

渓流の清水、とイメージほどひゃっこくない。

冷たいことは冷たいが、身を切るような、というわけでもなく、気持ちいぐらい。

少しはなれたところで崖崩れを直す工事をしている。

 

我々は全くの無人の山中で崖下の谷に入るほど完全なバカではない。

万が一何かあっても誰かが気付いてくれるように、

ヒトが近くにいるところでチャプチャプやるのだ。

 

水きれいだよ水

行き止まりで道に困っていることなど忘れそうだ。


いろんな石

あらためて沢谷沿いに少し川を歩いてみる。

もちろんジャブジャブ水の中を歩く。

やばそうな深そうなところやがけっぷちは避ける。

まあ深いといっても、ひざぐらいまでしかないんだけども。

「淵」と「瀬」の理論さえマスターすれば、危険なところを回避するのは難しくない。

 

少し行くと、白だけじゃない、色々な石があった。

 

みどりのしましま石

近くで見ると・・・

金色のスジもあった。

こないだ東北行ったときに砂金だと思って必死に集めた金色の砂が黄銅鉱だったのを思い出す。

 

 

赤と白のしましま石

レッドキャベツみたい。

 

みどりとあおのしましま石

 

 

七色のしましま石

ところどころが残雪のように白い。

 

写真じゃわかりにくいと思うけど、
全部、直径3、4メートルはある岩だから

そんなわけで、プライスレスなお土産ゲットヽ(´ー`)ノ

ここではコレしか石採らなかったから、お土産に送った石には、これはなかったハズ・・・・ゴメンネェー


((((( ;゚ー゚)))))))

さてとりあえず、道を戻るしかない。

とりあえず、国道と林道の分岐点まで戻る。

 

まあ、実はね、さっきのふたりの出合橋からここまで来る童貞じゃなくて道程で、

これはかなりヤバイかもわからんね、、、

ってことはわかってたんだ、うん。すまない。

 

だってさ、

あっちこっちで↓こうだよ

もうね、カンの鋭いボクはね、すぐに

ハハ〜ン、これは去年の台風だね

 

って読んだね、もう読みきった。

 

 

それにしても

 

 

いたるところで

山は崩れ

法は崩壊し

 

道はぐちゃぐちゃ

 

崩落して破壊された道路の残骸が横たわり、

 

土砂に埋もれてしまった道路もあれば

 

谷底には落ちた橋の残骸が転がる。

 

なんとか仮設の渡橋がかけてあるところもいっぱいある。

 

この写真は全て、今年の8月に撮ったものだ。去年の台風直後ではないんだよ。

一年経ってもこの状態。

去年の台風はやっぱすごかったんだなあ。

横浜のあたりでさえ、川は氾濫するわ車は飛ぶはだったもんなあ。

 


 去年の台風直後の木沢村の様子

 

↓国道193号大用知橋付近

 

↓国道193号 加州橋流失

 

↓上のほうでブルドーザーが止まっていた写真の場所の一年前の姿(府殿橋)

ヒトの大きさと比べてて見ると・・・・!

一年後→

(´・ω・)こんななったところをボクも今日通ってきたわけだ・・・・・

 


(´・ω・`)  ガンガレ木沢


今後の進路について

さて、真っ直ぐ北を目指すことが物理的に不可能となってしまった。

今後の選択肢は二つ。

@来た道を高知へ戻る。高知で泊まる。香川や愛媛の観光はあきらめるかわり、明日はゆっくりのんびりと、高知から足摺を目指す。

Aトラックの後をついて、安パイの国道195号で川を下り、阿南から海沿いを徳島へ向かい、初日のルートを戻る。この場合でも、恐らく時間的に大歩危小歩危はムリ。

だが断る!

 

 

こっちだッッ!!

県道県道!

県道16号・徳島上那賀線ッ!!

 

県道ッ!

それは国道にはかなわないがッ!

県が、すなわち国家権力のしもべが作る道ッ!

融通の利かぬ国道よりも意外と地元のニーズに直結直結ぅ

国道よりも整備がされている可能性もあるゥッ!!

しかも北へ抜ける山越え林道ルートも可能性アリアリアリアリアリ!

@にしろAにしろ一度来た道を戻るなどもってのほか!

前へ・・・!前へ・・・・・・!!

進む・・・・・!!!!!

 

 

だが駄目っ・・・・・!!

 

くそっ・・・・・・・・・・・!

 

 

 

くそっ・・・・!

くそっ・・・・!

 

 

くそ・・・・っ!

くそ野郎っ・・・・!

 

 

 

戻るのかもう一度・・・・・・!

 

 

この道を・・・・・・・・!

 

 

 

ううっ・・・・・・・!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え・・・・?

 

 

 

 

なんだ・・・・・!?

 

 

 

 

 

あそこ・・・・・!キラキラ光って・・・・

 

 

 

 

 

 

 

いや・・・・・・・よく見ると・・・・・・・・・・

その下も・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

うっ・・・・・!

 

 

 

 

 

 

曲がった・・・・・!

 

 

 

 

 

 

光が・・・・

 

 

 

 

 

 

こっちへ近づく・・・・

 

 

 

 

 

向かってくる・・・・・・・・・・・・・!

 

 

 

 

ううっ・・・・・!

 

 

 

 

これは・・・・・・・・・・・・・・・!

抜け道・・・・・・・・・・!

 

 

 

 

 

これがあの土砂崩れを避け・・・・

ゴールに至る起死回生・・・・・・・・・・

 

 

 

逆転・・・・・・・・・・・生き残りの道か・・・・・・・・・・・・・・・・!

 

 

 

 

 

193号からこの細い細い抜け道へ、狭い狭い橋をそろそろと渡る。

橋のたもとにはおばあちゃんがいた。

「え・・・え・・・・?マジ・・・?この橋渡るの・・・・?車で・・・・?この先に・・・・行くの・・・?」

 

そういう目をしていた。


徳島県木沢村http://www.kisawa.jp/

紹介が遅れたが、このあたりはかつて木沢村という村であった。

先ほどの木頭村などと合併をして那賀町となったが、だからといって木沢村の暮らしが変わるわけではなかろう。

この山奥の谷間の村々は、かつては丹生谷(にゅうだに)と呼ばれていたそうだ。

赤い顔料が採れたからだと言う。

ボクが拾った石にも関係があるのかもしれない。

 

今では林業のほか、大変美しい高級花、「都忘れ」の産地として名を馳せているそうで、京都の高級料亭に買われているそうだ。

朝夕の気温の差が大きいほど鮮やかに色づくそうで、実際、これほどの山奥でも午後3時台の気温は30度を超えている。

綺麗だね。

 

今は土砂災害の影響で通行もままならないが、剣山山麓の林道を深く入って行くと、

アナグマ(*´∀`*)もいるらしい。

(・(ェ)・)

 

あと、南国徳島のくせに、つららできるらしいよつらら

 

君も木沢音頭を聞こう! 木沢音頭(リアルオーディオ)  http://www.kisawa.jp/uta/ksondo.html

君も木沢村民歌を聴こう!   木沢村民歌(リアルオーディオ)   http://www.kisawa.jp/uta/ksonminka.html

 


等高線との斗い

さて、細い危なっかしい橋を渡る。

等高線と垂直に交わる道路。

この意味がわかるかね?

この縮尺では等高線は20b間隔。

40bほどの高低差を一気に登る・・・・!急坂・・・・・・!

ものすごい・・・・・!!!アクセル緩めたら落ちる・・・・・・・・!

手に汗握る・・・・・・・・・・・!!!!

 

 

 

そして今度は

等高線が狭い間隔で幾筋も平行に並ぶ。

その間を渡りゆく道。

崖・・・・・!

絶壁・・・・・・・・・!

運転席から見ると路肩が見えないッ・・・・・!!!!!!

奈落ッ!!奈落ッ!!!!!

手に汗握る隘路ッッ!!!!!

標高もぐんぐんあがるッ!!

 

まさに林道ッ

林道の醍醐味ッッ!!


この標識の意味を知ってますか

 

ちょっとした山道を走ればしょっちゅう目にする標識だ。

まあ、ある意味、見慣れた標識、この標識が出ていたからどうだ、ってことは普通ない。

 

 

 

しかし

 

 

 

こういう光景をさんざん見た後では、この標識の凄みが違う

 

こんな、割と安心して走れるところもあるけど、

 

 

 

 ( ´⊇`)  「頭上落石注意」ね あるある

 

 

 

 

 

 (  ・⊇・)

 

(  ゚Д゚) 当たったら死あるで・・・


16号

 

気がつくともうこんな高いところまで登ってきているが

路肩は崖です。

ガードレールがないどころか、マジで崩れているところもあります。

 

とはいえ、ボクも林道好きの道民です。

電柱があって舗装されているような林道なんて、まだまだお子様向けです。

全然平気です。

動画だって撮っちゃいます。

これはこの辺ですね。

 

今の気分を歌にしましょう。

 

登った 曲がった

すでに満身創痍だ

息をつく間もなく

襲い来る急坂と隘路

負けるか おれは道民

崩れそうな路肩を

避わして なお走った

見つけた頂上だ

「八重地トンネル」の手前です。今登ってきた道を振り返ります。

「木沢村」なのか「那賀町」なのか、そんなことどっちでもいいJAN!

 

そして、峠からの展望です。

うほっ いい山奥

 

 

 

 

 

 

そんな山奥でも、

 

 

 

 

 

 

 自転車の高校生のおにゃのこもまだ走っている。