2008.11.1





松島ってのあさぁ、
こんな風になってんだよなー


ちょっとばかり長い話になる

松島四大観ってのがあってさ、
どこのどいつが考えたのか知んねーけどさ

ばーか、違うって
「よんだいかん」じゃねーっつうの
「しだいかん」

はぁ?

とにかくさ、新しい時代を救うには、
新しい松島が必要だって、それがおやじの言い分だった

麗観壮観ってやつは第1回遠征で倒したからさぁ

今回は幽観ってやつを倒せばいいんだろ?





朝の7時

双観山

だいたいさあ
幽観つってるのに何で展望台の名前が双観山なんだよ
こんなのってありか?




「双観」山ってぐらいだから、ってことで
朝っぱらから二人並んで見てみている人々がいる



なんかさやかが声かけたらしいんだけど、
遠路はるばるご苦労さん、
みたいなこと言われたらしいぜ
ふん、ウザいやつにはウザい仲間がいるもんだねえ





アタシはさあ、正直言うと、割と眠気がピークだ。
だって徹夜だもん



読めない








松島のどまんなか





なんつうの?
せっかく松島まで来たんだし、そのどまんなかに行ってみようぜってことで
さやかとつるんで来たんだけどさあ

意外と広いんだよねえ
地図で見るとちっさい岩場ぐらいにしか見えないかもしれないけどさ



とりあえず探検したんだけどさ



秋らしいドングリが落ちていたので拾ってみた。

食うかい?

ちょっと食べてみた

生のドングリを食べるのはアタシも生まれて初めてさ



ん〜

パサパサして渋くってまじい









秋らしいキノコが生えていた。

食うかい?



土食ってるみたいな味してまじい!


秋らしいきれいな赤い実があった。

食うかい?



まじい!



結論 秋の野山だからといって
    そこらへんの植物が全て美味しいというわけではない




じゃあ海の中はどうなのさ
美味そうな貝がいっぱいいるじゃねーか!




食う貝?



いや、やめとくわ・・・

卵産む前の貝シメてもしょうがねえしな・・・











砂浜には夥しい数の魔女の使い魔の足あとが残されていた



ちっきしょう!コケしにしやがって!




首・・・?を回す・・・って こ、こうか?







あーあ
さんざんぱら歩きまわったせいですっかり遅くなっちまった

やっと牡蠣の魔女の棲家にたどり着いた


うわ
なんだよこいつらウゼー
牡蠣食うために朝から何時間も並んでんのかよ
どんだけ必死なんだ

こちとら牡蠣退治するため夜通し走ってきたんだつうの
ちっとは譲る気ねーのかよ



だがしかし譲る気なかった
2時間ぐらい待たされたぜ・・・


待っている間、足湯に浸かってうとうとしたり



さやかと窓辺で囀ったりした!





カキまだかなーカキ


アンタ
それは火器だっつーの




まつこと数時間!

いよいよ牡蠣退治だ!


まず、目の前の1メートル四方ぐらいの鉄板に
牡蠣が詰め込まれ、
逃げ場を塞ぐ結界(蓋)が容赦なく被せられる
超弩級の大物牡蠣だ!



フタを開けると

もわわっ

ここなら遠慮はいらないよね。
いっちょ派手にいこうじゃない!


ばばーん

Auster(アウステル)/牡蠣小屋の魔女

二枚の殻に閉じ込められた魔女。
性質は「無視」。

硬い殻に閉じこもったまま美味しい汁を垂れ流す。
専用の道具でこじ開けるときに
殻の破片で反撃して手を怪我することがあるので軍手が必要。


かつて生牡蠣だった魔法少女たちが
蒸しあがって食べ放題牡蠣に変化した成れの果てだ!




殻に閉じこもった牡蠣の魔女を
次々とこじ開けてはらわた叩き込んで砕く!
要するに、ぶっ潰しちゃえばいいんだな!


アタシたちのテーブルの牡蠣はあっという間に食いつくされちまった
だけど心配ないんだつうの

すぐに牡蠣の使い魔がシャベルいっぱいの牡蠣を持ってきて
鉄板に盛り上げるからキリがねえぜ!


使い魔たちが牡蠣を追加するのと
魔法少女たちが退治するのどちらが早いかが勝負を決める

退治した牡蠣の殻だ

言ってみればエントロピーを食いつくされた「かつて牡蠣であったもの」だ


牡蠣をやっつける手は休むことはないけれど
牡蠣の援軍も続々と湧いてくる


さっきまでぺっこぺこだったはずなのに
あっという間にアタシたちのソウルジェムは満杯になってゆく



その時、アタシは気づいちまったんだ
牡蠣の魔女の小屋の裏手にあったコイツをさあ

見た時はなんとも思わなかったけどこれ、
全部牡蠣の貝殻なんだよな

山積みなんてレベルじゃねー

だ、だめだ
こんなに食っても食いきれないだなんて・・・・

く・・・っ

一体アタシたちはなんのために・・・









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